少し変
7月31日
部屋にある鏡で変な格好じゃないかを確認してから家を出た。集合場所に着くとヨシキくんがすでに待っていた。
マエダ「おはようー」
そう言いヨシキくんに話しかけると「おはよう」と言いながらつけていたイヤホンをしまい返事をしてくれた。
ヨシキ「昨日はすいませんでした」
マエダ「大丈夫だよ、それじゃあ早速買い物にいこーう!」
ヨシキ「うん」
そう言い、ヨシキくんのよく行っているスーパーに向かった。
ヨシキ「ここはお肉も安いし、お菓子とかも安売りしてるからよく来るよ」
マエダ「へー、あ!お肉で思い出したんだけど、ヨシキくんの作ってくれたハンバーグと家で作ったハンバーグが別だったんだよね。なんていうか何か足りない感じ?」
ヨシキ「材料は何使ってるの?」
マエダ「覚えているのはお肉と玉ねぎ、塩とコショウに、パン粉?だった気がする」
ヨシキ「なら、ナツメグを入れるといいかもね」
マエダ「ナツメグ?」
そう言うとヨシキくんは「確かこっちに...」と言いスパイス売り場に向かった。
ヨシキ「これだね」
マエダ「スパイスなんだ」
ヨシキ「これを入れるだけで違うと思うよ」
マエダ「へー、美味しかったから今度教えてもらいたいかも」
そう話すとヨシキくんは「もちろんいいよ」と笑顔で答えてくれた。
そんな話をしていると後ろから「あれぇ、マエダちゃん〜?」と言われ後ろを振り向くと髪を茶髪に染めた、同じクラスのタケナカさんがいた。
マエダ「タケナカさん?」
タケナカ「そーそー、何してんの」
と軽く聞いてきた。それに対し「実はね」と言おうとすると「うわっ、なんでヨシキいんの」と嫌な顔をしながら話した。私はその言葉に苛立ったが「ヨシキくんに料理教わっててね、それで一緒に買い物してるの」と冷静に話した。
タケナカ「へー」
マエダ「タケナカさんは何してたの?」
タケナカ「暇だったからお菓子買いに来ただけー。ね、買い物終わったら遊ばない?」
そう言われたが「お肉とかも買うからやめとこうかな」と言い断った。私は彼女が苦手だ。なんというか一緒に話していて気を遣っているのか疲れるし、なぜかグイグイくる。正直に言い過ぎというか...とにかく苦手だ。するとタケナカさんは「買い物だけ?」とヨシキくんを睨みつけながら話した。
マエダ「そうだけど」
タケナカ「じゃあ後の買い物とか荷物はこいつに任せればいいんじゃね。ね、いいでしょ」と強めの口調で言いながらヨシキくんを指差した。それに対してヨシキくんは「それはできないですね」と真顔で答えた。
タケナカ「は?なんで?」
ヨシキ「どうゆうものがいいのかも含めて買い物しつつ教えてるので」
タケナカ「上から目線うざ。そんなんあとでもよくね」
ヨシキ「それを決めるのは貴方ではなくマエダさんですよ」
そう言われたタケナカさんは「はぁ?ムカつく」とヨシキくんを睨みながら話した。
マエダ「じゃあ、買い物済まして荷物運んだら連絡するよ!それでいいかな?」
タケナカ「まあ、マエダちゃんがそれでいいなら?」とそっぽ向きながら話した。
マエダ「うん、多分30分くらいで終わるから大丈夫だよ。」
と言うとタケナカさんは「わかった、連絡待ってるね」と言い、ヨシキくんを睨みつけて小さく舌打ちをしながら帰っていった。私は「じゃあ、また後でー」と手を振りながら話した。
タケナカさんが見えなくなったタイミングで「なんかごめんね」とヨシキくんに言った。
ヨシキ「いや、俺のほうこそごめん。とりあえず買い物終わらせましょうか」
マエダ「...うん」
本心はヨシキと話していたいが、タケナカさんを待たせると面倒な事になりそうなので早めに買い物を終わらせた。その間、お互いにあまり話さずに買い物を済ませ、私の家に荷物を運び、冷蔵庫に入れた。
マエダ「ありがとうヨシキくん」
ヨシキ「これくらいなら大丈夫だよ、料理は明日の11時くらいでいいのかな?」
マエダ「...うん」
ヨシキ「わかった、それじゃあまた明日」
そう言い帰ろうとしたので私は「待って!」とヨシキくんを呼び止めた。
マエダ「あの、私にとってはヨシキくんとの料理教室の方が大切だから!」
そう言うとヨシキくんは「ありがとう、あまり無理しないでね」と笑顔で言い玄関を出た。私はタケナカさんに連絡して、一度深呼吸してから家を出た。
さっき会ったスーパーに行くとタケナカさんがスマホをいじりながら待っていた。
マエダ「ごめんお待たせ!」
タケナカ「あたしも今来たところだから大丈夫ー」
マエダ「どこ行こうか」
そう言うと「まずMックで腹ごしらえっしょ」と言いながら歩き始めた。注文をしてから、2階のイートスペースに座った。
タケナカ「まじ助かったわ、暇すぎて死にそうだったしー」
マエダ「そうなんだ」
タケナカ「ミヨもキョウコも用事あるっぽくてまじ暇だったー。それにしてもなんであいつに料理教わってんの」
マエダ「ヨシキくんのこと?」
タケナカ「そーそー、だってあいつみんなにハブられてんじゃん」
マエダ「うーん...(それはヨシキくんが他の人と関わりたくないからじゃないかな)」
タケナカ「まじ、あいつと関わるのやめた方がいいよ。マエダちゃん変なことされるよ」
マエダ「そんなことないよ(私はタケナカさんとあまり関わりたくない)」
私がそう言うとタケナカさんは「はぁ...まじマエダちゃんは優しいね。私だったら耐えらんないわ」とため息混じりに言った。
マエダ「そんなことないよ」
タケナカ「あいつが変なことされたら私に言いな!まじでぶっ潰してやるから」
マエダ「お母さんもいるし、1人で教わってるわけじゃないから大丈夫だよ」
と言いながら無意識に髪の毛をいじった。
タケナカ「そ、ならいいんだけど。それよりさ...」
とその後も3時間近くも、根の葉のない噂話や悪口を一方的に聞いた。その話の中で何度もヨシキくんの悪口も言っており、その度に苛立ちを覚えたがなんとか堪えた。
タケナカ「やっば!こんなはなしてたんだ。まじ楽しかった。やっぱマエダちゃん聞き上手だわーめっちゃ話したもん」
とスマホをいじりながら言った。
マエダ「ありがとう(私は不快だったけど)」
タケナカ「まじでありがとね。めっちゃ暇つぶしになった、ミヨたちと連絡取れたからそっちに行くわ。じゃねー」
マエダ「うん、またねー」
と言い、手を振りつつも(夏の間はもう会いたくない)と思ってしまった。タケナカさんが完全に見えなくなってから机に突っ伏した。怒りを堪えていたのでどっと疲れが来た。少ししてから体を起こし帰る事にした。
私が歩いて帰っていると、後ろから「あのー」と女性の声で話しかけられた。振り返ると、ヨシキくんのお姉ちゃん、カホさんが立っていた。
カホ「あ、やっぱり。ごめんね急に話しかけてしまって」
マエダ「大丈夫です。どうかされましたか?」
カホ「私、ヨシキの姉なんだけど、2日前にうちに来てたよね?」
マエダ「あ!はい、行きました」
カホ「それでね、弟はあんまり友達作らないから、どんな子なのか気になって声かけたんだ。今時間だったかな?」
私はめちゃくちゃ積極的な人だなと思いながら「はい、大丈夫です」と答えた。
カホ「よかった。それで、うちの弟とはどんな関係なの?」
マエダ「料理を教えてもらってて、色々助かってます」
そう言うと、カホさんは「あ、ヨシキが言ってた料理教えてる友達か」と笑顔で話した。それから続けて「これからも仲良くしてくれると助かるよ」と言った。私は「もちろんです!」と元気に答えた。
カホ「ありがとう、急にごめんね。あ、名前聞いてなかった」
マエダ「マエダです」
カホ「私はカホです。それじゃあ気をつけて帰ってね」
マエダ「はい、カホさんもお気をつけて」
そう言いながら手を振った。
それから、ヨシキくんともっと話したかったなと思いながら家に帰った。
最後まで読んでいただきありがとうございます。夏も終わりかけですかこれからも物語を進めていこうと思います。




