第99話 闘技場⑥
楽しんでいってください。
彼女が、目覚めたのは大会が終わり、辺りが夕暮れ時の真っ只中の最中だった。
「お、起きたか。体調どうだ?」
「まだ、本調子とはいかないけれど、だいぶマシな方よ」
「良かった。そういえば、次の大会は数日空けて開催するそうだ。君たちの体調も考えてのことだろうね」
彼女は、少しホッとした様子で天井を見ていた。本調子でない時に、戦ってもいい経験にはならない。そう判断してくれた運営側には、感謝だ。
レンの方は、いまだに眠り続けているがカレンが、右手をスッと出して回復魔法を唱え先ほどよりは、いい顔になっていくのを眺めていた。
そうして、俺とフーミルは、医務室を後にした。
外に出ると、辺りはすっかり真っ暗になっていた。ライトは、点々と点灯しておりそれを頼りに歩いていく。今日来たばかりの国で、ここまで濃い一日は久々だと感じた。
「ロードさんってどういう経緯で彼女と出会ったのですか」
俺は、唐突に聞かれ少し驚いた。やはり友達としては気になるのであろう。俺は、あの時のことをありのまま喋った。
「あの子ってほんと無茶するなぁ。私も制圧できると思いますが真似できないな」
「普通はそうですよね」
そうして、俺たちは晩御飯を食べひとしきり話した後、別れた。自室に着く頃には、クタクタになっていた。
自室に付いてるシャワーを浴びて、その日はそのまま他に何もせず眠ってしまった。
翌朝、俺は闘技場に向かった。医務室の中に入るとカレンは、ストレッチをしている真っ最中でレンはまだ眠っていた。
「カレン、おはよう!」
「あ、ロード。おはよう。まだレンは目覚めないわね」
「まぁ、しょうがないさ。もう時期起きると俺は、思ってるよ」
そんな雑談をしていると、レンは目覚めた。最初、ここが何処かわかっていない様子だったが、俺たちの説明により理解した。
昼頃になると二人ともだいぶ回復したみたいで、今日は三人で小国観光になった。
俺も、ポーション類を買い溜めしておきたかったし、とてもいい案だと思った。
この国は、中央に聳え立つ闘技場を中心地とした地形になっている。気候も穏やかで西門ゴール地点としての役割も担っている。
俺たちが、街を歩いているとめちゃくちゃ話しかけられる。その原因は、昨日の闘技場の出来事がとても大きいだろうと、三人は確信した。
そして、めちゃくちゃ果物や野菜など多くのものを頂いてしまった。たった一日で二人のファンは急増したなと、俺は思った。
そうして、その国名物の食べ物、名所、偉人資料館に赴き楽しでいって行った。宿に帰る際、闘技場前を立ち寄ると人だかりが出来ていた。
「すみません、何かあったのですか?」
「お、アンタ出場者だな。ここだけの話、次の大会暗殺ギルドの連中が出るって噂になってだ」
俺たちは、驚いた。暗殺ギルドの連中がこんな白昼堂々出るだなんて信じられなかった。俺たちは、何かの間違いだと思って後を去った。
改めて宿に帰る際呼び止められた。
「対戦楽しみにしていますわ。心ゆくまで戦いましょうね」
不気味な女性に呼び止められた俺たち、君が悪くなってそそくさと宿に帰ってきた。
宿の一階にフーミルが来ていた。
「アンタたち、明日気をつけた方が良いわよ。ちょっと嫌なこと小耳に挟んでね、大会中油断しないように」
やはり、先ほどの不気味な女性が関係しているのだろうか。先ほどからピリピリとした空気を感じていた。
ギルドの連中、軍まで夜になって動き出しているのを窓から確認し、俺は明日に備え眠るのだった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
不穏な雰囲気を感じとるロード一行、前半とは違った雰囲気楽しんでいただけたら幸いです。
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