1.武闘祭前日
文章足りないから二話連続投稿ぅ。というわけで七章が始まります。
武闘祭。戦闘学部にとって最も重要な行事。殆どの学生が最強を求めてこの学部に入るがゆえに、その最強が誰かを決める行事に喜ばないはずがない。
しかし、今回の武闘祭は例年通りではない。勇者が信用に値する存在かを見極めるという意味合いが強いのだ。破壊神をも打ち倒す希望の星として、だ。だからこそ例年の通りにはいかない。
毎年は部活部門と個人部門の二つが行われるが、今年は個人部門の個人戦のみの開催となる。そして今までは一年生から二年生、三年生の順に始まっていた。しかし今年のみ、二年生から始まり、三年生を間に挟んで、一年生が最後となる。一番重要な戦いを最後に回すという考えなのだろう。
そして、当然と言うべきか。俺たちが六人が当日の本戦へと駒を進めた。プラス二人の優待枠が加わり計八人のトーナメント戦。三回勝てば優勝。
「よう、アクト。お前が初戦か。」
「ああ、すまねえがこちとら負ける気がしねえんだ。」
そして一回戦第三試合にて俺とアクトが戦うこととなった。そういやアクトと正式な試合をするのは入学式が最後か。あれから一度も全力で戦うなんてことをしていないな。
「安心しろ。お前が負けたら代わりに俺が破壊神ぶっ倒してやらあ。」
「それは勝ってから言うんだな。」
互いに睨みあう。俺たちがいるのは闘技場。その控室の一つ。武闘祭は明日。今日は前日の準備だ。例年と違うからこそ段取りの確認も行われている。
「……なあ、アクト。」
「あ?んだよ。」
「入学式の頃は俺たちはレベル3だったんだぜ。随分と高みに来たよな。」
あっという間だった。気付いたらここまで来ていた。いつの間に最初はできないこともできるようになって、ここまで強い奴らと戦えるようになって。遂には神と戦おうとしている。やっぱり、この学園に入ってよかった。
「全力でやろうぜ。俺たちさえいれば、破壊神なんて敵じゃねえって証明してやるんだ。」
「……ああ、ジン!」
今ここに最強を決する時がきた。
次からずっとこいつらは試合やります。どんなことができるようになっていったか出しつつ、延々と戦わせます。




