16.神の剣
破壊神は斬られはしたものの、即座に再生した。しかし問題はそこではない。ジンの燃え盛る聖剣は、破壊神に無条件にあの時を思い出させる。
「戦神の力をッ!貴様ァ!」
それは戦神であるグラド・ヴィオーガーの夢想の力。その身に戦神の神霊を宿すことによりなしえる力。
「時間がねえからさっさと終わらせるぞ。」
ジンはそう言う。炎はジンの体を燃やす。それは本来、ジンの夢想ではない。だからこそ一瞬のみ、最後のとどめの時だけ使える。
「無銘流奥義」
「させるものかッ!」
ジンが剣を構えるのに反応し、破壊神も終幕の剣を右手にジンへ接近する。破壊神は荒れ狂う破壊な力を剣に込める。
「『破壊は終末へ、神は世界を創りなおす』」
荒れ狂う破壊の剣が、破壊の砲撃によってジンを飲み込む。例え神であっても耐えれるか分からないほどの破壊のエネルギーが、ジンの体を少しずつ壊していく。
「八ノ型」
しかしジンは剣を握る。決して折れない。それは彼が憧れた英雄の姿を再現するように。
「ば、馬鹿なッ!」
破壊の奔流をその身一つで耐え、体はほとんど壊れているというのに彼は立つ。そして父親と同じように剣を振るった。
「『鬼神』」
世界が、斬られる。
==========
明らかに不自然な地形はそこに起きた戦いの激しさを端的に表していた。その周辺にいる生きてはいるが意識を失った数人の人間がいることから、ちょうど先ほど決着がついたのだろうと容易に想像させた。
そんな荒れ果てた地の中、一人の男が立つ。その男は倒れそうになりながらもなんとか立ち上がり、笑みを浮かべた。
「私の、勝ちだ。」
ジン・アルカッセルの姿がその場にいないことを確認して、破壊神は残虐的に笑った。
「計画は随分と遅れることになるが、問題ない。ここにいる奴らを全員殺しておけば、次の侵攻で必ず勝てる。」
その力はもうほとんど失われているが、また数ヶ月すれば治るだろう。その時が文字通り、世界の終わりの時だ。
「世界は、私のものだ。」
短いですが、ご容赦くださいませ。前の話に入れるのは中途半端ですし、次の話に入れるには少し区切りが悪いんです。




