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2.プレゼンだっ!

 ハンターキラーは、本当に怖い仕事だよ。

 でも、怪獣を倒せば誰かが新しい発見をするかもしれない。

 第一、あの仲間たちを守れる!

 安菜が寝ているのはつまり、わたしの作る平和がたしかなものだからだ。

 そう、信じてくれてるからだ。

 誇るべき確かなものなんだ!

 いま舞台にいるのは、市長。

 居心地わるそうに縮こまってるのが、かわいそう。

 我がプロウォカトルの長官、落人 魂呼さん。

 髪は白。綺麗にカールして首元まで触れていた。

 青い眼は相変わらずクールで、全身がキリリと引き締まった大人の女性。

 その両腕は、白い陶器のようなツヤの、義手だよ。

 ハテノ市に本社を置く巨大ハンターキラー企業、ポルタ社の社長の真脇 応隆さん。

 背の高い痩せた姿は、しっかりと鍛えられている。

 だけど、メガネをかけた、気弱そうな顔立ちは、世界で最も先進的な戦力を扱う1人とは思えない。

 表情は真剣そのものだね。

 その隣の奥さんが、ボルケーナ先輩。

 ボルケーナさんは宇宙怪獣、宇宙から来たお嫁さんだよ。

 その姿は、一言では表しにくい。

 そもそも、本当はどろどろの液体で、今の姿も気に入ってる世をしのぶ仮の姿なの。

 赤い毛むくじゃらの肉食恐竜が、背中から白い白鳥のような羽根を生やしている。

 その全身は福々しい、という言葉がぴったりの丸さ。

 身長は1メートルほど。

 だけど尻尾は長い。後ろでは2メートルはある尻尾が重力を無視したようにユラユラ宙を舞う。

 と思ったら、ピーンと天井に向かって立った。

 ボル先輩の赤いうろこの顔が、フランスパンのような口がきりりと引き締まる。

 と思ったら、また尻尾はユラユラ、顔もゆるんできた。

 緊張を長く維持できないのは、彼女の弱点だね。

 でも、その力は十分。

 本質は時を統べる女神……という、十分を通り越してチートを超えるスーパーチートだったりする。

 舞台後ろの壁は大きなスクリーンになって、それが細かく分かれて、多くの人を映しだす。

 ウェブ会議で参加する人たちがいる。

 その中には、内閣総理大臣の前藤 真志さんもいる。

 MCOみたいな新手の問題でも自分から調べに来るのは、美徳だと思う。

 そこも含めて、会場じゅうの空気が、冷え込んでる気がする!

 私のせいで!

 画面の向こうの空気感が変わっている。

 なんでか、わからないけど、わかる気がする!

 みんなが私を、にらんでる気がする!

「おほん!」

 ヒッ! 咎めるようなせきばらい。

 だけど、他には反応はない。

 続けていい……ってことなの?

『続けなさい』

 ウェブで参加する若い男から、急かされた。

 ここに参加する老若男女の中でも、とくに若い方だ。

 ビシッと折り目正しい黒スーツ。

 日本のヨロイカブトにつくような、キバの彫り込みがあるマスク。

 面頬と言うそうだ。

 そのマスクをつけた、つぶらな黒い瞳の少年の声だ。

「うっ、ひゃあい!」

 変になった! 言ったつもりの言葉が!

『うっさい?』

「滅相もございません! はい、と、言ったつもりです」

 レイドリフト1号に、にらまれた!?


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