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才能開花編 1

西宮にしのみや かおるは県内の高校に通う高校2年生。だった。あの事件が起こるまでは。

高校1年生になった薫は親しかった友達と違う高校に通ったため友達がいなかった。だから4月の間は誰ともかかわらずに過ごしていた。

でも5月の中旬のこと、薫に声をかける人が現れた。名前は園田そのだ しゅん。スポーツ万能、成績優秀、友達も多い。欠点らしい欠点は見つからない。そんな人に話しかけられ、薫はちょっぴり救われた。彼を通して友達もできた。友達と勉強したり、買い物したり、映画に言ったりと楽しい時間をすごした。そして2学期には彼氏もできた。そう、園田 俊だ。俊は薫のことを見た時に好意を抱いたらしい。つまり一目ぼれだ。薫は二つ返事でOKした。

二人の関係をクラスの人たちは祝福した。一部を除いては。俊は何度か告白をされていたが

「自分には好きな人がいるから。」といって断ってきていた。そのフられた人たちから見ると薫のことはほんとに憎かった。でも、いま薫に手を出すと俊に嫌われてしまうため不用意に手が出せなかったのだ。しかし、彼女たちに好機が訪れる。

俊の転校が決まったのだ。薫は俊の転校をすこし悲しいと思いながらも見送ることを決意した。

そして転校当日。引越し業者がダンボールをつめ終えエンジンをかけ、出発した。最後に何を話していいかわからない俊と薫はひたすら黙っていた。そして、俊が話を切り出した。

「今までありがとな、距離があるから頻繁には遊びに行けねーけど、メールとかするからさ。よかったらでいいから俺たち、このままの関係でいてくれないかな?」

俊の言葉を聞いて薫は思わず涙を流してしまった。

「当たり前じゃん、今さらな事言わないでよ。バカ・・・」

「泣くなって、また会えるんだからさ。ほら。」

俊はハンカチを渡した。

「返すのは次会う時でいいからさ。最後は笑顔で送ってほしいな。」

薫はまた泣き出す。こらえきれずにワンワン泣いている。見かねた俊が

「なぁ、今度会ったら何しよう?買い物?映画?いや、DVDをゆっくり見るのもいいな。だからさ、今は悲しいけどこらえてさ、次会った時笑って過ごすためにもさ、今笑ってくれよ。」

といいながら薫を抱きしめ頭をポンとたたいた。

薫はこみ上げる涙を必死に抑え

「わかった。」

といって涙でぐしゃぐしゃになった顔で笑ってみせた。

「ありがとな。あと、これもらってくれ。」

俊は封筒を渡した。伝えきれないことを文章にしたんだろう。

「これを一人の時に読んでくれ。それをほかの人には読まれてはだめだ。絶対に。」

少し強めに言った。よほど大事なことなのだろう。

「じゃあ、時間だし。行かなきゃ。またメールするから。待ってろよ。」

といって俊は車に向かった。

強いな、俊は。薫はそう思った。私なんてすぐ泣いちゃったのに。ほんと、すごい。

そんなことを考えながら家に帰って俊からもらった封筒を開けてみる。

すると、青白い閃光が目を襲い薫は目をそらした。



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