表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/111

6.ショックダイル

「ハンターの呼称はショックダイル。

 衝撃のショックと、ワニを英語でいうクロコダイルを合わせました」

 映像は一時停止。

「上アゴと下アゴから震動波を放ち、任意の距離で合わせる事で強力な震動波に変えます」

 ショックダイルの3Dモデルに切り替わる。

 となりには全高53,1メートルの巨人ウイークエンダー・ラビットと、全長17メートルのキツネ、北辰のモデルが立つ。

 私たちのモデルと比べると、ショックダイルの高さは40メートルほど。

 ウイークエンダーの肩ぐらいある。

 長さは80 メートルぐらいね。

 なんとも四角い姿だね。

 巨大な箱型の胴体とトゲだらけのアゴについては、もう話したね。

 シッポも四角い。

 胴体よりわずかに細いだけの、まるで動くダムだね。

「エサは火山のエネルギーです。

 ただし、地熱などではありません。

 霊山としての、いわゆる神の力です」

 20年以上前なら、ここで笑い声が起こったかもしれないね。

 昔のファンタジーアニメではそうだった。

 でも私は生まれてから、そんな光景にあった事はないね。

 映像が、山の地図に変わる。

 本当に山しかない、広大な山地の地図。

 さっきの映像での戦闘場所から、ショックダイルの歩いた跡が線として表示されるの。

 線の最初、地図ではそこに池がある。

 山頂の、昔の噴火口跡が。

 ショックダイルによって破壊された、懐かしい光景がね。

「ショックダイルの出現地点はここ、霊山の山頂です、

 ここから地下へ巨大な穴を開けました。

 およそ30分かけて、マグマが見えるほどの垂直の穴です。

 あの山は活火山です。

 山頂の岩の押さえがなくなれば、噴火の恐れもありました。

 そのため、九尾 九尾さんたち瑞獣たちは、穴をふさぐために残ったのです」


――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――


 狩場の映像に戻る。

 山が、黒い欠片となって巻き上がる。

 岩を切り、並べた階段が、巻き添えになって砕けた。

 人がいなかったのは、本当に幸運だよ。


 ショックダイルの振動波は、本当にすさまじい。

 それに巻き込まれた味方がいなかったのは良かった。

 ホクシン・フォクシスは2機づつ左右に分かれて、私はそのうちの2機と一緒に走った。

 あっという間に置いていかれたよ。

 振動波の破壊は、私たちを追い立てるために急激に方向を変える。

 まるで機関銃のSの字掃射だね。

 私はもう一度、ウイークエンダーをジャンプさせた。

 準備しておいた背中のコンテナ。120ミリ連装滑空砲を今度こそ放つ!

 爆炎はショックダイルのアゴに2つ、たじろがせる!

 岩が砕けるのが、止まる。

『よっしゃ。ここからは任せて!』

 朱墨が言った。

『全機、接近戦、開始!』

『『『了解!』』』

 そして、ここからが見せ場なの。


――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――


「4機の北辰が加速します。

 その足に、ご注目ください」

 加速が始まる。

 足は青い光が炎のように揺らめいて宿る。

 その走りは、足で踏みだす走りじゃない。

 上下の振動がなくなった。

 スキーやスノーボードのように、滑る動き。

「通称、鬼火。化学元素調整装置です。

 空気の元素、この場合はもっとも多い成分のチッ素、の形づくる力を調整しています。

 今は空気の靴をはいて、地面から浮いて滑っているような状態です」

 鬼火は、その際に発生する青い力場から、異星人のメーカーが付けた商品名。

 ちょっと怖いわね。

 北極星の呼び名の1つ北辰といい、日本の文化に合わせたんだろうけど。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ