ナバラとミタ
楽しんでいってください。
「なんでなんでなんで、君がその匂い袋持ってるの!?」
え、今は手に持って無いはずだけど、手を匂ってみると臭かった。
「私の師匠に渡されたものなのよ。あなたがアレの生成者?」
「そうよ。ロードに渡した筈なんだけど、まぁいいわ。それより使った感想聞かせてくれない?」
へぇー、師匠と会ったことがあるのか。こっちだってどんな出会いだったのか聞きたい。
まずは、感想だよね。
「魔物を怯ませたり出来るから、そこから攻撃に転じたり逃走が出来るのは凄いと思う」
彼女は、メモを取りながら聞いていた。そこに親近感が湧いた。私も、ポーション作りでよく第三者からの意見を聞いた時、先生からアドバイスなんか聞いた時には、必ずメモっている。
「まだ名前入ってなかったわね。ナバラよ。よろしく」
「私は、ミタ!よろしくね」
私たちは、それから師匠のことで盛り上がった。そして私が、薬作成やポーションが作れるのを知ると、飛ぶように喜んでいた。
「私、くさい袋を冒険者アイテムとして普及させたいの。もし良ければなんだけど、協力してくれないかな?ちゃんとお金ねは払うからさ!」
これを冒険者アイテムにね……。確かにいい案だし、私も実際に使ったから性能もわかってる。
でも売るには問題があり過ぎる。この匂いは、植物、動物、人間社会においてとても危険すぎる。生態破壊を引き起こす懸念があるからだ。
「ごめんなさい。それを売ることは出来ないわ。それは環境破壊に繋がってしまうの」
「やっぱりそうだよね。カレンさんにも言われてたのに、諦めきれなかった……。ありがとう。使った感想聞けて嬉しかったわ。またどこかで会いましょ!またね」
そう言って、彼女は夕暮れともに消えて行った。辺りは、暗くなりつつある。私も帰路に着いた。
翌朝。私の1日は素振りから始まる。昨日のワードアーム戦、アイツは強かった。
まだ私1人の力で倒すには、危険すぎた相手だった。そして師匠から「逃げろ」と言われてたのに無視した。みんなにも迷惑をかけた。謝らなきゃ。
「おーい!ナバラおっはよう〜」
「リタにみんなもおはよう。そして昨日はごめんなさい。私は、ワードアームを倒しに行ってしまった。本当は、皆んなを連れて逃げなきゃ行けなかったのに」
「ナバラが居なかったら私たち死んでたかもしれない」
他のみんなも口々に言う。でも、私が危険に晒したのは事実。それだけは受け止めなきゃ行けないと心に刻んだのであった。
そうして私たちは、それぞれの授業を受けていき、気がつけばもう夕方になっていた。
「おやつでも食べに行かない?」
ミクの提案に、私たちは「「賛成!!」」と声がはもった。
「どこに食べに行く?」
「やはり、ここは王都名物王都パフェなんていかがでしょうか?」
「エマお嬢、それ買えるのエマお嬢とナバラだけだよ」
そうツッコミを入れるマミに対して、敢えて何も言わない私とエマであった。
「かき氷食べに行かない?昨日のお詫びも兼ねて奢るよ」
「やったー!!」と喜ぶリタと「え、高いよ」というミク、アミ、エマの3人に分かれて見ていて面白かった。
みんなそれぞれ好きな味を味わいつつ、青春という儚くも美しいひと時を過ごせたと感じた。
よし、また明日から頑張るぞと気持ち新たに、グッと体に力を入れるのだった。
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