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平凡な英雄記  作者: 霊鬼
第1章〜国立グレゼリオン学園〜
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17.剣術部

「つ、着いた。」



アクトのその一言と同時に俺たちは全身から力を抜く。まさか道を全部間違えるとは思わなかった。そのせいかおかげか3階層のマップが8割以上完成した。



「今日は流石に疲れましたし、これで終わりにしましょう。」

「ああ。帰りは地図があるから楽だ。」

「戻ったら部活動の見学にでも行くか。」



俺のその言葉に信じられないようなものを見る目で二人が見る。



「七、八時間ずっと迷宮で迷ってたのによく部活なんか見る気になれますね。」

「早いとこ決めとかねえとな。別に強制じゃねえけど。」



昨日とか一昨日の間にいくつか目星はつけているが、行ってみないと実際の感触は分からない。



「んじゃ帰るって事でいいんだな?」

「うおっ!びっくりした。」



急にベルゴ先生が現れ、アクトが大袈裟なまでにびっくりする。一瞬魔物かと思って木刀を抜きかけた俺はおかしくないはず。



「なら帰るぜ。ま、直ぐだ。」



ベルゴ先生が指を弾き音を鳴らす。すると即座に景色が切り替わり、体育館に移り変わる。



「へ?」



予備動作なしの転移魔法。そこらの人が使えるようなもんじゃねえし、それどころか宮廷魔導師でもここまで高レベルな転移魔法の使い手は少ない。



「それじゃ俺は職員室で寝てるからな。やる気になったら呼べ。」



そう言ってまるで何もしてなかったかのように去っていった。



「先生ってのは随分な化け物揃いだな。」

「当たり前だろ。世界が誇るグレゼリオン学園だぞ。」



まあそれでも随分とおかしいがな。



「ま、いいや。それじゃあなジン。明日会おうぜ。」

「それではジンさん。私も失礼します。」

「おう。じゃあな。」



そう言って二人を見送る。今は15時ぐらい。部活動もそろそろ動き始めてきた頃だろう。見学には丁度いい。



「行くのは剣術部と魔法剣術部、後はついでに生徒会長が所属する特殊部だな。」



流石に全部回るのはめんどくさい。だからこの三つの部活を見て決めるつもりだ。



「剣術部は武術場にいるのか。」



この学校本当に広いから移動が大変だ。まあここに入学できるぐらいの能力があるなら、別に苦でもないが。



「一際デカイな。」



剣術部も魔法剣術部もこの武術場にいるのだがまあ広い。他の体育館も相当広いが、その中でもこれは特に広い。どうやらこの闘技場、1階と2階があってそれぞれ4部屋ずつあるらしい。それも結構広い。



「一階のCの部屋にいるのか。」



そこを見てみると既に結構人が集まっている。結構見学してるな。俺も人混みの中を掻い潜って出てみる。



「それじゃあ誰か戦ってみたい人はいるかな?」



いきなり模擬戦か?いや結構前から見学しててもう終わりって感じかな。俺は迷わず手を挙げる。



「お、そこの子は元気がいいね。それじゃあやってみようか。おいジャン!」

「おっし。一年坊、レベルはいくつだ?」

「三」

「んじゃあそこまで下げるぜ。」



手加減のスキルを使えるのか。まあ人に教えるには必須だわな。



「それじゃあ構えて。」



俺は木刀を出して構える。先輩は真剣を構える。



「安心しろよ。刃は潰してあるからな。どっからでもかかって来い!」



剣術部だから剣術だけで勝負するか。魔力使用禁止ってのが妥当だろう。



「じゃあ遠慮なく!」



左足を軸として突っ込む。いつもやる最短ルートでの頭部への攻撃。が、ギリギリの所で防がれる。



「随分とやるな!」



防いだ状態から木刀をいなし、俺に剣を振るう。しかしいなされるより早く俺は相手の懐に入り込む。こんな至近距離じゃ、流石に剣は振れない。



「ぬっ!」



俺は頭に打つとみせかけ手を狙うが、バックステップを取って避けられる。俺はすかさず木刀を投げる。



「危なっ!」



上体を逸らして俺の木刀を避けた。しかしそれは凶。一番良いのは掴むだが、それはバックステップを取っている時じゃ厳しい。だからこそ叩き落とすか、わざと受けとくあたりが良い。



「はぁ!」



俺は先輩を追い越した木刀を掴み、そのまま振り下ろす。



「ッ!」



振り返りながら防いだせいか、体のバランスが悪くそのまま剣が手から離れる。そこですかさず首元に木刀を添える。



「勝負あり!」



ふう。まあ中々良かった。恐らくかなり強い方だろう。だけどまだまだ甘いな。剣士が常に剣を持っているという考えが甘い。必要な時は捨て、臨機応変に対応するものだ。



「まさか一年に負けるとはなあ。やるじゃねえか!」

「まあ、はい。」

「それじゃあ見学は終了だ!良ければまた来てくれ!」



その一言でみんな去っていく。だけど少しざわざわした感じだ。まあそりゃあ一年が三年生を倒したわけだからな。俺も帰ろうとしたところを呼び止められる。



「さっきは良い試合だったよ。僕の名前はマルコ。剣術部部長をしてるんだ。」



ほう。この人が剣術部の部長だったのか。指揮を取ってたしまあそんなんじゃないかとは思っていたが。



「まさかジャンを倒せるとは思わなかったよ。君がこの部活に入ってくれれば大きい戦力になる。」

「俺はまだ入ると決めたわけじゃねえよ?」

「分かっている。まあ、本音を言うなら逆に入って欲しくない。君みたいな人間はここには馴染みにくいだろう。剣術だけなら剣術部うちの副部長クラスはあるけど、他と君はレベルが違うからね。」



さりげなく自分は違うと言ったな。しかし当然だろう。見るからに常人じゃねえ。一切隙のない佇まいだ。



「だからこそここはオススメしない。恐らく君が望む力はもう手に届く位置にある。」

「ほう。」

「技術なら既に剣神。他の要素も合わされば直ぐに剣神のスキルも手に入るだろう。だから君に教える事は何もないってわけだ。」



何もない、なあ。



「もしかして剣神が剣術の限界だとか思ってねえよな。」

「……なんだと?」

「確かに今まで剣神を超えた剣術スキルは発見されていない。世界最強と名高きディザスト・フォン・テンペストも剣神止まりらしいからな。」



しかし、しかしだ。そんなの誰が決めた。



「てめえらがやる気がないから見つけられないだけだろうがよ。自分を強いと勘違いしてるからな!」



マルコの表情が歪む。



「失望したぜ。剣術を極めるものが先に限界を決めつけるなんてよ。」



それはもう剣士ですらない。



「完璧であってもまだ足りぬ完璧を目指すんだよ。」



少なくとも、俺は。

書き忘れていたのですが、この小説は自分の妄想を垂れ流すただの自己満足によって作られています。中二くさい描写、又はあまりにも拙い文章。そしてクソみたいなストーリー進行の遅さは御了承ください。

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