小学校編 98時間目
「おい。騎馬崩れそうになったときこっち側に倒れてくるなよ。わざと?」
「試合中にそんなことするのってありえないんだけどっ!!」
『ひいっ……。』
「おいお前ら。たまたまだろ。」
「まあまあ落ち着いて……。」
「お前ら落ち着け。多分わざとじゃないだろ。」
「かいとも!!?むっ!!」
「そもそも!玉入れの練習の時に仲良くするって言ったでしょ?もう!」
「るる……ごめん。」
「ちょっと男子のみんな!」
「高井先生?」
「ちょっとチームワークチームワーク!無さすぎでしょ!毎試合毎試合!こんな時まで分断しないの!みんなで協力して、ほら!運動会当日まで時間ないんだよ?」
「だって、あいつらが!!」
「は?お前らだろ。」
「は〜??どう考えたってりくと達が輪を乱してるんでしょ〜??」
「あわわっ落ち着いて……」
「こらみんな!少しは反省しなさい!チーム内でバチバチして、対戦相手にも迷惑かかってるのよ!」
『ごめんなさい……』
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「あ〜あ。高井先生に怒られちゃったよ〜。」
「チームワークね。」
「無理無理無理ー!!!」
「……笑顔で接する……。」
『それはやめて!!!』
「あ!みんなで作戦とか考えてみたら良いんじゃないかな!」
「やってみる価値はありそうだね。」
「るるとかいとがそう言うなら……」
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「……みんな!そんなにバチバチしないで……」
「ただの作戦会議でしょ?あすさちゃんにゆうくんにあやくんがっ!!震えてるよ!!」
「ごめんごめん〜。」
「……チームワークのため……。」
「話し合わないとな。」
「じゃあ早速!とうり、どうしたい?」
「ええっ俺!?」
「大将なんだしさー!なんか無い?」
「ええっと……でも、まずは……みんなで協力出来たらうまく出来るんじゃないかな……。今は些細なことでぶつかってばっかりだし……。」
「そうだな。お前らがいちいち突っかかって来るからな。」
「は!?人のせいにして!りくとだっていちいち首突っ込んでくるじゃん!!」
「りくともたいしも落ち着いて……。」
「じゃあさ、まず俺らはいちいち突っかかっていかないから。りくとも大人しくしといてくれる?」
「大人しくって……。」
「た、たいようの言う通りだね!ね、りくと?」
「分かってるよ。じゃあ、それでよろしく。」
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「先生?どうかしたんですか?」
「ああ、さな。ちょっと前から喧嘩しなくなったなとは思ってたんだけどね。練習重ねてくうちになんか雰囲気も良くなってきてるなって。」
「男子たちですか?」
「そうそう。」
「へえ。できるんだ。」
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「じゃあとうり、お願い!」
「うん!みんな!女子に続いて俺らも騎馬戦で勝てるように頑張ろうね!えいえいおー!」
『おー!!』
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「余裕だったね〜!」
「……だな……。」
「この調子で徒競走、リレーと行きたいところだけど、次、よさこいだったね。」
「よさこいも気合い入れてこうぜ!」