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近すぎる距離感と眠気

8月2日

 姉ちゃん「..てくれ.きてくれ、起きてくれヨシキ!」と俺の体を揺すりながら呼びかけていた。俺は布団からゆっくり体を起こした。

 ヨシキ「...どうしたの」

 姉ちゃん「明日やるって考えたら寝れなくなった.....一緒に寝てくれ」

 スマホを手に取り時間を見ると午前2時である。小さい頃からなのだが怖いものを見た後や肝試しをする前の日など、俺と一緒に寝てくれと頼んでいた。しかし、高校生にまでなってこう言われるとは思わなかった。俺は「好きにしてくれ...俺は寝るよ」と言って布団に横になった。すると姉ちゃんは「ありがとう」と言って俺を抱き枕のようにギュッと抱きしめた。

.....あつい、エアコンも節電のため夜は消しているのでなおさらあつい。そして、今日は特に暑い、体感で20分くらいは我慢していたが流石に暑すぎたので姉ちゃんに声をかけようとしたが、少し腕の力が弱まるのを感じ、寝息も聞こえてきてきた。姉ちゃんの手を少し叩いたが全く起きる様子がなかった。せめてエアコンだけでもつけようとリモコンを探したが手の届かないところにあり、少し離れようとすると姉ちゃんが無意識に腕の力が強くなり抜け出せない。諦めて大人しく寝ることにした。

ーそれから6時間後ー

 姉ちゃん「ん...ふわぁー、おはよぅヨシキ...ありがとぅね」と言ながら俺の部屋を出た。

 全身汗だくである。特に背中側が。結局姉ちゃんがきてからあまり寝れずとても眠い状態だ。しかし、マエダさんとの待ち合わせの時間が8時半なので布団を畳み急いでシャワーを浴びた。シャワーから出て服に着替えて財布とスマホだけ持ち、待ち合わせの駅に向かった。

 ウトウトしながら駅の改札前で待っていると後ろから肩を叩かれた。振り向くと白いワンピースを着たマエダさんがいた。

 マエダ「おはよヨシキくん」

 ヨシキ「おはようございます...」

 マエダ「なんか眠そうだけど大丈夫?」

 ヨシキ「色々ありまして...」

 マエダ「ヨシキくんって眠いと敬語になるんだね」と言い少しクスクスと笑った。

 ヨシキ「それじゃ行きましょうか」

 マエダ「うん」そう言い2人で家に向かった。

歩きながら何度あくびをしてるとマエダさんが話しかけてきた。

 マエダ「相当眠そうだね、夜何してたの?」

 ヨシキ「めちゃくちゃ暑くて寝付けなかったんです。朝起きたら汗だくでね」

流石に姉ちゃんに抱きつかれて寝れなかったとは恥ずかしすぎて言えなかった。姉ちゃんの名誉に関わる。

 マエダ「あー昨日の夜暑かったしねー。私もいつもは節電でエアコン消してから寝てたけど流石に暑すぎてつけたまま寝たし」

 ヨシキ「まあ、多分ゲームやってたら起きると思います」そう言うとマエダさんは「無理しないで寝たい時は言ってね」と笑顔で話してくれた。そんな話をしてると家に着いた。

 ヨシキ「ここです、ただいまー」

 マエダ「お邪魔します」

そう言うと姉ちゃんが走って玄関にきた。

 姉ちゃん「いらっしゃいマエダちゃん急でごめんね」

 マエダ「大丈夫です。私もすぐ行動する派なので」

 姉ちゃん「じゃあ早速私の部屋にいこーう」と元気よく言うとマエダさんもそれに便乗して「おー!」と元気よく返事した。あくびをしながら2人は気が合うのかもしれないと思った。

 姉ちゃんの部屋に入ると、テレビの前の机に封印と描かれた札の貼られた[静かな丘4]のカセットがど真ん中に置いてあった。俺はそのゲームカセットを手に取り姉ちゃんに話しかけた。

 ヨシキ「姉ちゃんこの札は?」

 姉ちゃん「怖いからお札貼っておいたの」そう真面目な顔で言われた。

 マエダさんの方を向くと笑いそうな顔をしていた。俺は黙ってその札を剥がし、ゲーム機の中にカセットを入れた。

 姉ちゃん「よく剥がせるなヨシキ...」

 ヨシキ「普通カセット本体には貼らないでしょ、せめてカセットケースに貼ろうよ」

俺がそう言うと「...とりあえずやろっか」とマエダさんは笑いを堪えながら言った。

 ヨシキ「どうゆう風にやろっか」

 マエダ「ゲームオーバー交代にしようか、カホさんもそれでいいですか?」とマエダさんが聞くと姉ちゃんは静かに頷いた。どうやら怖くなってきたらしい

 ヨシキ「じゃあ最初は姉ちゃんからいこう」

姉ちゃんは「やってやる!」と言ってコントローラーを持ってゲームをスタートさせた。

 姉ちゃん「私は大丈夫...私は大丈夫」そう言いながらゆっくり進めた。

 マエダ「今回のグラフィック良くて怖さ増してるね」

 ヨシキ「そうだね、姉ちゃん前は1人でどこまで行ったの?」

 姉ちゃん「初めて家入るところまで...」

そう言い、プレイし始めて数分で家の中に入った。

 姉ちゃん「この前はここで怖くなってやめたけど今回は2人がいるから大丈夫そう...うん、大丈夫...大丈夫...」と言ながら家の探索を始めた。

 ヨシキ「姉ちゃん、近くにアイテムあるよ」

 姉ちゃん「ほ..ほんとだ、とったらでてくる?」

 マエダ「私もやったことないんでわからないですけど、序盤から脅かしてはこないと思います」

姉ちゃん「マエダちゃんを信じる...」そう言いホラーゲームお決まりのライトを手に入れた。すると[ガシャン!]とガラスが割れる音がした。すると姉ちゃんは「きゅぅ?!」とかわいい声で驚いた。俺は「大丈夫」と言いながら姉ちゃんを見ると縮こまって体育座りになり少し涙ぐんだ顔になっていた。続けて「見るだけにする?」と聞くと姉ちゃんは小さく頷きながらコントローラーを机に置いた。怯えてる姉ちゃんをみてマエダさんは「もし怖かったら言ってくださいね」と姉ちゃんの背中をさすりながら話した。姉ちゃんは「あ..ありがどう」と今にも泣きそうな声で話した。それからびっくりポイントがあると姉ちゃんは「きゅぅ?!」とかわいい声で驚きながらもしっかりと見ていた。

 3時間くらい経ち、ステージを3つほどクリアし、次のエリアの生肉場で初見殺しにあいゲームオーバーになったので俺はマエダさんにコントローラーを渡した。

 ヨシキ「でっかい肉ぎり包丁持った血だらけのハコ様出てくるなんて、あたまの鉄の箱が背景と同化しすぎてて気づかんかった」

 マエダ「ほんとだね、まさかあそこで人気のハコ様出てくるなんて。今作気合い入ってるね」

そう話し笑いながらゲームを進めた。マエダさんはホラーゲームに慣れているのかスイスイと進んで行っている。姉ちゃんはクッションを握りしめなが頑張って見ている。

 マエダさんがプレイし始めて30分くらいして、自分がプレイしていないので少し緊張の糸が切れて眠気が限界に近づいてきてしまった。

 マエダ「うーん...この謎解きどうやるんだ?」

 ヨシキ「うん...そうですね....」

 姉ちゃん「た..多分、これと、これを入れ替えればいいと思う...」

 マエダ「んー、あ!なるほどそう言うことか!ありがとうございます」

 姉ちゃん「私には謎解きくらいしかできないから...」

 マエダ「私全然気づけなかったのでめちゃくちゃ.....」


俺は眠気に負けて眠りについてしまった.....


目を覚ますとテレビの画面が真っ暗になっており、机の上にはクッキーとお茶が置いてあった。

 マエダ「確かにかわいいですね」

 姉ちゃん「だよねー」

俺は「...すまない寝てしまった」と小さな声で言うとマエダさんは「おはよう、カホさんが限界ぽかったからゲームは一旦中断したんだ」と笑顔で答えてくれた。続けて姉ちゃんが「で、ヨシキが起きるまでお菓子食べながら話し出たんだ」と先ほどとは違い元気な声で話した。

 ヨシキ「マエダさんきてもらってるのにごめんね」

 マエダ「大丈夫、カホさんとお話しできたし、楽しんでるから」

ヨシキ「ならよかった」

そう言いながら携帯を開くと17時になっていた.....どうやらだいぶ寝ていたらしい。

 マエダ「そしたらそろそろ帰ます、今日はありがとうございました」

 ヨシキ「こちらこそ、夜遅いし、送ってくよ」

マエダ「ありがとう」そう言ってマエダさんは帰る準備をした。

 マエダ「お邪魔しました」

姉ちゃん「よかったらまた、遊びにきてね」と笑顔で言うとマエダさんは「はい!またお話ししましょう」と笑顔で答え、家を後にした。


ー帰り道ー

 ヨシキ「今日は寝てしまってすみませんでした」

 マエダさん「大丈夫だよ、楽しかったし。また遊ぼうね」

俺が「そうだね」と返すとマエダさんは「敬語じゃないから眠気は冷めたみたいだね」と少しからかいなが言った。俺は笑顔で「うん、次の料理いつにしますか?」と返した。

 マエダ「明日から3日間家族で江田神社行くからその後になっちゃうかも」

 ヨシキ「そうなんだ、楽しんできてね」

そんな話をしていると駅前までついた。

 マエダ「うん、ここまででいいよ、家まで送ってもらうのは申し訳ないし」

 ヨシキ「夜道は危険だから気をつけてね、マエダさんかわいいから特に」そう言うとマエダさんは斜め下を見ながら少し言葉を詰まらせ「...うん、ありがとうじゃあまた」と言った。

ヨシキ「じゃあまた」そう言い、最寄り駅でマエダさんを見送った...(てか、今俺めちゃくちゃ恥ずかしいこと言ってなかったか...)そんなことを考えたら顔が熱くなってきた。


俺はまだ寝ぼけていたらしい...恥ずかしさを間際らすため走って家に帰った。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。休みが連続で続いたので連日で投稿しました。読んでいて面白いなと思っていただるとありがたいです。

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