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武器と吸血鬼の弱点

「武器って扱いやすさで選びがちだけど対吸血鬼は違う」


蝙蝠で様々な武器を現しながらアヤさんはそう僕に言い聞かせる


「そうなんですか?」

「うん 私達相手の武器は使い捨てになっちゃうからねー」

「?」


僕は理解できなかった。

武器が使い捨て?

どんな安物の武器であっても普通は10回は使えるのに


「まぁ現物で説明するよ  ここよここ」


案内されたのは民家のような店

言われてみれば小さく武器屋イージスと書いてある。

まるで商売する気がないとすら感じてしまう佇まい


「あまり流行ってなさそうですけど……」


おべっかを言ってもなんともならないので正直な感想をのべるアレックス


「まぁ、やってるやつが偏屈なやつだからね」


アヤはそう言いながら扉を開けて入ろうとした瞬間ナイフが飛んでくるアヤはそれを受け止め投げ返す

僕は聞かれていたのかと肝を冷やす


「誰が偏屈って?」


どうやら自分に怒っているわけではないと感じ一安心したアレックスは声の主を見る

その声の主は小さくか弱い少女のようにみてとれる。

だがアヤさんの例もあるからなぁと用心するアレックス


「お客に随分な挨拶じゃないライフ」

「一度もうちで武器買った事ないヤツはお客じゃない」

「あら?いつも貴方作った武器と戦ってるんだから常連みたいなもんじゃない」

「それもそう?」


絶対違うと思う。


「そうよそう 細かいこと言ってると身長伸びないわよ」


アヤさんも言えないよなぁと思う。

アヤさんの方が小さいし


「心外 あなたと違って身長伸びてる」

「ほんと!?」

「10㎜」

「それぐらい誤差なんじゃ……」



「まじ!?どうやったの!?」

「毎日新鮮な牛乳と小魚」

「やっぱり小魚かぁー 私小魚チップスとかすぐ飽きちゃうのよねー」

「小魚チップス??」

「知らないの?伝説のお菓子よ」

「伝説って?」

「あぁ!伝説上のお菓子さ!」

「伝説といえば最近出たプーの伝説って作品読んだ?あれは名作 ティガーファンなら読むべき」

「知らないわー プーさんでしょ?私ピグレット派なのよねー」

「意外 ズオーファンかと思ってた」

「私をなんだと思ってるのよ ピグレットは可愛さといざというときの勇気がー」


二人は世間話を始める

そんな会話がしばらく続いて


「それで黒城がー」

「まじ?惚れる」

「でしょ?でしょ? あれ私何しにきたんだっけ?」

「武器ですよ アヤさん……」


「そうだった!!こんな話より武器よ武器」

「そっちが振ったのに それでお求めは?」


ライフさんの目が変わる


「銀製のナイフ2ケースと小型銃2つと後特注弾を100ぐらいで足りるかしら」

「これまたすごい注文 自殺でもする気になった?」

「違うわよ それで何日で作れる?」

「嘗めないで欲しい 半日あれば作れる 特注は弾丸だけだし」

「よかったわ 早く片付けないとめんどうだしね」

「何と殺る気?」

「あんたそういうの気にするたちだっけ?

武器だけ作れたらいいみたいな性格じゃなかった?」

「心外 私はラブアンドピースの精神の持ち主」


そんな精神の人が武器とか作るかなぁ


「嘘つけ おまえトリガー&ピースだったでしょ」


「嘘じゃない 私の銃にはラブがつまってる」


「銀製で殺しにくるやつのどこにラブがあるのよラブが」


「そういえばなんで銀製なんですか?普通ならオリハルコンとか鋼鉄とか色々ありますよね?」


「だれ?」


「忘れられてた!?こんな服装なのに!?」


「そういえばボロボロ」


「あんたねぇ 客をもっと気にしなさいよ だから流行らないのよ」


「武器屋なんて流行るべきじゃない……」


「それは武器は無ければいい的な?」


「いや? 労働と結果に割り合わないからブラック 速く無くなればいい」


「そうおもうならとっとと辞めなさいよ 

今なら専属メイドとして雇ってあげるわよ」


「完成した銃のトリガーを引くときの快感で辞められない それにあなたのメイドになるくらいなら変態の貴族に使えた方がまし」


(あぁ、この人も変人なんだなぁ)


「そんな目で見ないで 興奮する 嘘もっと見て」


「ガキにアブノーマルなプレイしてるんじゃないよ それでなんで銀製品かって話だっけ」


(無理矢理軌道修正したーー)


「は、はいそうです」


「なら射ってみるといい」


そういってライフさんは銃を渡してくる


「え?」

「そうね それ中身銀の弾丸じゃないわよね?」

「安心して久々の客だから殺さない……多分」

「今小声で多分って言った!! 少年確認して!!」

「は、はい」


弾丸のシリンダーを確認する

そこにはニコちゃんマークが刻印された弾丸

それ以外は普通に見える


「ジョーク ジョーク ガンスミスジョーク」

「あんたのジョークは信用できないのよ……」


「見た感じは普通の弾丸です……ニコちゃんマークを除けば……」


「ならOK 銀の弾丸は外も銀

ちなみにそのニコちゃんマークはラブ要素」


「はぁ……こいつと付き合うの疲れるわ とっとと射って」


「ほ、本当に良いんですか?」


「うん 速く終わらせてこいつとはオサラバしたいわ」


「じゃあ行きます」


そういって僕は弾丸を放つ


「甘い これぐらい射たなきゃ 」


そういってライフさんは乱射する

周りのガラスが割れるほどの連射普通なら無事じゃない


「ちょ!!」


僕は煙を放っているアヤさんがいた方向を見る


「あんたねぇ 効かないからって乱射するんじゃないわよ! 衝撃はあるんだからね!」


煙がはれたそこには無傷のアヤさんがたっていた流石吸血鬼といえばいいのか僕はわからなかった


「ハァハァ 快 感」

「エクスタシー感じてるんじゃないわよ!!」


弾丸を射ち尽くしてもなお引き金を引くライフさんにアヤさんは蹴りを喰らわす



「き、傷ひとつない」


「私達吸血鬼は触れた物を吸収する性質を併せ持つの だから普通の弾丸なら触れた瞬間吸収してその爆薬や弾を栄養としてすぐに回復する」


「ハァハァ……でも銀の弾丸は吸血鬼には分解できない だからどうにかして取り除かないと銀の毒素が吸血鬼の身体を蝕み 数分で死に至る だから別名死の弾丸  かっこいい」


「そう呼んでるのはあんただけよ 取り除いても吸血鬼は触れた物質を吸収する都合上全ては取り除けない 少しはとけて身体に入ってしまう だから私達に吸血鬼にとって弱点 だから吸血鬼の死吸血鬼の死(ヴァンパイア・デス)って呼ばれてる」


「死の弾丸の方がかっこいい といってもそれだけで殺せるほど今の吸血鬼は甘くない

すぐに取り除くのと血さえあれば回復してしまう それで完璧にではないけどある程度戦える」


「それをさせないためのナイフよ」


「どういう?」


「吸血鬼は完璧な生物に見えてもそうじゃない

血を吸うなどの吸収行動中に銀を喰らうとそれすらも吸収してしまいもう外科的行動では取り除けない気管に行ってしまう」


ライフさんの説明に合わせて蝙蝠で内蔵を表現するアヤさん

その内蔵がどんどん偏食していく様子を見せてくれた 

それグロいし少年に見せる光景じゃないだろと思ったが言わないでおいた


「だから吸血鬼はむやみやたらに吸収行動をしない」


「なるほど……」


「これでわかったわね とっととここから出るわよ」


アヤさんはとっととイージスを後にしようとしたが……


「残念」

「もう夜明けです……」


そこには登り行く太陽が……アヤさんの足を焦がす


「ファック!!だからこいつ世間話を!!」

「これで今日は一緒♡」


そういいながら腕に抱きつくライフさん

速く村に戻りたかったけど職人のライフさんがへそを曲げたら武器は買えないだろうし……仕方ないか


「いいじゃないですか 日が沈むまでですよ」

「よくないわ!ちっともよくない!!こいつといると色んな兵器の実験台に」

「失敬 二つ三つ試すだけ」


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