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青春学校  作者: むにょこ
小学校編

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小学校編 2時間目 ―三大問題児―

〈桃視点〉

新しい教室へ向かう途中、私はふと、あることに気がついた。

(……あれ?)

そういえば、さっきのクラス発表。

紗奈、美香、愛理の3人と同じクラスになれたことが嬉しすぎて、ほかに誰がいるのか、全然確認していなかった。

(どんな人たちがいるんだろう……)

できれば、優しい人ばかりだといいな。

そんなことを考えていたときだった。

「あっ! そういえばさ!」

美香が何かを思い出したように声を上げた。

「私たちのクラスに、帝耀くんと莉玖翔くんと燈李くんがいるの!」

「えっ?」

聞き覚えのある名前に、私は思わず顔を上げた。

(帝耀……?)

吉沢帝耀さん。

確か、吉沢財閥の兄弟のうち、弟の方だったはず。

世間では、兄よりも弟の方が優秀で、将来は帝耀さんが財閥を継ぐのではないかと噂されている。

私もこれまでに何度かお会いしたことがあった。

けれど、同じ学校に通っているとはいえ、普段から親しく話すような間柄ではない。

(帝耀さんも、同じクラスなんだ……)

少し驚いていると、愛理が頷いた。

「そうそう。私もびっくりしたわ」

「へー! そうなの!」

……ん?

「これは闘争が起こりそうね……」

(……闘争?)

ちょっと待って。

どうして、同じクラスになっただけで闘争が起こるの?

というか、そもそも――。

(莉玖翔さんと燈李さんって、誰……?)

帝耀さんの名前は知っている。

でも、ほかの二人については、まったく心当たりがない。

私が一人で首をかしげていると、美香がこちらをじーっと見つめてきた。

「……桃ちゃん」

「な、なに?」

「その顔は……さては分かってないなー!」

「み、美香!」

バレた。

しかも、一瞬で。

「しょうがないなぁ! この美香ちゃんが説明してあげよう!」

(助かります……!)

私は心の中で手を合わせた。

美香は得意げに胸を張ると、まるで重大発表でもするかのように口を開いた。

「さっき名前を出した3人はですね……」

「う、うん」

「なんと! うちの学校の三大問題児なのであります!!」

「なんですってー!?」

思わず大きな声が出てしまった。

(さ、三大問題児!?)

そういえば、そんな噂を聞いたことがあるような、ないような……。

でも、私はもともと問題児と呼ばれるような人たちにはあまり興味がない。

できることなら、面倒なことには巻き込まれず、平和に学校生活を送りたい。

だから、噂を聞いていたとしても、きっとすぐに忘れてしまったのだろう。

「ちなみにね!」

美香の説明はまだ続くらしい。

「莉玖翔くんと燈李くんは、すっごく仲良しなんだけど……」

「ふむふむ」

「莉玖翔くんと帝耀くんが、もうバッチバチで!」

「バッチバチ……?」

「そう! しょっちゅう喧嘩するから、問題児って呼ばれてるわけ!」

「な、なるほど……!」

ようやく話が見えてきた。

つまり、仲良しの二人と、そのうちの一人と仲が悪い帝耀さん。

その3人が、今年は同じクラスになってしまったということらしい。

(それは確かに……大変そう)

「……ぜっったい、巻き込まれたくない……」

隣で紗奈が、心の底から嫌そうな声を出した。

思わず笑ってしまう。

(ふふっ。紗奈らしいなぁ)

誰にでも優しくて、いつも周りを気遣っている紗奈。

だからこそ、喧嘩や揉め事には関わりたくないのだろう。

「紗奈ちゃん、絶対そう言うと思ったー!」

美香が楽しそうに笑う。

そして、何かを思い出したように私の方を向いた。

「あっ、そうだ! 桃ちゃん!」

「ん?」

「ちなみに莉玖翔くんってね、紗奈ちゃんと同じくらい、めちゃくちゃモテるんだよ!」

「えっ、そうなの?」

思わず紗奈の顔を見た。

紗奈は昔から、男女問わず人気がある。

優しくて、綺麗で、誰に対しても分け隔てなく接するから、みんなから好かれているのだ。

そんな紗奈と同じくらいモテるなんて……。

(莉玖翔さんって、すごい人なんだなぁ)

きっと、相当なイケメンなのだろう。

「はいはい。私のことはいいから」

紗奈が少し困ったように言った。

「まあまあ。事実なんだから」

愛理まで、さらりとそう返す。

「愛理まで……」

紗奈が小さくため息をついた。

そんなやり取りがおかしくて、私たちは顔を見合わせて笑った。

***

それにしても、三大問題児かぁ……。

(同じクラスになっちゃったけど、大丈夫かな……)

少しだけ不安になったものの、私はすぐに考えるのをやめた。

だって、別に私がその3人と関わるとは限らない。

帝耀さんとは何度かお会いしたことがあるけれど、莉玖翔さんと燈李さんに至っては、顔すら知らないのだから。

(まあ、どうせ男の人と関わることなんてないだろうし……)

きっと、私には関係のない話だ。

そう思っていた。

――このときは、まだ。

〈2時間目・終〉

〈向井桃〉

アニメやアイドルが好きで、とにかくオタク気質。特に女児向けアニメが好き。家は医者一族で向井病院という大病院で家族が代々働いている。現在の病院長は祖父。もふもふしたものが大好き。極度のファザコン&ブラコン&シスコンで、兄がよくもふもふの服を着ていたため、もふもふが好きになったと噂されている。とてつもないピアノの才能があり、コンクールなどの賞を総ナメしている。

実はほとんどの楽器を演奏できるという天才。

また、幼少期から医学書を読み漁り、俗に言う天才だが、本人は気づくことなく努力を惜しまない。そのため、こん詰めすぎてしまうことがある。潔癖症で動物アレルギー。

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