表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

異世界で生きていく

引きこもりの神子

作者: ゆう

とある夜、

佐藤籠太(ろうた)はいつもなら「なんでもない」なんて自分の部屋へ行く所を、両親に思いの丈をぶつけていた。


「俺!……学校行きたくない……」


「籠太、どうしたんだい?何か嫌な事でもあったか?」


「籠太、何があったの?」


「何も無い。けど、どうして学校何て行かなくちゃいけないの?俺、誰とも上手く喋れなくて、いつも一人だし、学校つまらない」


「そうよね。勉強は家でも出来るわ。行きたくないなら無理して行かなくていいのよ」


「そうだ。帰ったらパパも勉強教えてやれるからな」


「うん。ありがとう、パパ、ママ。大好き!」


「おう。愛する息子だ。当然だな。ママも愛してる」


「もう、可愛い。私も、愛してます。二人とも」






目が覚めた。


あれ?ここ何処?真っ暗だ。


う、浮いてる?

……夢か。


意識が有る夢って何だっけ?白昼夢?(明晰夢)


あ……。固有能力?ラノベみたいだ。


10個有る内から3個って。10個ともくれないのか。夢の癖に融通が効かない。しかも、

【甘えん坊】とか。ネーミングに指摘されなくても分かってるよ!


どの固有能力も微妙だし。

強いて言うなら【甘えん坊】が単純な分強そうだ。

他人からの好感を得られやすくなる。信頼する他人の運が良くなる。


後、【テリトリー】。

格好良く言っても俺の領土イコール部屋のみ。

自分の所有する場に限りあらゆる事が出来る。但し魔力依存。

魔力が無いと大したことは出来ないし、自分の場所、お金を払っている間の宿の部屋でも良い、を持たないと意味はないが、安全地帯の確保は重要だと思う。


最後に、【人間観察】。

この能力が有るだけで世界が楽になると思う。

人の内心が正確に読めたり、そこまでじゃなくても嘘ついているか、俺に対する悪意は読み取れる。

程度は観察だからどれだけの時間見ていたか。



そもそも俺の固有能力のラインナップが他人ありきの物多いんだよなあ。魔法や直接攻撃系の能力も有るけど、そういうのは他の人がやってくれるはずだ。





それから、



「そんな!嘘だ!」

……

「嘘だ!嘘だ!嘘だ!」

……

「……!パパ……ママ……」


……ぇ~ん。




それから、

いつの間に眠っていたのか、目が覚める感覚。


……え!

ゆ、、、め。


夢じゃないの!?


わからない。同級生が居る。見知らぬお姫様っぽいのが居る。

夢じゃないの?何?何が?


一見落ち着いている奴も居るが、何でそんな冷静なの!事態わかってる!?


「静かに、……。……わかりますか?……」


お姫様が何か言ってる。

パニックになっていたが、うん。少し落ち着いた。

まず何が起こったのか聞かないと。友達居ないから話聞き逃すと情報が手に入らない。ボッチの習性だ。




……。

本当に異世界に来たんだ。

勇者とかでも無く、ただただ意味もなく呼び出される何て理不尽だ。

と言うか、100人位居なかった?地球ではどんなんだろう。集団神隠し?


始めは夢かと思っていたのにもう現実だと理解してしまった。

ううっ。パパ、ママ……。



ぐすっ。


従者としてメイドさんを選んで部屋へ。部屋。……。


……!固有能力!

あれも現実だったら。ステぇ……出た。


うん。HP?MP?

まあ、今は、


【テリトリー】は、発動する。正式に今は俺の部屋なんだ。

MPが魔力量だとして100って多いのかな。



仮宿と言うが、いつまでも居ていいらしいし、お金も支給される。

勝手に召喚とは言えすげぇ世話してくれるんだ。


貰ったお金はどのくらいの価値なんだ?


メイドさんにいろいろ聞いてみる。

服まで揃えなきゃいけないけど、結構大金だなあ。


……今日はもう寝よう。




ポタッ。ポタポタ。

「ううっ。……ぐすっ。ふっ、ふううっ」

「……パパ……ママァ……ひっく」




朝から怠いなあ。動きたく無い。


メイドさんに適当にご飯を持ってきて貰う。

当然昨日が初対面だけど心の底から心配してくれたみたいだ。


食器も持っていって貰う。





今日は1日部屋から出なかった。





それから。


ご飯は持ってきて貰えるし、[クリーン]っていう魔法があって風呂に入らなくても清潔。[クリーン]は俺は出来ないけどメイドさんがしてくれる。

支給されるお金は全部任せて服や小物もメイドさんが運ぶ。


MPが少ないのか【テリトリー】の消費が多いのか、【テリトリー】で出来る事は少なかった。結界を張ったり、ほんの小さな物を出したりする位だった。



俺はずっと食っちゃ寝生活をし続けた。

人間、楽からは抜け出せない。





佐藤 籠太 71歳

神人種 Lv21

状態 老化

HP2500/2500 MP2500/2500

〈スキル〉

睡眠質向上20 魔力増加4 魔力回復5

【固有能力】

甘えん坊 テリトリー 人間観察



ある日


いつも側に居るから【人間観察】でメイドさんの心が読めるようになった。

メイドさんは無口でクールな紫髪赤目の大人……だと思ってた。


(ロータ様可愛い。寝顔が天使。いや、神)

(ロータ様、ロータ様。実はその食事手作りなんですぅ。なんて。キャー)

(ロータ様。やっぱり女の子の服も似合ってる)

(今月のロータ様に出る資金足りない……。私がお小遣いあげちゃう)

(ロータ様は……)

(ロータ様が…………)


【甘えん坊】の効果!?

何もしてないけど一緒に居るだけで好感度上がるの?

その後78歳で死亡。

ちなみに、籠太は平凡顔。

むしろブサカワ?

メイドさんからはペット感覚。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ