第90話 村破壊
楽しんでいってください。
あの戦いから、数日後俺たちは廃村した村に辿り着いた。
「おい、どうなってんだこれ……」
そこは、魔物に完全に支配され、村人たちの姿は見渡す限りどこにも居なかった。
村人たちが、生きてることを祈りつつ俺たちは、バラバラに行動し始めた。
「誰かいますか!!」
魔物にバレたったて構わない。倒せば良いだけの話だ。今は、生きてる奴が居ないのか。
反応は魔物しかない。クソが……
血がべっとりついた木の棒、それをみた瞬間、頭で考える前に魔物を斬っていた。
「どこだよ。誰か生きててくれよ」
それを見た魔物たちは、化け物を見たような気がした。瞬時に逃げようとしたが、その次の瞬間には首を切られていた。
カレンは、思いっきり暴れていた。ここには、居ないことを確信していた。ロードと違って冷静なところがある。
「上級もいるけど、あまり居ないね」
それよりも、問題はロードの方だ。殺気がダダ漏れだし、冷静な判断が出来てないね。
そして、魔物たちが逃げてる原因もなんとなくだけどわかった気がした。それは、勇者としての力が解放されたからである。だからこそ、より心のコントロールが難しくなっている。それに、身体的な意味でも格段に上がってる。スタミナが異常についてることだ。おそらく、そのまま備わった機能として活動してるんだろうな。
レンは、周りをより観察しながら歩いていた。壊れ方から推測するに、A級が暴れてるな。反応では、感じないけど暴れたのは間違いないね。
死体がないし、まとまった血の痕跡もない。食べられたとしても、血は大量に残るしな。
憶測ではあるが、生きてはいるだろうね。どこに行ったかは知らないけど。もう少し、探索してみるか。
ロードも頭の中ではわかっていた。ここには、村人なんて残ってないことを……だが、感情が追いつかなかったのだ。
突然のことだった。瞬時に間合いに入られ、思いっきり水を至近距離からかけられたのだ。
「え、ぐぁ、って水かよ!」
「少しは、頭冷えたかい?ロード」
「おかげさまでな。助かった、ありがとう」
レンの合流を待ちつつ俺たちは、周辺を改めて見始めた。家は、一つ残らず半壊か全壊していた。
改めて見るとひでぇな。ここのバリアも完全に壊されていたし、このままでは流石にダメだ。
カレンは、新たにバリアを生成させとりあえず魔物は、入ってこれないだろう。
「おーい!!二人とも」
「お、レン!何かわかったか?」
「おそらく村人たちは、小国の方に転移してるだろうな」
一枚の紙を差し出してきた。内容は、緊急避難先小国ヘルタ。何かあれば、すぐさま避難せよと書かれた紙であった。
でも、気がかかりなのが一つある。コレを壊したその犯人と思われる、奴が居ない。
この近くにいるとも限らない。今日は、ここで野宿した方が良さそうだ。
ここに戻ってこれない村人たちが、居るのは事実だ。ここで倒しておくのが、得策だろう。
「二人とも、今日はここで一晩明かそう」
「「異議なし」」
早速準備に取り掛かる。でも今日は、あまり眠れなさそうだ。
まだ、昼過ぎ。何が起こるかわからない。何があってもいいように、武器は形態しておこう。
やることもないので睡眠を取ろうとした直後、バリアが衝撃音とともに思いっきり揺れた。
「マジか!?なんでこんなところにいるんだよ……」」
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