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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

ガキのたわごと

画家は人殺し

作者: 窯野 四方木
掲載日:2025/11/02

 人を殺した。

肩にかからない程度長さをした黒髪の女性。

身長は平均より五センチ大きいくらい。

僕のクラスメイトで僕が好きな人。


 いい絵が描きたかった。

いい絵にはリアリティが必要だ。

僕の好きな漫画の登場人物も言っていた気もする。

読んでいた当時は「また変なことを…」と呆れていたが今はわかる。

彼女のすべてがわかる。

レオナルド・ダ・ヴィンチが解剖を行ったように隅々を知らないと描けない。



 彼女は誰にでも優しい女神。

なよなよした僕にも笑顔で話しかけてくれるんだ。

いつかは彼女と仲良くなりたいと思っていた。

気が付けば僕は鉛筆を削るためのカッターをもって彼女を探していた。


 彼女は腹部からの多量出血で死んだのか。

 僕が首に手をかけ酸素が足りなかったのか。

 はたまた他人の僕に刺されたショックからなのか。

 腹から魚を捌くように刃を滑らせる。

 彼女の肌はシルク生地。赤い線が定規要らずでひける程。



 僕の持論だが人間は食べたもので形成される。

SNSで見かける腕と胴体の厚みが同じ女は中身がからっぽである。

 「モナリザ」「真珠の耳飾りの少女」と並ぶ彼女からは

肉だとおもわれるもの、果物だとおもわれるもの、ゼリーだったものが

液体と共に溢れた。ただ美味しくはなかった。

正直、彼女が着ていたカーディガンのほうが香ばしかった。


 カーディガンだけでも私物にしたかったが、

僕は桜の樹の下に彼女ごと埋めてしまった。

 絵は実物が目の前にある以上に写実的に描けることはない。

埋める行為は画家としての愚行だっただろう。

 しかし皆に彼女の美しさを僕が発信していくためには、

僕は捕まることができなかった。



 僕は信者なので殺さないといけなかった。

 彼女を知って、描いて、布教をしないといけなかった。

 幸い彼女は明日には樹の下から蘇る。

 彼女はキリストと同じ神なのだから。

 僕の神は一度で消えるような人じゃない。

 明日には僕に「おはよう」と言ってくれるんだ。

 ならば僕は人殺しなのだろうか。誠実な信者であり画家であるだけか。

僕は人殺しではない。一途な信者だったんだ。

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