表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平凡な英雄記  作者: 霊鬼
第5章〜大罪と美徳と未知〜
122/240

11.vs純潔

学園内の無駄に広過ぎる校庭の中、俺は立っている。言わずもがな、襲撃に備えるためだ。クラウスターは今も聖剣を打ち続けている。一つ一つ丁寧に、完璧に。ならば俺の役目はそれを妨げる奴を一人残らず排除すること。


確かに、普通ならこの学園には誰も入れない。文字通り、学園長が張った結界は最高級のものだろう。しかし、何事にも例外はある。



「……バレてるよ。」



俺は誰もいない校庭でそう呟く。辺りには静寂が響くだけで何も返ってこない。しかし絶対にここに誰かいる。その確信は既に持っている。



「バレてるって言ってんだよ!」



俺は虚空を掴み、地面に叩きつける。間違いなく顔を叩きつけた感覚だ。



「死に晒せ。」



情報を聞き出すなんてめんどくさいことはしない。奥の手なんぞを出す前に殺す。ただそれだけだ。昨日の奴と同一人物なら、見えなくても心臓の位置はなんとなく分かる。だがしかし、突如手から感覚が消える。俺は全く慌てず、目の前を見据えた。そこには昨日見かけたローブを着た男がいた。



「なんで、分かったんだい?」

「ここは校庭だぜ?砂の動きで分かる。」



俺の眼はそれぐらいなら容易く見抜く。砂を踏んだ時に持ち上がった砂を見て、そして昨日見た男をそこに当て嵌めて全体の構図を想像する。そしたら見えてても見えなくても変わらない。なんなら空気の流れを見たらいい。ちょっと意識すればできることだ。



「そうかあ。成る程ねえ。中々厄介だなあ。」

「お前に言われたかねえよ『純潔』。

「……俺の能力まで言い当てるか。」

「美徳系の能力は有名だからな。」



大罪系の能力は所有者が所有者だからあんま能力が有名になることはない。しかし美徳は別だ。国に献身し、その生涯を終える奴も多い美徳系能力者はその全ての能力を公開してる奴が多い。



「純潔の能力の遮断だろ。この王都を覆ってる見えないやつも。」

「さあ、どうだろうねえ。」



だがこれだけだと街中にいるゴーレムは説明がつかないが、こっちも大体予想できている。というか見えている。



「それと、謙譲と手を組んだわけか。成る程、確かに謙譲ならばその名に恥じず勝利を譲ってくれるってわけだ。」

「それも、そのおかしな眼でみたのかい?」

「ああ。随分とお粗末だったから見逃しそうなぐらい簡単に。」



槍を振るうとそれに呼応するかのように槍が鈍く白に光る。



「厄介だねえ。」

「お互い様だろ。」



俺は構えを取る。すると男は少し笑い、体制を低くして構える。手には何も持っていない。徒手も考えられるが、武器を能力で隠している可能性もある。特にリーチには気をつけなくちゃあな。



「なら、もうこの隠密の効果もいらないねえ。」



男はフードを外す。しかし、そこに顔はなかった。



「らっ!」



俺は槍を振るう。案の定目の前に男がいる。一瞬でローブ脱ぎ捨て距離を詰めたのか。男の手と俺の槍がぶつかり、俺は即座に槍を突き刺す事を選択する。



「甘いなあ!」



しかし槍は絡め取られ、腕でしっかりと掴まれる。



「『爆発(エクスプロージョン)』」



だが槍の周辺を魔力を使い即座には爆発させる。逃げ遅れたのか腕が少し焦げている。



「手数が違うんだよ。意味がねえ。」

「……本当に厄介だ。」



俺は目に魔力を集め、そして槍を再び構え直す。



「全てを見通せ。『人智超越せし神眼(アルフォス・アイ)』」



俺の眼は金色に染まり、男を見下ろす。



「一瞬で片付けさせてもらうぜ。お前にかける時間が惜しいんだよ。」



俺は地面を蹴った。






==========






俺とシルフェはゴーレムを倒しながら、十四技能の使い手を探している。一度も立ち止まらず次々とゴーレム達は倒れていく。



「シルフェ。今回の主犯は最低でも二人と見ていいよな。」

「ええそうですね。」



この王都を覆う力で一人。このゴーレムで一人。この時点で二人が確定している。そしてここで大切なのはそれじゃない。



「じゃあどうやってここに十四技能を集めたんだろうな。」



偶然いたという考えもあるが、それは可能性は低い。それだけ世界から特定の十二人を集めなど不可能と言っても差し支えないぐらいだ。



「また、別に誰か居そうですね。」

「ここに十四技能を集めた奴が、俺たちの敵になるわけだな。」



そうして走っていく中、ふと止まる。



「……?どうしたんですか。」

「いや、なんか嫌な予感がして。」



アクトが言っていた事を思い出した。あいつが神帝の白眼の『運命選択(セレクト・オーダー)』を使う時、一時的にそれ以外の能力が一切使えなくなると。それが、嫌な想像を掻き立てる。



「無事だといいが。」






==========






俺の腹を剣が貫く。俺の運命選択セレクト・オーダーの一瞬の隙に、俺が理解するより速く剣を突き刺したんだ。何よりこれを許してしまったのは、敵が一人だと思っていた事。



「純潔の遮断の力以外じゃあこの結界を通れないと思ったかあ?」



男が憎ったらしくそう言う。言い返そうにも直ぐに言葉が出ない。後ろにいる奴は骨格的に女なのは分かる。俺を貫いた剣は随分と短いから短剣だろう。何度も何度も回して、肉を抉っている。



「残念、結界の力はもう既に遮断してある。お前の感知に引っかからないようにしてなあ。」



剣が引き抜かれ、地面に体が落ちそうになるのを槍を杖代わりにして立つ。しかし男に腹を蹴られ、倒れる。



「ああ、汚い血だなあ。」



そう言いながら純潔の男が俺の頭を踏みつけた。

プロット組む→良いネタを思いつく→展開を変える→プロットを組み直す→良いネタを…………


だから内容ぐちゃぐちゃになるんだね!仕方ないね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ