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平凡な英雄記  作者: 霊鬼
第1章〜国立グレゼリオン学園〜
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10.罠

受け身をとったせいで土が制服についている。しかもところどころ傷がある。エルは移動しながら弓を俺に向かって打ち続けるのに対し、俺は迎撃しかできないから俺だけがダメージを喰らう。



「この制服かなり丈夫だな。」

「学園長の『賢神』が考案したものらしいからね。」



いくつか当たったが傷一つつかない。相当上位の魔法式を刻んでいるのだろう。



「明日、試合するんでしょ。結構目立ってたよ。」

「まあ目立つだろうな。あんなキラキラした装飾品つけてる奴なんて他にいねえからな。」



ゴミ、いやミゴは体育館に来る時から結構人の目を引いていた。それぐらい普通ではない。



「まあ負けるとは思ってないけどさ、頑張ってくれよ。」

「……やたら気にかけるな。なにか気になることでもあるか。」



昨日いってたことだけじゃ納得できない。



「アハハ。単純にシルと一緒にいた人に興味があってね。」

「シル?……ああシルフェか。」



ということはシルフェの友人かなんかなのか。



「まあ幼少期に一回会ったきりだけどね。それで君に話しかけたのさ。」

「シルフェには話しかけないのか?」

「多分もうあっちは忘れてるだろうからね。誰とか言われたら立ち直れなさそうだし。」

「そうかい。」



あいつってそういうの忘れないタイプだと思うけどな。あ、もう暗くなってきた。



「じゃあな。また会おうぜ。」

「うん。それじゃあまた。」



寮に帰って瞑想でもするか。闘気も増やしたいし。






==========






sideミゴ・アルスフレイン・ディヴァニーア・ジャルゴ・ティスメイン


私は授業を切り上げ、寮に帰ってきた。パーティを組まなければ迷宮には入れない。しかし一回決めれば変更の手続きがかなり面倒だ。だからこそ我が手にシルフェード様を手に入れるまで、登録するわけにはいかない。



「ファルクラム家の後継はシルフェード様ただ一人。私が取り入れば公爵家にもなれる!そしていずれはあの王族すらも制圧してやろうではないか!」

「素晴らしい計画です。」



ミゴの言葉に護衛が同調する。



「あいつは私より弱い。しかし、どんな汚い手を使ってくるか分かったものではない。」

「はい。卑しき平民です。何をしてもおかしくありません。」

「だからこそ念には念を入れなければなあ。」



私は右手に指輪をつけていく。それぞれが強力な能力を持つ魔道具。そして箱の中にあるネックレスを取り出す。



「やるなら完膚なきまでにだ。」



そのネックレスは禍々しく、ただの魔道具には見えない。しかしそのネックレスを躊躇いもなくつける。



「さて、仕掛けをしに行くぞ。」

「はっ!」



そう言って暗闇の中、試合会場となる体育館へ向かった。

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