17.一人のエピローグ
その後、俺はシルフェに自分のことを語った。自分が異世界転生した事を、とんでもない幼馴染がいた事を。しかしシルフェはそれを一切疑う事なく信じてくれた。本当に、俺には勿体無いぐらいの親友だよ。
「おいミシャンドラ。」
『なんだ契約者よ。』
俺は悪魔に話しかける。感情が奪われていたら俺は涙なんて出ない。それはつまりだ。
『ああ、いらないからしっかり返しておいたぞ。契約者も必要であっただろう?』
「まあ文句はねえけどよ。」
文句はない。しかし少し言うなら、カッコつけてわざわざ捧げたのにこうも呆気なく返されるのは少し恥ずかしいってぐらいだ。
「そうだ。お前の名前今日からアクスドラな。」
『む。名付けか?』
「おうよ。なんか悪いか?」
悪魔において名前というのは重要な意味を持つ。名付けるということは、それは永遠の契約だ。ただの契約とは違う。文字通り、命が共有される。
「なんか断る理由はあるか?」
『いや、断る理由なぞないぞ契約者よ。』
しかし利点はある。その分悪魔の力を最大限に引き出せるからだ。と言っても七十二柱だったら別に名前を変えなくても力は最大限に引き出せるのだが。
「お前、ミシャンドラって名前嫌いだろ?」
『ふむ。まあその通りだな。そもそも我輩は創造主が嫌いだからな。』
まあそう言う理由だ。
「闘争を意味するアクスとミシャンドラのドラを合わせてアクスドラだ。なんか異論はあるか?」
『ない。』
「ならいい。今日からお前はアクスドラ・アルカッセルだ。」
俺は生徒会室の前に再び立つ。今度は焦らないで、何事もないように扉を開ける。
「会長。修行をつけてください。」
今度はしっかり頭を下げた。
二章は随分と短くなりましたね・・・まあ予想通りですが。
これからの夏休み編で帰宅部や、エルとエース、その他諸々拾っていきたい要素をどんどん拾っていきます。
ついてこれるかなっ!?




