第115話 成果と出発
楽しんでいってください。
朝。俺とナバラはほぼ同時に、武道場にやってきた。
「おはようございます。絶対に勝ちます」
「おはよう。俺も負ける気ないからな。全力でかかってこい」
ナバラも俺も気合い十分だ。
早く戦いたくてうずうずしてくる。
ナバラは、集中を高めていたため多分話しかけても聞こえてないだろう。
そうして、準備を済ませ俺たちは指定した位置の前で立った。
「レディ、ファイ」
剣と剣が激しくぶつかり合う。そこからは、怒涛の打ち合いになり、攻防が始まった。
3日前に戦った時よりも強くなっている。より精度が増している。そして何より、変化したのは死のイメージを感じ取った瞬間即下がり、相手の行動を見極めていることだ。
冷静な対処で完璧な立ち振る舞い。相手にとって不足はない。
体全身を使っての攻撃は、大抵の魔物には対応できる強さを誇っていた。
「はぁぁぁぁぁっ!」
マジか、あれ加速剣……!?
その瞬間、節々に痛みが走る。
防御が、間に合わない……。吹き飛ばされ、武道場の壁に叩きつけられ鈍い音が響く。
本来、移動で使われる加速、神速を手でやるバージョンだ。ほとんどの人がまずしないことでやれないことだ。
ステータスによって扱いの難易度段違いに違うからだ。
それをやってのけった時点で、すごいし強いということだ。
俺もやってみるか。
今までにないほどの衝撃が、全身に駆け巡る。口から血を吹き出しそうになるレベルだ。
まだ、ナバラはレベルが低いからやれるっていうだけで、普通に気失いいそう。
加速剣ばかりに目を取られていた。思いっきり蹴られた。
バランスを崩し倒れ込む。だが、ナバラは次の攻撃はしてこなかった。いや出来なかった。
まだ始まって10分も経っていない状態で、お互いが満身創痍である。
なんとか、互いに立ち上がることが出来たが完全に消化試合になりかねない状態だと思っている。
だが、それは違った。ナバラの強烈なアッパーとみぞおちによって完全に倒れ込んだ。
「マジかよ……ってあれもしかして理性飛んでる?」
痛みが限界を越え、理性を吹き飛ばしていた。
これは、やばいと悟った俺はこれ以上互いにダメージを、下手に増やすわけにはいかないと思い、一撃で沈めることを決意。
「加速式・一閃」
「加速式・正拳」
両者の強烈な一撃が飛び交った。
互いに吹き飛び、俺は腕がもげそうになるぐらい痛がっていた。
それでも、立ち上がり攻めようとするナバラを止めるために、聖女の願いを発動した。
そして、ナバラは恐怖心から動けなくなり、その場に倒れ込んだ。
俺もすぐに駆け寄りたかったが、解除した途端電池が切れたかのようにプツンとその場に倒れ込んだ。
テレパシーで助けを呼び、無事大事には至らなかった。だが、カレンに2人揃って叱られた。
でも本当に、テレパシーがあって本当に良かったと思っている。
その日は、そのまま解散という形になり俺は、日付が変わるまで準備に明け暮れたのだった。
翌朝。俺たちは朝早くから東門出入り口に来ていた。
そこには、アンさんやナバラ、レンの教え子たちも見送りに来ていた。
「カレン、無茶だけはしないでね」
「師匠、昨日は本当にすみませんでした。楽しくなってあんな行為本当に」
「いいよいいよ。俺も悪かった。次帰ってくるまでに試験として、A級冒険者になっておくこと。そして、どうしても逃げられない時は、この臭い臭い匂い袋を投げて逃げろ」
カレンとレンは、呆れていたがこれが有効であることを知っているため、何も言わなかった。
「ナバラがA級冒険者目指すのだったら、俺たちも同じで行こう。頑張れよ」
「「はい!!」」
そうして俺たちは、王都と別れを告げ新たなる旅が始まるのだった。
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今回は、解説なしで即12章となります。
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