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平凡な英雄記  作者: 霊鬼
第1章〜国立グレゼリオン学園〜
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1.国立グレゼリオン学園

新章開幕!

この世には14の最強のスキルが存在すると言われている。憤怒、傲慢、怠惰、嫉妬、色欲、強欲、暴食、慈悲、謙譲、勤勉、忍耐、純潔、節制、救恤。七つの大罪とそれに対応する七つの美徳。これこそが最強の力と呼ばれるのだ。


その中で俺が保有する勤勉インダストリアは、戦闘中に常に身体能力が上昇し続ける効果。そしてどんな難題であっても勤勉であれば達成できるという効果。この二つを保有している。特に他のスキルの中で勤勉は所持者が少ない事でも有名だ。取得の基準値が高いかららしい。



「あー眠い。」



俺は大きな欠伸をして、体を伸ばす。こんな奴が手に入れられるんだから大したことない気もするけど。何せ今、体が疲れていないのだから。



「どれだけやる気ないんですか?もう昼ですよ。」

「いやあ。最近なんか燃え尽き症候群みたいなところあってな。久しぶりに結構ゆっくりしたし。」

「知りませんよ。この試験には受かってもらわなきゃ私が困ります。」



この度俺は学校に行こうとしている。グレゼリオン王国全土から、ありとあらゆる分野における最高の人材を育成する場。それこそが国立グレゼリオン学園。その中で最も狭き門と言われるのが戦闘学部の試験。まあそれを受けるんだが。



「まあ、剣王のスキルを持っている人が万が一にも落ちるはずが無いと思っていますが。」

「さりげなくプレッシャーかけてんじゃねえよ。」

「気のせいですよ。さて、行きましょうか。」



俺たちは席を立ち、店を出る。入学において必要なのはどの分野でも良いから秀でていること。俺なら世界でも所持者が少ない剣王のスキル。正確な数は分からんが剣王を持っていたら、この世界の剣士の上位10パーセントぐらいに立っているとみていいらしい。しかしまあ、剣王を持っていても入学確定にはならないぐらい難関らしいからな。剣王のスキルを持っている人の中でも、特に優れているものが選ばれる。



「というかお前が来てくれってお願いしたんだろ?」

「やるからには全力で、という言葉を知らないのですか?」

「確かに了承はしたがな。」



これから俺は剣術を極めていきたいのだから、沢山の相手と戦い様々な剣術を見たほうがいいとの判断だ。



「なら四の五の言わずに、黙ってやりましょうよ。あなたも良いと思ったのでしょう?」

「まあね。」



そう言っている内に到着した。王都の中にある建造物の中で、最大の敷地面積を持つ。最早学校とも言えないレベルの世界最高の教育施設。国立グレゼリオン学園。それがここだ。俺たちはここの午後グループで入学試験を受ける。大体は午前が貴族、午後は平民という感じで受ける人を分ける。



「さて、行くか。」

「ええ。」



2人で校門から入る。直ぐそこに受付場があり、入試のために皆が集まっている。俺らは最後列に並ぶ。順々と進んで行き、俺たちの番がやってくる。



「書類を提出してください。」

「はいよ。」



俺が2人分の入試の書類が入った封筒を提出する。



「中身を確認させていただきます。」



受付の人が中の紙を取り出し、その内容を見る。すると少し何か疑問に思ったのかシルフェの顔をよく見る。



「何故ここに?」

「気にしないで下さい。少し事情があるんです。」

「はい。分かりました。それではどうぞ体育館へ移動してください。」



なんかおかしかったが、取り敢えず移動する。



「おいシルフェ。さっきのなんだ?」

「いえいえ、気にしないで下さい。どうせ直ぐ分かりますよ。」

「ま、どうでも良い事ならいいんだがよ。」



俺たちは校内の中でかなりの大きさをする第1体育館へ向かう。第5体育館まであるんだから、凄いよな。



「どんな試験なんだろうかな。」



俺は腰に差している木刀を軽く握る。少しテンションが上がっている。俺にとっちゃ最悪受からなくても良い試験だし、1種のお祭りみたいな感覚だ。






==========






「全員いるな!それなら受験番号が奇数の人はここに待機し、偶数なら第2体育館に移動しろ!」



なら何故最初からそれを言わなかった。偶数の人無駄足じゃないか。まあ、俺は奇数なんだがね。



「それではまた後で。」

「おうよ。」

「良い結果を期待してますよ。」

「ああ。」



そう言って、シルフェは第2体育館へ移動する。それから少したってから、試験官がやってきて体育館全体に声を響かせる。



「これから!国立グレゼリオン学園の入学試験を始める!」



俺は武者震いをしながら、木刀を抜いた。

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