2.合宿
ここは帰宅部が所有するダンジョン。今日からここで二泊三日の生活を過ごす事になる。
その中で第一階層は生活区となっており、基本はここで生活をする。この下の階層で俺たちは修行をするわけだ。
「お楽しみイベントみたいなもんさァ!交流会の意味合いが強いからねェ!」
まあ、そんな修行はしない事は事前に聞いていた。
「じゃあ私は獲物を取りに行ってくるよ。」
そう言ってシグマ先輩は誰よりも早く行動を始める。ダンジョンの入り口に向かったことから外で食べ物を取りに行ったんだろう。ダンジョン内の魔物は倒すと魔力となり消えるが、地上の魔物は消えない。だから今回のように食用として使う場面もある。ちなみにこのダンジョンはオルゼイ帝国という国にある。グレゼリオンには魔物がいないからな。
「家畜の肉の方が美味しいんだけどねェ。」
「ま、それは仕方ないだろ。サバイバルだしな!」
部長の言葉にフィエン先輩が答える。
「それじゃあ調理器具を展開する。」
そう言いながらフィエン先輩は自分の体から様々なもの生み出していく。
「『娯楽展開03』」
それは調理器具一式だった。オメガ先輩万能だな。
「おいジン!家作るぞ!」
「え?」
キング先輩がそう言いながら俺を引きずる。テントとかじゃないの?
「木で作る簡素な家だ!なーに直ぐ終わる!」
そうして俺とキング先輩の家作りが始まった。
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結局終わったのは結構後だった。飯はもう出来ている。料理はまあBBQだ。
「明日から修行を始めるからねェ。しっかり食べなよォ。」
そんな感じでみんなで食べ始める。
「しっかり食うてはるか?ジンはんはあんま食欲なさそうやから心配なんよ。」
「そんな風に見えるのか?」
「結構細く見えるからかもしれんなあ。」
まあ、筋肉はつけている。が、筋肉ダルマというより最低限。範馬刃牙みたいなそんなの。
「まああんな筋肉ダルマみたいにはなって欲しくはあらへんからなあ。」
「お、なんだオル!俺に喧嘩を売っているのか!?」
「キングはんは元気が有り余り過ぎとるからなあ。」
オル先輩とキング先輩は睨み合う。
「なら久し振りに戦るか!白黒つけようではないか!」
「うちに喧嘩を売ったこと後悔させてやるわ。」
そう言って端の方かへと歩き始めた。
「あいつらは血の気が多いからねェ。」
「部長。」
部長は俺の隣に座る。
「折角だから俺たちの事を話しておこうと思ってねェ。これから結構長い関係になるわけだしさァ。」
「部長達のこと。王族関連のあれこれか?」
「まあ、そうだねェ。」
まあ確かにそれはあんまりよく知らない。まあ特別気になるわけじゃなかったっていうのもあるけど。
「まあ俺の本当の名前はジャック・フォン・グレゼリオンって言うんだよねェ。シグマとフィエンはこの学園で見つけた俺の護衛なんだァ。それで一緒に帰宅部に入ったのさァ。良き友人なんだよォ。」
あ、シグマとフィエンは護衛なんだ。まあ多分、友人という意味合いも強いんだろうけど。
「まあジンの従兄弟でもあるんだよねェ。前にも言ったと思うけど、現国王の兄の子供ってわけさァ。」
部長はそうやって悠々と語る。
「この帰宅部には俺みたいな王族がいたり、色々と事情がある奴が多いからねェ。まあお前もだけどさァ。」
「ハハハ……」
まあ俺もかなり環境的には個性豊かな部類なのだろう。
「まあ気になるなら本人の口から聞きなァ。流石に俺は語れないからねェ。」
「そんな気にならねえよ。別に。」
人の情報に興味なんてない。生い立ちとかは知っても損する場合が多いからな。
オメガの口調が自分でもよく見出せない。
後、京都弁は確証ないけど許してね!筆者は大阪人だからね!




