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第103話 闘技場⑩


 楽しんでいってください。


 その後、Bブロックのトーナメントが始まった。カレンと手下の試合は、俺の一回戦同様一撃で終わった。

 Bブロックでは、カレンがいる為優勝が出来ないと判断したらしく、四名棄権している。

 次は、レンとエリナの試合が始まる。このトーナメントが始まってから、エリナの姿を一度も見ていない。

 俺たちも、探してはいるのだが一向に姿を見なかった。


「どっちが勝つと思う」


「あ、お疲れ!レンに勝ってほしさはあるかな」


 カレンも同意の表情でこちらを見て来た。そしてやっぱり物足りないのか、早くこの一戦終わらないかな、なんて言っている始末だ。

 そうして会場が盛り上がりを見せる。レンとエリナが出てきた。エリナを見た瞬間、今までの彼女とは違う何かを見たような気がした。

 見ただけで感じることができる。最後に会った時よりも遥に強くなっている。

 

「レン!!油断するな!最初から本気でいけ」


 思わず叫んでしまった。カレンは最初驚いていたが、改めて彼女を見てこう言った。


「勝つのは、エリナだね。レンで相手になるか怪しいレベルだよ」


 そうして試合が始まったのだった。

 俺は、ロードが叫ぶ前から分かっていた。エリナがより強くなっていることを。遠くから見ているのと近くから見ているのでは、全然違う。

 プレッシャーで押しつぶされそうだ。

 両者睨み合いが続く中で、動けない。均衡を破った時点で負けそうな気がしたからだ。

 冷や汗が出る。会場の音なんて聞く余裕すらない。なんならいま、会場が静かなのか騒がしいのかわからない。

 そうして、冷や汗が顔から落ちる。地面に落ちた瞬間槍と剣が激しくぶつかった。

 先に動いたのは、エリナの方だった。すぐ後を追った形になったため、微妙に力が入ってなかった。

 エリナの方が、力がより強くのしかかる。踏ん張っている足の地面にヒビが入る。

 なんとか危機一髪、神速で逃げた。


「マジか……」


 逃げた先で、先ほどより重い攻撃が飛んできた。このままでは埒が明かず、無理やりではあるが一頭突きを発動した。

 簡単に避けられた挙句、より悪い方向に持っていってしまった。

 槍を前に押し出した為、ガードが甘くなる。ここぞとばかりに、連続攻撃を全身に喰らう形になった。

 そして、痛みで緩んだ体に思いっきり、もう一発お腹に痛い一撃を喰らわれ俺は、吹き飛んだ。

 声にならない痛みが全身に絶え間なく、続いていた。それに堪えつつ俺は、立った。

 槍を構える。


「はぁ……はぁ……はぁ……。神速!!」


 一直線で向かう。槍を繰り出すが、地面に当たる。それを横目に攻撃が飛んでくる。

 槍を離して、神速発動。彼女は驚いていた。槍を離せば俺の攻撃手段は、格闘戦になってしまう。俺の格闘センスが無いのはバレている。だからこそ驚いていたのだ。


「これで終わりよ!!」


「愛の糸」


 槍は、エリナの背中に回転しながら当たる。回転する槍を空中でキャッチし、地面に叩きつけられたエリナに向かって突いたのだった。

 突いたが、それはそこまでのダメージにならずすぐ逃げ出された。もう、俺には有効打になりうえるものを何も持っていない。魔法が使えたところで、結果は同じだろう。

 そうして、気がついた時には医務室のベッドの上だった。最後、攻撃を繰り出そうとしたエレナを待たず、気絶したそうだ。

 そうして、試合はカレンとエレナがぶつかることなった。結局俺は、エリナに対してろくな手段を出せなかった。

 こんなんでは、ラングには勝てないことが分かっている。また一人考え込んでしまうのだった。

 一方試合スペースでは、二人の選手がいまかいまかと試合を始まるのを待っていたのであった。


 最後まで読んで頂きありがとうございます。

 いかがだったでしょうか?

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