再会は1枚の学生証から
キャンパスライフってめんどうくさいよな。何を急にって感じたけど、実際そうだろう?
前にも言ったかもしれないが、要は「変化って疲れる」ってこと。入学式にガイダンス、授業登録に新しい人間関係。新生活はエネルギーの消耗が激しい。
まあ、高校最後の夏休み前後のことを思えば大したことないんだけどな……。まあ、あれももう終わったことだ。
現時刻は午前8時半。1限の授業(9時から)を受けるため少し早めに登校してる俺。
ぐだぐだと愚痴ってきたが、俺こと麻川拓斗は、現在大学1回生。早め早めの行動をとる偉い子だ。
「あーー、ダリィ……」
やべ、今、おっさんみたいな声が出た。
快晴の青空が未だに少し寝ぼけている俺に容赦なく突き刺さる。
「フッ、俺の心は曇り空だってのに……」
一人不敵に笑ってみる。と――。
ヒュ……!
「!」
俺の腕に向かって何かが飛んできた。落ちたそれを追って足元を見ると、学生証が落ちていた。
これは出席を取ったり図書館で本を借りたりするときに使うものだ。しかし、何よりもこの大学の学生であることの証明だ。そんなものを投げて遊ぶなんて大学生にもなって随分と幼稚である。
これは一言言ってやろうと心に決め、俺は学生証を拾う。そして、学生証から視線を外して前を見た。
「……え?」
俺は何とも間抜けな表情をしていただろう。だが、それも仕方のないことだと許してほしい。誰だっているはずのない人間が目の前にいたら驚くだろう?
「久しぶり。拓斗」
そう、俺の目の前にいたのは壮絶な戦いの後姿を消した「園神舞」だった――。
「学生証(拾ったもの)を渡してほしいのだけれど、渡す条件はどうしてアタシがここにいるか話す、でいいかしら?」
そう言って園神は悪戯が成功した子供のような顔をして笑った。
随分と懐かしいやり取りだ。あの時、この手にあったのは弾丸でまったく平和的ではなかったけれど。俺の返す言葉は決まってる。
「ああ。教えてくれよ、お前のこと」
日常は刻々と変化する。
変わらないものはない。
時も、物も、人も――。
皆、姿を変えてゆく。
俺は変化が嫌いだった。
変わることが嫌いだった。
否――怖かったのかもしれない。
しかし、今は違う。
変化を受け入れていくこともひとつの強さだと思っている。
俺は変化を受け入れる。
受け入れてこそ――「今」がある。
これが俺の日常――。
―完―
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
「分かりやすく」「だらだら長くしない」を心がけて書いてみたのですが、いかがだったでしょうか?笑
自分は楽しんで書けたので、読んでくださった方にも少しでも楽しんでいただけたのなら嬉しいです。
もしかしたら大学生編を書くかもしれません。その時はまたよろしくお願いします。
*続きました→http://ncode.syosetu.com/n1077dr/
それでは失礼します。
ありがとうございました!




