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3.MCO

 画面下の字幕に名前と肩書きがある。

 レイドリフト・ネットワーク代表。

 レイドリフト1号とは、彼の世をしのぶ仮の名ってやつ。

 腕から飛ばすワイヤーで急激な軌道を描いて戦う。

 光のように(Ray)横すべり(Draft)することから名乗った。

 そして、異能力を防災や防犯にどう使うか、それをまとめた技術検定、レイドリフト検定を考えた。

 バーストで現れた多くの異能力者たちの、指針となる人だ。

 ついたあだ名は、日本のヒーローの官僚トップ。

 確かに、この人が官僚仕事を始めたら、他のヒーローとの連携がスムーズになったね。

 実は、ハンターキラーとヒーローに、ちゃんとした違いはないの。

 ハンターキラーは、いつも怪獣を狩ってるわけじゃない。

 その力で悪い奴から人びとを守ったりするんだよ。

 その時はヒーローの呼び声を、ありがたく頂戴します。


『そうですか。では続けてください』

 レイドリフト1号、同じ中学2年生なのに、すごい。

 にらまれたのは気のせいみたい。

 でもそうすると、MCDとMCOの違いなんて、誰も気にしないってことかな?

 それはそれで、嫌だな。

「MCO、Mechanical Civilization Oath(メカニカル・シビリゼイション・オウス)

 この、"物質文明から生まれた誓い" には問題点があります」

 思ったよりスムーズに話せる。

「それは、作用する対象が通常の物理法則によって作られたもの。つまり機械にしか作用しないことです」

 MCDは確かに、よく聞く言葉ではある。

 けど、私は気にするし、こういう公共の場では、ふさわしくないと思う。

 MCD、Mechanical Civilization Dieouters(メカニカル・シビリゼイション・ダイアウターズ)。

 意味は"亡び去った機械文明"。

 一言でいえば幽霊だ。

 しかも、惑星ごと、種族ごと滅んだ大量の幽霊だ。

 もったいないオバケという人もいる。

「その理由は、彼らMCOが異能力を身につけることもなく、怪獣にも会わなかった世界の住人だからです。

 通常人の進化の限界、すなわち機械でしか進化しなかった文明なのです」


 そして、地球くらいの文明は機械だけ進化してても、簡単に滅んでおかしくない。


「そのレベルの文明では、大規模な物理法則の乱れを感知できず、多大な被害が出てもおかしくありません」

 それは、証明済み。

 地球と同じレベルの文明が、たくさん滅んでいることでね。

 それでも彼らは、遺志を残すことができた。

 たくさんのものを私たちの地球は受け取った。

 それ以外にも、彼ら自身も想像できない方法、残留思念、暗号世界。そう言う、あり得ないとされてきた方法でも。

「しかし、彼らが残した力は、それらの欠点を補って余りあるものであると考えます」

 これは正直な気持ちだよ。

「それについて、私、佐竹 うさぎがウイークエンダー・ラビットで撮影した映像をご覧ください」

 手をあげて合図する。

 照明がすべて消えた。

 スクリーンからウェブ参加者が消えて、代わりに大きな映像があらわれる。

「2週間前の、怪獣災害です。

 MCOパートナーはホクシン・フォクシス隊。

 使用するのはキツネ型陸戦兵器の北辰です。

 彼らの奮闘に敬意を表します」

 MCOパートナーてのはね、MCOを与えられた人のこと。

 それはハンターキラーに限らない。

 でもホクシン・フォクシスは、一流のハンターキラー。

 そのメンバーは、観客席の最前列にいる。

 隊長は九尾 朱墨。

 小学5年生の女の子で、不敵な笑みを浮かべてる。

 よかった、元気そうだね。


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