小学校編 25時間目
※たいよう視点
「ごめんって、たいよう！そんな拗ねないでよ！」
「別に、拗ねてないよーだ」
ううっ///
「完っぺきに拗ねてるだろ……」
「……だな……。」
「ははっ。ごめんごめん。でもしょうがないだろ？俺にわざわざ会いに来てくれたんだから。」
「だからって気づかないのはひどい！！」
せめて気づいてくれてもいいじゃん……
「拗ねてるの認めちゃったな」
「ほんとだ！」
「……だな……。」
げっ！！！やらかした……
「！！今のは違う！！」
「坊っちゃまにも良いお友達が出来ましたね。旦那様。」
「ああ。安心したよ。」
「良かったですね良かったですね。」
「あ、すみれさん！これで安心できるよ。」
「……え？……まじか……。」
ぬわっ……りくと！？やばい……隠れてろ！！
「……ん？りくと？どうかしたの？」
「どうかしましたか？」
げっ……
「はぁ！？お前らなんでいるんだよ！」
「ちょっとれん落ち着いて。だけどまじでなんでいるのかな……特にそこの2人。」
「……だな……。」
こうきはだな以外も言ってくれ……。
や、やばい！！こいつらがいるってことすっかり忘れてた……。いや、なんで忘れてたんだ俺。父さん、フォロー頼むっ！！
「あれ？言ってなかったのかい？今、この子達もうちに住んでるんだよ。」
うおぉぉぉぉい！！なんでっ……！！
「はぁぁぁ！？こいつらと、たいようが！？」
「ううっ、たいよう、どういう事だよ……！！」
「……説明たのむ……。」
やっとだな以外喋った……。っていやいやそれどころじゃねえ！！
「ん？どうかしたのかな？」
「あ！たいようくんのお父さん！あのですね、実は今クラスの男子はたいようくん派とりくとくん派で大きく分断されてましてね……」
「みか……」
「そうなのよね、だから、ちょっとまずいことになったかも。」
「あわわわ……。これは大変ですっ！！！」
「り、りくと……」
「ん……。」
俺が何とかしなきゃだな……。
「おまえらに隠してたわけじゃないんだけどさ。いや、訳あってみんなでうちに住んでるんだ。」
「おいおいまじで言ってんの？」
「聞いてないって！！！」
「……だな……。」
言ってないからな……。
「あ！そうだ！もし良かったら君たちもうちに住まないかい？」
『はぃぃぃぃ！？』
えええええええ！？
父さん、まじかよ……
いやまて、また何か考えがあるのかもしれない……。
「俺、確かに家出したいとは思ってたけど！こいつらと一緒は……！！」
「……無理……。」
「吉沢さん！！本気で言ってるんですか！！？吉沢さんが言うと本気にも冗談にも聞こえる……。」
うんうん。それはほんとにそう。
「もちろん、本気だよ。実はね。君たちの保護者の方に、もう既に了承は貰っているんだ。」
「えっ……」
「さすが用意周到だな……」
「ちょっりくと……」
「はいはいはーい！！部屋は！！こいつらと！！別ですか！！」
「もちろん。別で用意しよう。」
「なら！俺！ここに住みます！！」
「れん！？まじで言ってんの！？」
「……まじか……。」
「じゃあ俺も。そんな環境変わんないし、こいつがそうするなら。そうしようかな。」
「……俺は……。」
「こうきはどうすんの？俺らと住んじゃう？」
「……まだ、あの人の元で学びたいこともあるけど……。あの人がいいって言ったならここでも何か学べることがあるかもしれない……。」
「じゃあ俺ら全員ここでお世話になるってことで！よろしくお願いします！」
……やっぱり父さん何か企んでるのか……。
こうして、この3人も今日から一緒に暮らすことになったのでした。
