第83話 魔王軍幹部宰相①
楽しんでいってください。
俺たちは、ウルフベア討伐完了した。素材を集めて戻ろうとした時だった。後で、ものすごい衝撃音が聞こえたのだ。地面が割れ、地響きを起こすほどにだ。
俺たちは、すぐさま臨戦態勢を整え、後ろを振り返った。そこにいた人を見た瞬間、声が詰まって何も言えなかった。
「久しぶりだね、ロード」
「……」
「あれ、覚えてないかな?アルタだよ」
そんなの、見えた瞬間わかっていた。俺が言いたいのは、そこではない。なんで君が、魔王達と同じ気配漂わせているのか聞きたい。
「な、なんで!?アルタ、人間だよな…」
「違うよ。魔王軍で幹部のまとめ役だよ。君を殺しにきた」
その場にいた、3人とも状況が飲み込めずにいた。落ち着こうにも、頭が言うことを聞きかない。パニックを起こしていた。
そんな中、2人は早く落ち着きを取り戻し、改めて臨戦態勢に入った。
「ロードを殺すと言ったかしら?潰す!!」
「テメェがロードを殺すって言ったんだ。覚悟出来てるだろうな!!」
「君たちには、用がないんだけどな。邪魔するって言うならまとめて殺ってやるよ」
今にも、一戦が始まる雰囲気。その異様な様に小国リーポンでは、すぐさま王都にSOSを出した。
アルタ自身も、剣を取り出し構えを取る。
その頃、ようやくロードが落ち着き取り戻した。そして2人の前に立ち、武器を収めるようお願いをした。多分聞き入れてくれないだろう。それでも良い。頭を下げお願いした。
「アルタ、こんな形で、俺は戦いたくなかった…でも、腹括ったよ。とことんやろう」
「あぁ。最初から、ぶち上げていくぜ!!」
お互い、最初からフルマックスなスピードで、剣がぶつかり合う。
「はぁぁぁっ!!」
ロードはやはり聖女の願いを発動していない。ただ純粋な勝負である。勝った方は生き、負けたら死である。そんな状況でも、互いが高め合ってるように見えた。
でも、先ほどの戦いから、ほとんど休みなく動いている。レベル差も違う。力比べでは、圧倒的に不利な状況が続く。
「黒薔薇!!」
「極力一閃」
互いの技が響き合う。技を当てあっても、強さが追いつかなければ意味がない。
どうしたらいい?考えろ、考えろ。
「おいおい、どうした?もう終わりか?仲間に手出したら、本気になってくれるかい?」
「はぁ、はぁ、はぁ。は?」
やっぱりか。仲間の話を出した瞬間、ロードのプレッシャーが一気に跳ね上がる。やっぱりおもしれー。アイツらや、魔王様には悪いがここで殺してしまうかもな。
こここで食い止める何が、あったとしても!!あーしんどいなぁ。はぁはぁはぁ。
アルタと戦ってわかったことがある。奴の攻撃は、いつも一歩引いたような一撃、それだからこそ、一撃が重くなる。だからこそ、アイツの一撃は、より重く感じることになっていたのだ。
正直に言うと、それが分かったからどうなんだ?になる。でも、何も知らないより知っていた方が、マシだ。倒す何があっても倒す。その感情が力を加速させる。
もっと、もっとギアを上げることに繋がる原動力となる。先ほどからロード自身、より一層な力を引き出し、追い抜こうとしていた。
その過程で、彼は変化する。これは自分自身で選んだことによって変化していく。
彼は、本当の勇者。どうしようが、本人の勝手。本人の強さのために変化していく。
そしてアルタは、驚愕した。だって、自分の前に力を制御している勇者が、立っていたからである。
「やりあがった…!!」
「さぁ、第2ラウンドと行こうか」
アルタは、確信していた。ここで死ぬと。しょうがないぁ。まぁ、いっか。だって目的は、果たしてるし!!
どこまで、やれるのかわからんが最後の戦い楽しんでくるよ。
「負けねぇよ!」
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