第91話 オーガ喰いのオーガ
楽しんでいってください。
そこに居たのは、大きな翼をもち、全身が鎧みたいな姿だった。
「なんだよ、あれ......」
「強化種か?」
「そうだけど、特殊ね。ロード魔眼使ってくれる?」
カレンに言われて、魔眼を発動させた。俺は、見た瞬間呆然としてしてしまっていた。理由は、オーガ自身がオーガ、Jr.を食べて作れたものだとわかったからだ。
オーガ、Jr.特有な素材が体内で溶けていて、今なお成長を続けている。だが、あれ一人がこの村を襲ったのか?あんなの来たら普通、あちこちで大量な出血が確認されるはずだ。
「二人とも、何が見えてるだ?教えてくれ」
「簡単に言うと、オーガの大群がこの村で襲った。そのオーガたちをコイツが食べて生成された」
レンは、はぁ?という顔で俺たちを見つめていた。俺は剣を構えた。
「二人とも、行くぞ!!カレンはこの映像生配信で流せ」
「「了解!!」」
俺とレンが引きつけ役として、バリア外を出た。それを即座に気づき、すぐに天高く飛び上がった。
そして、即座に急降下し、金棒を地面叩きつけた。その衝撃に耐えきれませず、地面が割れる。
俺たちは、飛び上がった足場に向けてハイ・ジャンプで駆け上がって行く。
「極力一閃」
「投擲・インフェルノ」
頭上からの攻撃で一気に叩く!!
はぁ!?硬すぎない?俺が前に戦ったよりもより硬い。一回離れるしかない。
「全くダメージ与えられる気がしない」
「どうするよ?」
「横避けて!!」
俺たちは、すぐさまカレンの邪魔にならないような場所に移動し、カレンは飛び上がった。
「正拳!!」
マジか......顔面に思いっきり右ストレート決めやがった。オーガがバランスを崩す。だが、完全にバランスを崩せずオーガは、金棒でカレンを殴りつけようとした。
それをすかさず空中加速でお腹の前につく。
「発勁」
衝撃を与えるが、バランスを少し崩す程度で決定打にはならない。カレンは、もう一度しようとしたところで糸を使って、こっちに手繰り寄せた。
「何するのよ!!」
「その手で何ができる」
彼女の手は、血だらけで見るに耐えない状態になっていた。俺は、ポーションを手にかけた。
「ありがとう」
「どういたしまして。ここは、俺が一気に決める」
「「了解」」
すぐさま、俺は走り出す。そこまで時間を掛けてはいられない。先ほどの衝撃音で、別の上位魔物が寄ってきている。それをカレンとレンに丸投げし俺は、コイツとの戦闘に集中する。
聖女の願いと唱え、神速はより早くなる。
奴は、翼を体に戻し、地上戦特化型と言った方が良いのか、全力で走り出した。
金棒と剣が、強い衝撃音とともにぶつかり合う。何度も、何度も。俺も奴も一切引く気がないみたいだ。より激しくぶつかりあいが続く。
聖女の願いでレベル100になってるが、コイツはついて来ている。やはり、オーガ、Jr.を喰らい続けたことによって、従来では、届きえなかった力を手にした。
だからこそ、楽しい、楽しい、楽しい!!
「まだ死んでくれるなよ!!もっと楽しもうじゃねぇか!!」
この時の俺は、ハイな状態で後先考えず行動していた。それが、むしろ良かったのだろう。
より早く、より正確に斬っていた。いつもは考えすぎな一面もあった。先程まで、全く通らなかった剣は、聖女の願いがフルに発動され、簡単に斬れるようになっていた。だからこそ、気づいた時には、オーガはバラバラになっていた。
「あーあ、もう終わったのかよ……」
そして、この時俺は完全に忘れていたことがある。これ、生配信だったことを……
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