第108話 久しぶりの王都
11章開幕です。
多分そこまで多くはならないはず……だと思いたい。
楽しんでいってください。
転移で飛ばされたのは、西門出入り口だった。そこは、何ヶ月も前に居た場所だ。
俺は、攻略完了したんだと改めて認識した。
「さぁ、会いに行くわよ!」
フーミルは、金貨20枚が貰えるのがそんなに嬉しいのかと、鼻歌混じりでステップを踏んで歩いてる。
一方、カレンは青ざめていた。まだ帰ってくる気無かったのだろう。相当凹んでいた。
「そう、落ち込むなよ。また準備したら東門行こうぜ」
少し明るくなって、返事をした。
レンの方は、学園に行きたいのか、何回も学園の方に首を振っていた。
教え子の4人気になるんだろうな。なんて思いながら魔法会に到着した。
扉を開けた先には、カレンの母親アンが待っていた。
「言われた通り、連れ帰ってきました」
「えぇ。ありがとう。これ報酬ね」
フーミルは、もう俺たちのことは眼中にも無いそうだ。魔法会を飛び出して行った。
「カレン、皆さん本当にお疲れ様でした。西門攻略おめでとうございます」
俺とレンは、すぐさまお礼を言っていたが、カレンは黙ったままだった。
「こんなことで呼びつけたなら、もう東門行くけど」
暗いトーンの声は、よく響く。仕事をしていた人たちの手が止まった。
「今回早く戻ってきてもらったのは、トップの仕事せめて1ヶ月はやりなさい。あなたは権限使うだけ使って、職務は私任せなんて許さないわよ」
ぐうの音もでない。カレンを含め俺たちも何も言えなかった。
俺たちは、追い出されたしまった。
「ロード、どうするこれから」
「レン、お前がそれ言ってどうすんの。行きたいんだろ、さっさと行ってこい」
レンは、満面の笑みで学園の方に向かった。
さて、これからどうするかな。宿は、前と同じ場所に用意されてるみたいだし、やることねぇな。
そんな時だった。後ろから声を掛けられた。
「ロードさんこんにちは!!」
後ろからものすごく明るい声が飛んできた。振り返るとそこには、ナバラがいた。
「お、ナバラちゃんこんにちは。学校はどうだ」
「楽しいです。初めてのことばかりで、いい経験にもなっているし友達もできました」
ナバラは、明るく元気になっていた。興奮気味に学校であったことを話してくれた。
今まで甘えられなかったのだろう。それが今になって爆発したのだろう。楽しそうに話す姿を見て、少し安らいだ。
「そういえば、魔法会に用事があったんじゃねか?行かなくていいのか」
「忘れてました。一緒についてきてくださいよ」
そう言われ、手を引っ張られ俺は、もう一度魔法会に入った。
そこでは、やっぱりかと思いながらもその間にナバラが入っていった。
「何やってるんですか、2人とも。魔法会のトップとしての自覚を持ってください」
「「え!?」」
「ナバラちゃんだ。お見苦しいところを見せてしまったわ。ごめんなさい。私上で仕事してるから」
カレンのやつ、ナバラが来なかったら仕事してないんじゃねぇの、なんて思ってしまった。
「これ、持ってきてって言われたやつ持ってきたけど」
それは、まごうことなき回復ポーションだった。
「さっき、話は聞いていたけどここまでの代物が作れるか」
「やはり、冒険者の目で見てみもわかりますか」
そのポーションを俺は、買い取った。
ナバラと俺は、魔法会を後にして王都の街中を散策することにした。
ナバラは、友達に連れられたくさんの場所に行ったらしく、一生懸命話してくれていた。
前までは、あの環境で1人でいたんだ。その時間よりも楽しく過ごしてほしいのは、心からの願いなのは間違いない。
「ロードさん、甘いもの食べようよ。えーとね、かき氷食べましょ」
そう言ってきたのは、王都で有名なかき氷屋さんだった。
正直に言って俺は、かき氷を食べたことがない。存在は知っていたが、食べる機会がなかった。
「おすすめは、イチゴだよ。私もまたバニラにする。私さ、こっちにきてから食べたんだけどそれが美味しくてね。ロードさんたちにも食べて欲しかったんだ」
「俺もイチゴするよ。銀貨2枚だな」
俺は、銀貨4枚を取り出して払った。本当は、ナバラが払いたそうに見てたが、流石に払わせてもらった。
「ロードさん、ありがとうございます。美味しそう」
とてもおいしかった。甘くてひんやりしてて最高じゃん。これ、東門の最終地点で作れれている氷だよな。あそこは、冬の気候が1年続いていくからな。そこに東の闘技場があるんだよな。
「美味しいな」
「はい。ロードさんは、いつまでこっちにいますか」
「最低1ヶ月は居るよ。また遊びに行こう」
彼女は、眩しくらいの笑顔を見せてくれた。そうして、彼女は家に帰るのだった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
なぜかき氷が流行っているのか理由は、簡単です。
寒い地方で氷生産。それを剣で削ったのが由来で美味しかったからです。




