第102話 闘技場⑨
楽しんでいってください。
会場は、その言葉でさらに大盛り上がりな状態になった。すでに、ほとんどの観客がロードを応援していた。
「さっき使ってた木刀、それ余裕で人殺せるよな」
「まぁね。あの子にそこまで切り傷作ってないはずだけどね」
お互いに剣を構える。
「レディ、ファイ」
お互いの剣がぶつかり合う。やっぱりさっきとは、段違いで速さが違う。重く、強く、激しくぶつかり合っていた。それは、完全に殺し屋の戦い方ではない。ただ、本気でぶつかり合っていた。
やっぱり強いな。気配消した戦い方してみるか。一度本職と戦った際には、有効だったが明らかに強さが違う。どれだけ通じるか試してみたくなった。
「気配を消した!?」
真正面からのお腹辺りに向かって一撃喰らわした。不意打ちで思いっきりやったのにほとんど動いてなかった。俺は、すぐさま移動した。
さすがは、殺し屋。ってマジか……。
「そこね。まだまだ甘いわね」
「お、重い」
真上から全体重をかけた攻撃。地にヒビが入る。なんとか振り払うが、完全にバレた。それを見逃すわけもないよな、猛攻撃が始まった。
「さっきのお返しよ!はぁぁっ!」
連続攻撃か。一つ一つが重たい。負けるわけにもいかないので、仕返しにより速い攻撃をお見舞いした。
彼女は少し、後に吹き飛んだ。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「そういえば、お前たちがここに来た理由推測してみただが、言っていいか」
そんな言葉に目もくれず、一心不乱で打ち込む彼女の攻撃を、完璧に封じ込んだ。
彼女は、すぐさま立て直そうと後に下がろうとするが、上手く行かずにいた。
「お前たちの目的って、闇ギルドだろ」
図星だったのだろう。完全に表情が変わった。より強く逃げようとするが、俺が完全に力で押し勝っていた。
彼女は、抵抗をやめ大人しくなった。一瞬の気の緩みだった。完璧に押さえ込んでいた状況からいっぺん、強烈な一撃をもらった。
「私や彼らも殺される運命だし話していいか。私たちは、ここで起こる惨劇を阻止するために来たの」
「魔物のポーションを使ったやつか。でも彼らの計画は狂うこととなった。それは、俺たちの登場だ」
彼女は、ハッとした表情でこちらを見つめてくる。俺たちは、闇ギルドの仲良し相手であった、奴隷商会を潰す原因を作った。
闇ギルド連中からは、想像もし難いほどに恨まれているだろう。自分たちが作った商品を使ってくれる奴らを失ったのだ。
その損害は、計り知れないものだろう。それだけのお金や労力を水の泡となって消えたのだから。
「そうね。でも奴らもそこまでは動けないでしょうね。私たちが、来たことによって軍やギルドが動いてる始末なんだし」
「話はここまでにして勝負決着つけようぜ」
剣のぶつかり合い、何度も何度もぶつかり合う。そうして決着の時が迫ってくる。奴は段々とついていけなくなってきた。最後の方はリンチに近かった気がする。
そして奴は倒れ込む。この試合の幕引きは、正直言ってとても最後は簡素だったと思った。
そうして、仇も取ったことだしと俺は、試合スペースを後にするのだった。
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