第95話 闘技場③
楽しんでいってください。
魔法のみで戦うなんていつぶりだろうな。いつも槍と混合になった武器を、使用していたレンにとってはある意味今回新鮮だ。だが、杖での攻撃をほとんど使ったことがなく、上手くやれるか心配そうな顔で、試合の合図を聞くこととなった。
先手は、相手のサイクロンで勝負が始まり、俺はとりあえず火球を発射させた。
若干威力はいつもよりは低めだなと確認し、回避行動をとる。あまり得意ではないのだが、魔法の槍を作ってみるかと思い生成を始めた。
だが、相手をそれを許すわけもなくサイクロンを三本同時に発射させた。左右と正面から迫ってくる。だがハイ・ジャンプで上に逃げた場合、必ず空中に撃ってくる。それでも構わないと俺は思い、飛び上がる。今度はライトニングを撃ってきた。俺は左手を手前に出し魔法陣を生成させる。
「インフェルノ」
ライトニングとインフェルノがぶつかり合う。その衝撃は凄まじいものだ。俺は空中加速で回避をしつつ相手を確認する。相手は、爆風の影響でバランスを崩していた所を一気に叩く。
相手は、ワンテンポ遅れた状態で気づくが逃げることが出来なかった。防御魔法を生成をさせてはいるが、槍が淡々と貫いていった。
結果、相手にとどいたものの決定打にはならなかった。すぐに、相手は神速で逃げる。その時に、回復魔法を使っているが神速の速度が落ちている。
槍を構え、神速で先回りをし突きを繰り出した。決定打にはならない。だが、誰から見てもわかるこの状況で彼女は、それでも立ち直そうと奮闘する。
「はぁ…はぁ…はぁ…負けない…ライトニング!」
彼女の渾身の一撃だろう。先ほどまでとは比べ物にならない魔力の塊を感じる。俺は、槍を解除させ火炎の道を発動させた。
燃焼の道と違ってこの技は、一直線に伸びる火の道である。威力は落ちるが単体技としては、強い部類に入る。
ライトニングと激しくぶつかり、お互いに譲らず競り合っている。俺たちはそれをただ見ることしか出来なかった。そしてお互いに爆発した瞬間、俺たちは走り出し、至近距離での魔法のぶつかることとなる。
「サイクロン」
「インフェルノ」
これが何度も何度もぶつかり合う。お互いに引かないため、重症だけでは済まなくなる。だが、相手は本気で挑んできている。それを蔑ろにする行為は、絶対に許させれないことなのだ。
この時、後から聞いた話だが俺は笑っていたらしい。楽しかったのだろうな。結果、彼女は魔力切れを起こし気絶して終わった。
インフェルノを出した直後のことで、ヤバいと心から焦ったものだ。それは即座に、イフリートが無理矢理飛び出て来てことなきを得た。
そして彼女に、心からの礼をしポーションを取り出し使っていた。俺がその場から離れる際、彼女が意識を取り戻した。
「ありがとう…ございました…」
俺も、もう一度頭を下げ、ありがとうございましたという言葉をかけその場を後にしたのだった。その時会場中は大盛り上がりであった。その後に出てくる二人は、それなりのプレッシャーを与える形になった。
結果、そこまで盛り上がることもなく終わり、二回戦が始まるのを待った。
「お疲れ!!いい勝負だったな」
「ほんとね、レンお疲れ様」
「おう、ありがとう!!お互いに二回戦頑張ろうぜ」
仲間との談笑を挟みつつ俺は、席についた。ポーションを取り出し回復する。体全身に染み渡り力を取り戻していた。そうしてアナウンスが会場に鳴り響く。
「お待たせいたしました!!これより二回戦を始めます!!カレン選手、フーミル選手は試合スペースに移動をお願いします」
カレンは、立ち上がり俺たち向かってVサインをして歩き出した。その後ろ姿は、俺たちも先ほどまでの休憩モードから、気持ちを新たに切り替えていく、そんなゾクっと来る感じだった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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いつもとは、少し違う感じで書いてみたのですが、いかがでしょうか?
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