7月20日から夏休み
7月20日から7月25日の夏休みの出来事。
ー7月20日ー
長ったらしい校長の話も終わり、クラスでまとまって教室に戻った。
先生「明日から夏休みだけど宿題は計画的にやるんだよ。んじゃ夏休み楽しいんでね」
クラス全員「はーい」
俺はすぐにカバンを持って教室を出た。するとタケシが「おーい待てよー」と言い、追いかけてきた。
ヨシキ「何だよタケシ。俺は急いでんだよ」
タケシ「一緒に帰ろーぜ。どうせ暇だろー」
ヨシキ「あのなー、今日は暇じゃねえんだよ。さっさと宿題終わらせて遊びたいから」
俺がそう言うとタケシは「え!もう宿題すんのかよ」と驚いた顔で話した。「そうだよ、じゃあな」と返し、走って学校を後にした。
汗だくのまま家に着き「ただいまー」と言うと、[やるぞ!!]と赤字で書かれた白いはちまきを巻いた姉ちゃんが俺の前に来た。
姉ちゃん「お!えらいなー寄り道せずに帰ってきたか!早速宿題終わらせるぞ!」と元気な声で話しかけてきた。俺は制服襟を持ってパタパタと仰ぎながら「シャワーくらい浴びさせろ...」と答え、風呂場に向かった。
シャワーを終えて、姉ちゃんと宿題を始めた。
ヨシキ「なあ、この公式わかるか姉ちゃん」
姉ちゃん「おお、ここはなぁ、こことここをxにしたらわかりやすいぞ」
ヨシキ「...お!ほんとだ。サンキュー」
姉ちゃん「私からも質問いいか」
ヨシキ「なに?」
姉ちゃん「この英語の文法わかるか?私には全く理解できん」
ヨシキ「姉ちゃんはほんと英語苦手だな。うーん....多分ここを過去形にすればいいんだとおもうよ」
姉ちゃん「おお、さすが自慢の弟だありがとうな」
ヨシキ「こちらこそ」
俺と姉ちゃんはお互いに質問し合いながら宿題を着々とすすめていった。
4時間くらい経ったころ、母さんが帰ってきた。
母さん「あら、貴方たち帰ってたのね」
姉ちゃん「あ、母さんおかえり、ちょうど今ヨシキのおかげで英語の宿題終わったところ」
ヨシキ「俺は数学終わったよ」
母さん「そうなの。今からそうめんするからちょっと待っててね」
そう言って母さんは台所に向かった。俺と姉ちゃんは「はーい」と返事して勉強を続けた。
少しするとちゃぶ台に山盛りのそうめんと刻みネギ、しょうがとわさびのチューブが置かれた。
姉ちゃん「一旦中断しよっか」
そう言ってちゃぶ台の下の畳に宿題と筆箱を置き、食器と箸を台所に取り行った。
そして、3人で「いただきます」と手を合わせて食べ始めた。
ヨシキ「そういえば父さんはまだ帰って来ないか?」
母さんは「ほろほろかへってくるはよ」とそうめんを頬張りながら話した。
ヨシキ「そっか」
姉ちゃん「ヨシキ、前から思ってたけどしょうが入れすぎじゃない」
ヨシキ「これがうまいんだよ。姉ちゃんもたまにはしょうがにしてみたら」
母さん「お姉ちゃんは私と同じでわさび派だから
いれないよねー」
姉ちゃん「わさびが断然うまいからやだ」
ヨシキ「いや、そうめんわさびとかそばじゃないんだからさぁ」
姉ちゃん「そう言うヨシキはそばでもしょうがでしょ」
ヨシキ「まあな、しょうがが一番うまいんだよ」
俺がそう言うと母さんは「ヨシキはお父さんと味覚が一緒ね」と笑顔で話した。姉ちゃんは「確かにそうだよねー」と言いながら頷いた。
ヨシキ「そう言う母さんも姉ちゃんと好きなもん一緒だよな」
母さん「そう言えばそうね」
そんな話をしていると父さんが「ただいま」と言いふすまを開けた。
父さん「今日はそうめんか、暑かったからありがたいなぁ」そう言いながらネクタイを緩めた。
母さん「おかえり、今日は早かったわね」
父さん「ああ、やることが少なくてな、早く上がれたよ、んじゃ風呂いってくるわ」その言葉に姉ちゃんはクスクスと笑い「帰ってきてすぐ風呂行きたがるのも似てる気がする」と言った。
父さん「何がだ?」
ヨシキ「父さんと俺の味覚が似てるって話してたんよ」
俺がそう言うと父さんは笑いながら「確かに似てるなー」と言いながら風呂場に向かってった。
夜ご飯を食べ終え、また姉ちゃんと宿題を始めた。
その横で、母さんと父さんがご飯を食べながらはなしていた。
父さん「にしても俺と母さんは夏休みの宿題最終日によくやってたなぁ。そういうところは似てないんだよなー」
母さん「確かに、私たちとは正反対よねー」
父さん「懐かしいなー、2人で血眼になってやってたもんなぁ」
母さん「次の日の学校で2人とも居眠りして先生に叱られたわねー。あの先生元気かしら」
父さん「元気だろ、あの先生誰よりも元気だったし」
2人は仲良く昔話に花を咲かせていた。俺は(そういう失敗話を聞いてるから宿題早めにやってるんだよね)と思いながら英語の宿題を進めた。
それから21時まで姉ちゃんと宿題をし、父さんと母さんに「おやすみ」と言って。自分の部屋に布団を敷き寝た。
ー7月21日ー
ジメジメとした中、目を覚ました。スマホを見ると時間は朝の7時だった。タケシから5件くらいBAINにメッセージが来ていたがそれを無視して居間に向かった。「おはよう」と言うと、母さんが「おはよう」と返してくれた。
ヨシキ「姉ちゃんは?」
母さん「まだ寝てるわよ、先にご飯食べたら?」
ヨシキ「そうするわ」そう言って昨日の残りのそうめんを食べ始めた。食べ終えた頃に姉ちゃんが「おはよう!」と大きな声で挨拶をした。
俺は「姉ちゃんおはよう、先に宿題やってるね」そう言うと姉ちゃんは「おう!」と言ってすごい速さでそうめんをすすった。それから、昼まで宿題し、13時ごろに昼飯を食べ、夕食まで宿題をした。ついでに、昼飯と夜飯はそうめんだった。食べ終えてからまた宿題をし、21時になったら眠りについた。そんな生活を4日かけて自由研究以外の宿題を終わらせた。
食事は朝昼晩、4日連続そうめんだった。我が家の夏の風物詩である。
ー7月25日ー
終業式の日、急いで帰ってしまったため自由研究の内容の書かれた用紙を学校に忘れてしまった。あの日の自分を恨みながら暑い中取りに学校に向かった。用紙は自分のロッカーの中にあり、無事回収できた。今日にかぎって最高気温は32度で天気は快晴である。熱く、用紙で仰ぎながら帰った。
ダラダラと途中のコンビニで買ったアイスを食べながら歩いていると、「おーい!そこの君ー」と女性の声が聞こえた。聞き覚えのない声だったので無視をした。するとまた「そこのダラダラ歩いてる君だよー」と同じ声がした。もしかして自分か?と思い後ろを振り向いた。するとそこには、黒髪のショートボブで、白いワンピースを着て麦わら帽子を被った、同年代くらいの見たことのある女子が立っていた。「俺のことよんでます?」と聞くと「そうだよ」と女子は答えた。
白ワンピース女子「もう、何回呼んでも振り向かないんだから」
ヨシキ「いや、2回で振り向きましたけど」
白ワンピースの女子「確かに...まあ、それは置いといて君、ヨシキ君だよね」
ヨシキ「そうですが....あ、マエダさんですか?」
マエダ「そう!同じクラスのマエダ サエコ」
マエダさんは学校の時と髪の毛が変わっていて少し遠くにいたためわからなかった。彼女との仲はたまに話すくらいでそんなに深くは知らない。
ヨシキ「どうしたんですか?」
マエダ「いや、うちの制服着てたし、どうしたのかなーって思って」
ヨシキ「自由研究の用紙忘れてしまって取りにきたんですよ」
マエダ「大変だね」
そう言われ、ため息をつきながら「はぁ、大変ですよ。全く過去の自分を殴りたい気分...」と言いうとマエダさんは「確かに」と笑った。続けてマエダさんは「よかったらこれ使いなよ」と手に持っていた袋からタオルを取り出して渡してくれた。
ヨシキ「え、いいんですか」
マエダ「いいよいいよ、なんか暑そうだったし」
ヨシキ「ありがとうございます」そう言ってもらったタオルで顔の汗を拭いた。もらうだけだと申し訳ないので、コンビニで買ったケルピスを渡した。
ヨシキ「もらうだけだと申し訳ないので、よかったらどうぞ」
マエダ「ありがとう私ケルピス好きなんだー」
ヨシキ「そうなんですねそれはよかった。それじゃ帰りますね」そう言うとマエダさんは「タケシくんが返事くれないって拗ねてたから連絡してあげてね」と言い、手を振りながら離れて行った。俺はマエダさんに手を振り替した後にスマホを開いた。するとBAINが50件溜まっていた。その内の40件はタケシのものだった。
家に帰り流石に悪かったなと思い、電話をかけることにした。
ープルルルルプルー
ヨシキ「もしも...」
タケシ「お前!4日も既読もしねーで嫌われたかと思ったんだぞ!」と少し泣きそうな声で電話に出た。
ヨシキ「悪かったよ、姉ちゃんと宿題終わらせたかったんだよ」
タケシ「既読くらいしてくれよ」
ヨシキ「すまんな、お前と話してると遊びたくなるんだよ」
タケシ「何だよその理由ー」
ヨシキ「いっつも楽しいそうな声で話すからだよ」
タケシ「そうか.....で、宿題は終わったのか」
ヨシキ「ああ、自由研究以外はおわったよ」そう言うとタケシは「すごいな、俺なんて手すらつけてないよ、はっはっは!」陽気な声で笑った。そう言うタケシに対して俺は「笑い事で済む範囲にしろよ」とため息混じりに言った。
タケシ「そういや、急だけど明日って暇?」
ヨシキ「ああ、どっか遊びに行くのか」
タケシ「そうなんよ、ユリちゃんとトモとマエダちゃんとサエっちで海行くんだけど一緒に行かん?」
ヨシキ「おー、いいね行こうかな、場所は?」
タケシ「望海駅に、9時集合だよ。他の4人には俺から伝えておくわ」
俺は「了解、じゃあまた明日」と言い電話を切った。「さて、準備すっか」と独り言を漏らし、明日の準備を始めた。準備をしていると、母さんが買い物から帰ってきた。
母さん「ただいまー」
ヨシキ「おかえり、明日友達と遊ぶ予定ができたから行ってくるね」
母さんは荷物を下ろしながら「遅くなりそう?」と聞いてきた。俺は下ろした荷物を台所に持ってきながら「遅くなるかも」と答えた。
母さん「わかったわ、楽しんでらっしゃい」
ヨシキ「うん」
そう返事をしながら10人前のそうめんを冷蔵庫に入れた。
今日の夜ご飯もそうめんらしい。
最後まで読んで頂きありがとうございます。本文は初めてなこともあり3000文字から4000文字程度で書いていきたいと思っております。少しでも面白いと思っていただいたら幸いです。