シーン11
シーン11
カメラ マンション内。マァは洗濯物を干している。ほとんどが女物で
埋め尽くされている物干しをながめながら。
マァ「よし、っと。。。」
カメラ 煙草に火をつけ、ソファにすわるマァ。そこに電話がかかってくる。
電話をとると同時にブラックアウトし、ナレがかぶる。
マァモノ(奇妙な時間の終わりは、唐突に、そしてあっけなく、訪れた。)
カメラ マンションの部屋。電話をしているマァ。ソファに座っている。
煙草の灰が床に落ちている。
マァ「・・・はぁ、、はぁ、え? あ、はい。。。いやでも。。。はい、
はい、、、はい。。。。」
カメラ 短くなった煙草に気付かず吸おうとするマァ。あちっといって灰皿で
もみ消す。灰皿のアップからブラックアウトし、ナレかぶる。
マァモノ( ユキが自殺した。)
カメラマァ、のろのろと立ち上がるが、何をしたらいいか判らず立ち尽くす。
マァ「え~っと。。。。あぁ、、洗い物しなきゃ。」
カメラ 台所にむかうマァ。食器を洗い始める。洗剤とならんおいてあった
ハンドソープのアップ。マジックで『 ユキ』と書いてある。マァ、
それを持って軽く降ってみる。
マァ「あぁ、もうあんま無いな。。。買っとかなきゃ。。。。」
カメラそう言いながら、台所にぺたんとうずくまるマァ。押し殺したように泣く。
F.O
シーン12
カメラ 土手沿いを歩いているマァ。やがてしゃがみ込み、煙草を吸う。
ゆっくりと流れる雲。川の流れ。
マァモノ(その日、同窓会があり、実家に帰っていた ユキは、いつものように
べろんべろんに酔っ払い帰ってきたらしい。)
マァナレ(そこで何があったのかはわからない。ただ、その夜、いつも飲んで
いた薬を、一ヶ月分全部のんでしまったそうだ。)
カメラ マァ、煙草を消し、また歩き出す。
マァナレ(幸い、発見がはやく、命に別状はないらしいけど、そのまま入院
することになったそうだ。。
ユキはボクには知らせないようにと言っている。だからどこの
病院かも教えてはもらえなかった。)
カメラマンションに帰ってきたマァ。
マァ「ただいま。。。。と。。。」
カメラ 誰もいない、静かな室内をカメラがすっくりパンする。買い物袋を
テーブルにおき、ゴソゴソと何かし始めるマァの背中。
マァモノ(ボクは・・・・)
マァモノ(彼女を・・・・)
マァモノ(愛していたんだろうか?・・・・)
マァモノ( ユキは?・・・・)
マァモノ(よく判らない・・・・)
マァ「よし、こんでオッケ、っと。」
カメラ マァの手元アップ。『 ユキ』とマジックで書かれたハンドソープ。
それを台所に持っていくマァの背中。ブラックアウト。
マァモノ(ただ、確かにそこには幸せな時間があったんだ。)




