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平凡な英雄記  作者: 霊鬼
第1章〜国立グレゼリオン学園〜
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14.試合後

俺は体育館から出て校庭を歩いている。すると少し先にシルフェとアクトを見つけた。



「よっ!おつかれさん。」



そうアクトが話しかける。



「まああれぐらいじゃあ負けねえよ。」

「そういう話じゃねえよ。単純に疲れただろうって思っただけだっての。」

「つかれた……?」

「おいコイツ感覚麻痺してるぞ大丈夫か。」



んん?



「ジンさんにとって格上と戦うことは疲れないんですよ。いつも誰に対しても全力ですから。」

「ああ……」

「何に納得してんだよ。」



何を言ってるか全く理解できない。



「一般人はスライムを倒すのに全力は出さないんですよ。」



……?



「さて、この会話は不毛ですのでやめましょうか。」

「ああ、そうだな。」



???



「さて、それではパーティ申請出してきますね。明日からもう行けた方がいいでしょう。今日は部活動見学の日ということで。」

「ああ、分かった。」

「ええー!打ち上げとかいかねえの!?」

「修行で忙しいんだ。」

「私は色々と所用があるので。」

「ちぇっ!つまんねえの。」



休んでる暇はない。できれば一秒も無駄にしたくない。今だって魔力循環だとか、制服改造して重くしたりしてんだから。



「そんじゃ、また明日な!」



そういってアクトは去っていった。



「それでは、後ほどあの資料を送りますので。」

「ああ、うん。」



邪神宗教のあれか。シルフェもそうして去っていった。



「さて、部活動は夜だしそれまでやっとくか。」



そう言い、とりあえず木刀を振ろうと思った。が、目の前でそれをやめざるをえない相手が現れた。



「あれは……」



一気に周囲の温度が上昇する。意識的に俺に存在を気付かせようとしているのだろう。



「やあ。ジンでよかったよね。」

「リラーティナ生徒会長だよな?」



確認に対し質問で返す。



「その通り。私こそが学園最強であり、最速を象徴するリラーティナ家が長男。ロウ・フォン・リラーティナだ。」

「その学園最強が何の用だ。」

「そう殺気立つなよ。狂犬のような目をして。」



元々人一倍警戒心が強い俺だが、特に実力がわからない相手、格上だと分かりきっている相手はより警戒する。今、その気になれば俺が気付くより早く俺を殺せるのだ。



「まあ、他愛もない話さ。」



魔力が霧散する。温度もいつもの気温に下がる。



「生徒会に入らないかい?」

「どうして?俺より優秀な奴ならたくさんいるだろ。」

「いないからここまで来てるんだ。」



随分と自信満々だな。



「メリットがない。」

「ああない。だが私が叶えられる願いぐらいなら叶えてやれる。」



そんなものあるか。



「生徒会には今、私一人しかいない。強者であればあるほど僕とは一緒にいられないらしくてね。だから一年生から探してるわけだけど、その中でも君は次期生徒会長になれる力がある。」



つまり学園最強になれると言ってるわけだ。



「まあ、よく考えてくれ。私はいつでも生徒会室にいる。」



そう言って生徒会長が去っていく。



「生徒会か……」



副生徒会長にならなったことがある。前世、幼馴染が生徒会長のだが。あまりいい思い出はない。



「……嫌なこと思い出した。」



俺は苦い思い出を消し去るように木刀を振り始めた。

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