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幕間3
忍と行動を共にしている葵はふと夜空を仰ぎ見た。
「・・・・」
「どうかしたのか?葵さん」
突然フリーズした葵を不思議に思い、忍が声をかける。
「・・・大したことじゃない」
「・・そうか」
(といっても、葵さんがこんな風になる理由は一つしかないけど・・
月草さんだろうな)
忍は守り人の印が刻まれている葵の腕をみる。
不老不死となり、幾年をこの人は過ごしたのだろうか。
心はいつの間にか何も感じなくなり、みないつか心を殺していく。
きっと、これは彼なりのやり方なんだろう。
不完全であることが、彼なりの抵抗なのだろう。
葵の腕には半分消えた印が刻まれている。
二つの半分消えた印。