小旅行2日、恋心は唐突
8月19日
目が覚め、スマホ時計を見ると6時になっていたので、布団から出た。隣のベットを見るとタケシがイビキをかきながら寝ていたので、ゆっくりとドアを開け部屋を出た。2階から1階のリビングに向かうと、コーヒーを飲んでいるトモとメガネをかけて本を読んでいるレナさんがいた。
ヨシキ「おはようございます」
トモ「おはよう」
レナ「おはようございます、何かお飲み物を用意いたしましょうか?」
そう言われたが「んー...大丈夫です、今から朝食の準備するのでそのついでに自分で入れます」と体を伸ばしながら返した。すると、レナさんは「そうですか、では料理の方拝見させていただいても良いでしょうか」と興味津々で台所に来た。そんなすごいものでもないのだが...俺は笑顔で「いいですよ」と言った。
ヨシキ「トモも今朝ごはん食べるか?」
トモ「うん、お願いしようかな」
ヨシキ「了解、レナさんはどうされます?」
レナ「はい、喜んでいただきます」
ヨシキ「わかりました」
そう言って、手を洗い、冷蔵庫から卵とマヨネーズ、カラシ、バターを取り出した。卵を割って、その中に塩をひとつまみ入れ混ぜ、その間にフライパンを温めておく。温まったらバターを全体に薄く塗り、混ぜた卵をフライパン全体に入れ、薄焼き卵を作る。あまり焼きすぎないようにして全体的に固まったらまな板にうつす。とりあえず卵は置いておき、マヨネーズを小さいガラス食器に入れ、そこにカラシを少し加えて混ぜればカラシマヨの完成だ。個人的にはからしが強めの方が好きだが、今回は抑えめにしておく。これで具材は完成、後はこのホットサンドメーカーで焼くのみである。昨日薄めに切っておいた食パンを取り出し、一番下に食パン、次に薄焼きの卵、カラシマヨのを少し多めに塗って、冷蔵庫からハムを取り出し一枚のっけて、最後に食パンを乗っける。この時に食パンからはみ出ないようにすると中からもれにくくなる、入れすぎは注意。最後に温めたホットサンドメーカーに少しだけ油を塗ってから挟んで黄金色になるまでやくだけでだ。上と下に均等に熱が入る電動式のためひっくり返す必要はないのがありがたい。ついでにこのホットサンドメーカーは2年前に誕生日に買ってもらったものである。
ヨシキ「トモ出来たぞ」
そう言うとトモは笑顔でホットサンドの乗ったお皿を机に持っていき食べ始めた。
トモ「いただきます...うん、美味しい」
ヨシキ「それはよかった」
レナ「少しカラシマヨネーズが多い気もしますが」
ヨシキ「野菜がないので水分が少なめになっているので多めの方が最後まで食べやすいんですよ、今出来上がったので食べてみてください」
レナ「わかりました、それではいただきます」
そう言ってレナさんは食べ始めた。一口食べて感想を言うかと思ったら、全部食べ終えてから喋り始めた。
レナ「美味しかったです」
ヨシキ「ありがとうございます」
レナ「確かに、少し多めの方が良いかもしれませんね」
そんな話をしていると、マエダさんが「おはようございます!」と元気よく挨拶をした。
ヨシキ「おはよう、朝から元気だね」
マエダ「うん、毎朝顔に水を浴びてスッキリしてるからね!後は7時間しっかり寝たから」と笑顔で答えているが、寝癖は治していないらしい。
ヨシキ「右ら辺に寝癖まだついてるみたいだよ」
マエダ「うそ!ちょっと直してくる!」
ヨシキ「その間に朝食作っておくよ」
そう言うとマエダさんは「私も一緒に作りたいからダメー」と言いながらお風呂場に向かった。そんな様子を見てその場にいた3人ともクスリと笑った。
トモ「マエダちゃんは朝から元気だね」
ヨシキ「ね、なんか癒される」
レナ「わかります、ほっこりさせられますね」
トモ「うん、それにだいぶ料理にハマってるんだね」
ヨシキ「そうみたい」
そんな話をしているとマエダさんが「お待たせー!早速料理始めようー!」と言いながら小走りで台所にきた。
ヨシキ「よし、始めようか」
そう言って先ほど作ったように一度やり方を見せてからマエダさんにやってもらった。
マエダ「...そろそろかな」
そう言ってホットサンドメーカーを開けると少し焦げてはいるが完成した。
ヨシキ「うん、どんどん上手くなってるね。昨日も切るの早くなってたし」
マエダ「ありがとう。実は少しだけ1人の時に練習してたからね」
ヨシキ「それじゃあ、暑いうちに食べちゃおうか」
マエダ「うん」
そう言って2人で食べ始めた。食べ終わってからはマエダさんとトモの3人でゲームの話をした。10時になるとユリとサエがリビングに降りてきた。タケシはマエダさんと俺が2人の朝食を作っている間にトモが起こしに行ってくれた。11時ごろに全員朝食を食べ終え、これからの予定を話し合った。
ユリ「みんな集まったから明日からの予定どうするか決めましょうか。」
サエ「バーベキューは明日か明後日かなぁ」
ヨシキ「だね、明日にするなら今日から下準備しないとね」
トモ「そうなると4日目は片付けとかあるだろうし3日目に花火かな」
マエダ「だねー、それ以外は基本的には自由行動の方がいいかもね、みんな行きたいところ違うだろうし」
タケシ「それなら俺は早速海に行ってくる!」
そう言ってすぐに部屋に着替えに行った。それに釣られてサエも「わたしもー!」と言って着替えに行った。
ユリ「2人は行ってしまったけど決定でいいのかしら?」
ヨシキ「いいんじゃないかな、それじゃ俺は早速準備するよ」
ユリ「ええお願いするわ、私はトモと一緒に3日目の花火を買ってくるわ」
そう言ってトモとユリは買い出しという名のデートをしに向かった。
マエダ「前にもこんなことあったねー」
ヨシキ「だね」と2人とも笑いながら台所に向かった。すると、レナさんが「どうらや私はお邪魔なようで」と言ってどこかへ行こうとした。
俺が「流石に量が多いので手伝ってもらえるとありがたいのですが」と呼び止めると少し視線を自分からずらしてから「わかりました」と言ってエプロンをつけた。何故視線をずらしたのか気になったが...それよりも[明日から頑張る...たぶん]と書いてあるシャツの方が気になった。ああいう服好きなのだろうか、後で聞いてみよう。そんなことを考えながら下準備を始めた。味付けなどは基本明日にすればいいので、大量の野菜や肉を切っていった。マエダさんに切り方や野菜の保存方法などを伝えながら作業していると気づいたら空が暗くなり始めており、出かけていた4人は帰ってきていた。肉などを冷蔵庫に入れていると、サエに遠くから手招きされているのに気づいた。俺は「ちょっと休憩しようか」とマエダさんとレナさんにいってからサエの方に向かった。
ヨシキ「どうした?」
サエ「ここではちょっと...こっち」
そう言って手を引かれ別荘を出て少し歩いて人気のないところに向かった。
サエ「ここなら大丈夫か.....」
ヨシキ「そんなにあいつらに言いにくいことなのか」と言うと「...うん」と少し恥ずかしいがりながら話した。
サエ「...ビビッときちゃった」
ヨシキ「?何に...」
すると、急に早口で喋り始めた。
サエ「タケシにビビッときちまったんだよ!自分でもわからない!私がしつこくナンパされてた時に前に入って(嫌がってるんでやめてもらえます)ってめちゃくちゃ怒った顔で言ってその後に笑顔で大丈夫って聞かれてその時に私ビビッときて!でもタケシはライバルで友達でそんな目で見たことなくてでもあの瞬間は確かにビビッときて!あーもう!何が何だかわかんない!」
大分混乱してるようだ。急すぎて俺まで混乱しそうになった。とりあえず自分自身も落ち着くため「一回深呼吸しようか」と言った。
ヨシキ・サエ「スーッハァーー、スーッハァー」
サエ「ってヨシキも深呼吸するのか」
ヨシキ「うん、釣られて混乱したからな」
サエ「あははっ何それー」
お互い落ちついたみたいだ。近くにベンチがあったのでお互いにそこに座った。
ヨシキ「えーっと要するにタケシに恋をしたと」
サエ「うん...でも向こうは私の事は多分友達だと思ってるし」
確かに、そうなると変に勇気づけてしまうと関係が壊れる可能性もある。それはだけは避けたい。
ヨシキ「とりあえず今は自分の気持ちを整理してからだな。焦って何かやるのは危険だし」
サエ「そうだね、1回整理してみる」
そう言って5分ほど黙り込んだ。今すぐに考えるわけではないのだが...サエは眉間に皺を寄せながら色々と考えていたが結局「わかんないやー」と言って空を見上げた。
ヨシキ「まぁ、すぐには無理だし落ち着いて少しずつ整理するといいよ」
サエ「うんそうするよ。でも、この思いは本物だ、私はタケシが好き」と立ち上り、いつものテンションが高く、明るい印象とは違い、凛々しい姿で「ヨシキも応援よろしくね」と笑顔で話した。俺はそれに対して「うん、応援してるよ」と笑顔で返した。その後は別荘に戻りみんなで担々麺を食べて明日に備えて寝ることにした。
ユリの時にも感じたが、恋は人を本気にさせる力があるらしい。改めてそれを感じ、できる限り相談には乗ってあげよう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。ペースが落ちつつありますが根気よく頑張っていきたいと思っております。




