第106話 闘技場13
楽しんでいってください。
その音は、その場に似つかない音だった。それは、複数同時になり、観客含め俺たちも驚いた。
奴らは、ニヤリと笑いその場から立ち去ろうとしていた。
「逃すか!」
フーミルが、魔弾を放った。そして奴らの足や肩などに当たり、倒れ込んだのが見えた。
「ここは、大変危険です。速やかに闘技場外に出てください!!魔物が出現します」
観客たちは、パニックを起こした。我先にと出口に向かっていくのが見える。
出口は、すぐにどこもパンクしている。そんな状況の中奴らは現れた。
「ロード、カレンお前たちは、回復に専念しろ。ここは、俺たちでどうにかする」
レンの怒号に近い声が、俺たちの思考を回復させた。すぐさま俺体は、ポーションを取り出し飲んだ。
そうしている間にも、魔物たちが暴れ出し、対処するべくギルド連中が、一斉に対処にあたる。
ギルド長らしき人の一声で、ギルド連中は大いに湧き立った。
「テメェら、緊急クエストとして対処してくれ!報酬大いに期待しておけ」
そんなことにも目もくれず、黙々と対処に当たっているのが見えた。
それは、リサだった。
対人戦の時は、まぁまぁな強さだと思っていたが、そんな考えは、一変した。
魔物と魔物の間を飛び回る軽やかさ、一撃で絶命させていく速やかな対処、どれもが完璧で見入ってしまうほどの、美しさをそこには秘めてあった。
「ヤバいな。カレン」
「そうね。あの子、あんなに強かったんだ……」
レン、エリナ、フーミルの即席コンビネーションプレイは、見ていて心弾む素晴らしさも劣らず凄いと思っている。
俺たちも、居てもたってもいられず走り出した。
「極力一閃」
「ライトニング」
その開幕の一撃は、まだ避難できてなかった観客、軍人、ギルド、仲間たちを支えるには大きいぐらいの希望の一撃だったといえる。
ウルフベアなどの上位の魔物の大群ばかりだが、それを押し返せるレベルのメンツがここには揃っている。
そして、そのポーションたちのボスが登場した。
「マジかよ……ドラゴンか」
「あんた達、ドラゴンは5体出現してる。絶対に油断なんかしたらダメよ」
「来なさい!魔弾龍」
魔弾龍は、あの時の小さな体とは違い、大きな体で権限した。
それに負けじと、イフリートをそれぞれレンとカレンが召喚させた。
俺は、聖女の願いを発動させ、一気に飛び上がる。
「極力一閃」
それは、ドラゴンの防御壁によって止められているが、勢いが死んだわけではない。
「はぁぁぁぁっ!」
パリンと割れる。そのまま硬い鱗部分に向かって斬った。
やっぱり勢いが足りなかったか。入りが浅い。
3体のドラゴンは、俺を倒そうとブレス攻撃を繰り出そうとしている。
一体は、防御壁ごと巻きつけ破壊し、魔弾龍によって口の部分に巻き付かれ暴発。レンは、投擲・インフェルノ、イフリートの槍投げで阻止。
カレンは、ドラゴンを下から蹴り上げ阻止。
「ありがとよ。ソード・インパクト」
割れた防御壁の場所から、発動させ、ドラゴンは国の外に吹き飛び、地面に墜落。
やつは、完全に虫の息だ。すぐに移動し、極力一閃で首を斬り、俺の勝利で終わった。
一方カレンは、影分身で10体に増やし、数の暴力で勝利をお納めた。もちろん、聖女の願いは発動済み。
「やったー!!コレでレベル46」
レンは、上空に移動し真正面からもう一度割り、投擲で勝利した。
「お腹のところでインフェルノしたの成功だったな。あ、レベル上がってる。45になったのか」
フーミルは、魔弾龍があのまま首を締め国外まで運んで、勝利した。
「ねぇ、あれって……」
「竜人族ね。魔王に使えてるって言われてたけどまずまだ居たのね」
先に手を出したのは、エレナの方だ。エルフ族とは、思えないぐらいの腕の筋肉、竜人族に対して真っ向勝負を仕掛けている。
私も、見惚れてる場合じゃない。目の前の敵に集中しなきゃ。
「はぁぁぁぁぁっ!」
重い。でも相手は、人間じゃない。魔物だ。いつも通り殺ればいいだけのこと。
相手の竜人族は、リサから感じる殺気に心からの恐怖を味わった。体が言うことを聞かない。
「一閃」
エレナの方は、相手の竜人族が相方がやられた瞬間、先ほどまでの力強さもなくなった。
今がチャンス!!
「クロススラッシュ」
そうして、闘技場からは今までで一番の歓声が上がったのだった。
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