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第133話 新たなる幹部


 楽しんでいってください。


 ラルクースを倒して5日ほど経った。

 ここ5日、チームで協力して一体の魔物を倒すなんてこともやってみたが、まぁ上手くいかない。

 個々の力がどの冒険者たちより高いため、1人でも倒そうと思えば倒せるぐらいだ。

 どうしたら良いのか、わからん。パーティー戦のこと、もっと師匠に聞いとくべきだったなぁ。

 

「コレからどうするよ」


「とりあえず、村に行くわよ。そろそろ村が見えてくるはずなんだけど」


 遠くの方から煙が見える。まぁ、煙はどの家庭でも出るものだが今回は、違って見えた。

 俺は、胸騒ぎがした。冷や汗が出てくる。「ズーム」と唱えた。

 村らしきものが見える。結界が壊されており魔物がいる。


「おまえら、走るぞ!!村が魔物に襲われている」

 

 俺たちは、神速で走り出した。レベル的にマークが一番早く到着する。

 

(マーク、人命優先で)


(了解)


 あ、コレやばい。魔物に気づかれた。嫌な気配が体全身に伝わる。魔眼を発動させた。この魔物、どう考えてもSじゃん。でもSも結構戦って来たけど、なんか違う。

 幹部、もしくはそれに匹敵する何か。


「あ、遅かったねぇ〜ロード御一行の皆さん」


「双剣使い!?コイツは私やる。村の様子確認!!」


 その言葉で一気に分散する。村は酷い有様だが、カレンなら直せるレベルだ。

 気配感知で、村人たちの安否を確認。全員生きてる。


「大丈夫か!怪我はないか」


「大丈夫です。結界を破壊されただけで、準備運動がわりに村の建物が被害を受けました」


 アイツ1人で攻めて来たんだ。無理矢理、結界を破って……。

 村人たちは、怖かっただろうなぁ。でもアイツは誰1人傷つけた様子はない。俺たちの大体の場所を予測して来やがったのか。


「カレン、ここに結界を頼む。ここを防衛してほしい。」

 

「了解」


「マーク、レンは周辺の魔物確認頼む」


「「了解」」


 俺は、ライカの所に戻ることに。無事だと良いんだけど。目の前に広がっていたのは、ライカが血まみれで倒れていた。


「ライカーー!!」


「おっと、まだ勝負は付いてはないぜ。まだ、立ち入るべきではないなぁ」


「そうよ。まだ勝負は決まってなんかいない。ただ寝てただけだから、心配しないで」


 いや、この状況で心配しないでは無理だ。

 ライカは、立っているだけで精一杯だって誰が見てもわかる。あそこまで血を流して平気なわけがない。

 ライカは、「勝負はまだ決まってない」って言った。それを邪魔するのはいかがなものなんだ。

 ライカがやるって決めた以上、俺は守らなければならないと思う。

 クソが。そう思いながら地面を蹴った。

 やっぱり怒ってるなぁ。そうだよね、仲間の1人がこんなボロボロなのに手を出せないのは、歯痒いし苛立つものだよね。

 ごめんね、ロード。これは、どうしても私1人でやりたいんだ。こんなにも強い双剣使いの魔物、初めて戦った。

 楽しい、痛い、苦しい。そんなことばかり思ってる。そして胸の奥底から聞こえてくるんだ。「勝ちたい!!」ってさ。


「あなた、幹部だよね。名前、教えてよ」


「僕は、魔王軍幹部ソウ。見ての通り双剣使いさ」


 ソウね。今ここで殺す。私、ずっと殺し屋見習いみたいな感じだと思ってたんだよね。

 でも、今は冒険者じゃなくて殺し屋として殺し合いたい。私ならできる。


「双剣・風」


「無駄無駄。そんな攻撃じゃ無理だよ」


 完璧に受け流された挙句カウンターまで貰う仕末。流石にこのままでは、ダメなんだね。

 はぁ…はぁ…はぁ…どうやって戦うかな。どう考えても今の速さじゃ無理だね。

 余裕で反撃貰えちゃうレベルだね。やっぱり出すしかない。「聖女の願い」と唱えた。


「さぁ、こっから第2ラウンドと行こうか」


「ぼくさ、負けないから」


 最後まで読んで頂きありがとうございます。

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