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青春学校  作者: むにょこ
小学校編
101/124

小学校編 101時間目

※みなと視点

走りたくないよ……。


「みなと、頑張ろうね!」

「……頑張ろう……。」

「るる、こうき!うん。前半組は俺ら3人だけ。頑張ろうね。」


まあでも、関係あるのは練習中だけで、本番になったら前半後半あんまり関係ないんだけどね。

あ、でも、走るのはタイム順だから、後半の方が迫力はあるけど……!

頑張ろうねとか言っちゃったけど……全然頑張れる気がしないよ……。


「……みなと、どうかしたか……?」

「え!?」


こ、こうき!?


「俺も思ってたよ。みなと、不安そうだけど大丈夫?あと、こうきがそういうの気にするの珍しいね。」


俺もそっちにびっくりしちゃった。

るるはたいよう側の人の中でもすっごく優しいし、威圧感が無い……!でも他の人はほんとに威圧感が凄いんだよね。多分、そんなつもりはないんだろうけど。

たいよう派の人の中で、るるは唯一怖くないって感じ。たいようもあんまり突っかかって来ないけど、でも何となく怖いんだよね……。距離感が近いというかなんというか……。それでいうとかいともいつも冷静でそんなに突っかかって来ないんだけど、たまに怖いんだよね。特に俺らに非がある時とか。

で、特に怖いのがはるととれんとたいしとけい……!!

何でも突っかかってくるから俺でも怖いもん……!

ゆうとあやとあすかなんてほんとに怖がって可哀想……。

そしてこうきは……。正直あんまり分からなくて、別に俺らに優しい訳じゃないし、それに練習の時も仲良くしたい訳じゃないって俺、はっきり言われちゃったし。

でも、その後みんなで頑張ろうってことになったあとは別に怖くなくて……怖いときもあったけど。

それでも、こんなに気にしてくれたことは無かったから……!

こうきってほんとはそんなに怖い人じゃないのかな……。

無口だからあんまり分からないだけで。


「……考え込んでしまった……。」

「緊張しちゃったのかな……?みなと、走るの1番最初だもんね。みなと、大丈夫?」


はっ!ええっと……


「あ、よかった。なにか考え込んでたみたいだけど……。やっぱり緊張してるよね。俺らもいるから大丈夫だよ!安心して!」


走りたくないとか緊張とかすっかり忘れてた……。

全然違うこと考えてたよ……!

思い出したら急にお腹が……。


「は、走りたくない……。」

「み、みなと!?」

「……大丈夫か……?」

「ううっ……。大丈夫……。」

「さっきも言ったけど、すぐ後に俺らも走るからさ。大丈夫だよ。……もう集合だって!ほら!」

「……案ずるな……。」

「う、うん……!」


ち、近くなってきたら緊張が一気に……!!

どうしよう……!!


「それでは第1グループの方。並んでください。」


は、はひっ!


「みなと!ゴールでまた会おう!」

「……ああ……。……待っていてくれ……。」

「う、うん!」


2人とも……!なんか頑張れそうな気がしてきた……!


「それでは第1グループ。位置について、よーいどん!」


何も考えない。ただ走るだけ……!


……やったー!!3位!?

いつもいちばん遅いグループでビリなのに……!

こんなの初めて!嬉しい!!



―――――――――――――――――――――――――――



「こうきがあんなに俺ら以外の人に話すなんて珍しいね。それに元気づけてたし、心配まで。もしかして、少しは仲良くなれたんじゃない!」

「……るるに言われたからやっただけ……。……それだけだ……。」

「こうき、顔赤いよ?あ、もしかして照れてる?」

「……違う……。」



―――――――――――――――――――――――――――



「……みなと……。」

「あ、こうき!!1位おめでとう!俺、3位だって!いつもビリなのに!」

「……。」


あっ……俺、嬉しくってこうきにまでこんなに話しちゃった……。どうしよう……。


「……おめでとう……。」


へっ!?


「……頑張ったな……。」


こ、こうき……!!


「2人とも!」

「あ、るる!」

「絶対俺が走ってるとこ見てなかったよね……」

「ええ!?あっ……ごめん……」

「……何位……?」

「1位だった!みなともこうきも走るとこ、ちゃんと見てたよ。お疲れ様。」


えへへへ。

こうやって、るるやこうきと話してるとたいよう派の人達とも仲良くできるんじゃないかなって思う。

そんな日が来るといいな。


「俺が走り終わったということは。」

「……後半戦だな……。」


いよいよ、みんなが走る……!!

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