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平凡な英雄記  作者: 霊鬼
第3章〜魔王と呼ばれた勇者〜
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15.ここに、二人の英雄が

光がはれ、俺の目の前にさっきの男が映る。もう精霊王は一人もいない。台座には既に聖剣はない。



「聖剣は、どうした?」

「……」



俺は一歩ずつ男に近付く。



「まさかお前のような一般人を聖剣が選んだと?」

「……」



俺は右手に微かな空間、柄を握れるほどの空間を開ける。



「お前のような臆病者を、自己中心的なものを聖剣が選んだというのか!?」

「聖剣が選んだんじゃねえ。」



光が右手に集まり、右手に重みを持たせる。



「俺が聖剣を選んだんだ。」



閃光が走る。無銘流奥義四ノ型『竜牙』。いつもと違う光の刃が男を襲う。



「ぐっ!馬鹿なっ!」



しかし光の刃は弾かれる。ああ、知っている。この程度でやられはしないだろう。



『俺は鍛治王と共に作り出したこの剣を、原材料の星屑から名付けた。故にこの名は――

「『希望へと続く(スター)一振りの星(ダスト)』ッ!!!」



隕石から作られた剣。故に星屑スターダスト。それがこの聖剣の名。



『俺の名を呼びな!』



頭の中に声が響き、聖剣から知識が流れ込んでくる。故に、躊躇わずに名を呼ぶ。



「『極光之英雄ヴァザグレイ』」



二代目勇者に使用が許可された名。聖剣はその中にある歴代勇者の名を本人から許可され、更に条件を達成することによって勇者の能力の一部を使用できる。



「それが悪しき行いでない事」



これが二代目勇者ヴァザグレイが出した条件。これが悪しき行為でないのは明白である。



「極光よ。」



聖剣に光が集まり、纏う。これが、これこそが二代目勇者の力。固有属性ユニークエレメント極光属性。これを聖剣を通して限定的に使用することができる。



「『星の監視者(スターゲイザー)』」



眩い光が、まるで流星群かのように男に降り注ぐ。



「ッ!!抉れっ!」



空間が歪み、轟音と共に空間そのものを抉り出した。しかし、光は滅びぬ。その程度では嫌がらせ程度でしかない。次々と光が男とぶつかる中、ゆっくりと聖剣を構える。



「斬れっ!」



光の刃が相手が反応するより速く、切り裂く。



「無銘流奥義六ノ型『絶剣』」



確認などしない。絶剣に斬れないものはないから。だが、右腕の氷が形を保てず、溶け始める。



「やっぱり、魔力が足りてねえか……」



あんな大規模魔法だ。持たねえのは分かっていたが。



――今回は見逃そう



声が辺りに響く。さっきの男の声だ。



――次は本当の体でお前と戦ってやろうではないか



光がの中で砂となって崩れゆくローブを羽織る男の姿が一瞬見えた。



「はは……これでただのゴーレムかよ……」



随分とぶっ飛んだ奴だったんだな



『レベルが上がりました。』


『レベルアップボーナスを実行します。』


『スキル[剣神]とスキル[神域の瞑想]、当人の人智を超えた技術を確認。伝説技能レジェンドスキル英雄剣術(グラングレイル)]を取得しました。』






==========






全ての魔物の良いところを組み合わせ、完璧な体を作り出す。それこそが俺の決戦形態。



「『究極生命体(デーモン・キング)』」



天使の翼。竜の皮膚。鬼の手足。その他にも様々な細かなパーツをかけ合わせた姿。



「『竜の咆哮(ドラゴン・ロア)』」



それだけで、殆どの動きが止まり、雑魚は死ぬ。もちろん騎士に被害は出ないように結界を張って。



「『殺戮の舞踏会(キリング・ショー)』」



俺の体から様々な魔物の爪が、刃が、牙が出現する。そして、瞬く間に死ぬ。



「聞け。お前たちが誰に敵を回したのかを。」



血の海が広がり、その血ごと肉体は全て俺に取り込まれる。これが強欲アワリティアの能力。



「人の魔王。オルゼイ帝国が最強の矛。」



たった一人残る男の前で悠然と笑う。



「シンヤ・カンザキだ!」



『スキル[強欲アワリティア]が伝説技能レジェンドスキル強欲之罪(マモン)]に進化しました。』

やっとジンを勇者にできた

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