119.「閻魔 文華は、ここだ! 」
お久しぶりです!
稲刈りがはじまりますと、1ヶ月以上休みなしになるリューガです
これは、震災とか関係なく日本中そうでしょう
それでも、クライマックスを描いてるという情熱はメラメラ燃えてます
そしてまた!
増殖してしまう物語
この分だと、次次回作で閻魔文華の新たな冒険がでてくるかもしれないな・・・・・・
吹き飛んだドアから工場へ、走る。
ロボット特有の戦う音ががなりたててる。
固いもの同士の打撃音が連続。
衝撃の度に空気もゆらぐ。
怖い。
だけど、走る勢いのまま工場へ顔をだす。
後は、できるだけ気配と、感情を消すんだ。
一瞬で、見て聞いて、匂いを嗅いで、情報を受け取るために。
その時。
ウグッ。
思い切り後ろに引っ張られた。
「バカっ! なんでヘルメットかぶらないのさ! 」
「ヘルメット。ヘルメット」
みつき、しのぶ。
すぐには答えられないよ。
エリが、のどに食い込んで!
「へ、ヘルメットをかぶると、視界がせまくなるんだよ」
改めてヘルメットをかぶる。
弟と妹は、片手づつ差し出して、私を引っ張っていた。
もう片方の手には、ボールのような物をにぎっている。
スタングレネードだ。
火薬の力で大きな音と光をだすんだ。
一時的に、敵の目と耳を完全にふさぐほど凄まじい。
怪獣だって、顔で爆発させればそうなる。
一方、ピストルなら倒せなくても相手の注意を引くことができる。
これらを組み合わせて、ロボットまで走ろう。
そう思っていた。
真新しかった工場は、やっぱりメチャクチャ。
「攻めこんできた、こん棒エンジェルスは1人。
今、ウィットネス・ディパーチャーと戦ってる」
朱墨ちゃんたちからもらったセカンド・ボンボニエール。
もうボロボロだった。
この音は、ロボット用の大きなナタを振るう音だ。
こん棒エンジェルスが広げた魔法炎の盾に、叩き付けて。
そう言えば、ナタを使うのは相方のガン・ウィットネスのはずだけど。
そっちは、どうなったんだろう。
「応援のルルディ騎士団は、格納されたロボットのそばにいた。
朱墨ちゃんたちを、ロボットに乗せるのを援護してた。
でも、閻魔 文華と安菜が見えない」
希望は見えてこない。
「戦ってる、こん棒エンジェルスが閻魔 文華じゃないの? 」
しのぶが聴いた。
「全然ちがう人だった。
どこにいるのか、確認したいんだけど」
「閻魔 文華は、ここだ! 」
そう、工場から聞こえた。
え?
なんで?!
あわてて覗きたくなる。
その気持ちを抑えて、まず、足元を指差す。
みつきとしのぶに指示を。
「ここにいて」
私は、ドアの反対側に急ぐ。
二方向から、ドアの向こうをなるべく広く見るためだよ。
ギギギギギ
重い、金属が床をこする音。
セカンド・ボンボニエールが、すべってる!
大ナタをかまえた戦う姿のまま。
タイヤとか足とか無視して、こん棒エンジェルスから、はなれてく!
全身が、うすく黒く塗られた透明なプラスチックで固められたみたい。
キャプチャーだ!
押されるセカンド・ボンボニエールの前に、閻魔 文華はいた。
ただ、右手をあげて手のひらを向けてるだけみたい。
そのとなりに、安菜がいた。
半透明の棺のようなキャプチャーに入れられ、立った姿のまま浮かんでる。
その時、セカンド・ボンボニエールが前のめりに倒れた!
4本あるロボットの足、その前足2本がおれたんだ。
分厚かったはずの装甲が、キズだらけにされていた。
『閻魔 文華! 』
スピーカーごしの声がひびいた。
『ムダな抵抗はやめろ! 』
まわりの、ホクシン・フォクシスのロボットが動きだしたんだ。
パーフェクト朱墨も。
「ムダではない! 」
閻魔 文華も、負けずに叫んだ。
「佐竹三きょうだい。
その者に必要な手助けをしてほしい」
私たちに、たのんだ。
ウィットネス・ディパーチャーを指差して。
迷いのない瞳と、力強い言葉で。
「「じゃあ、行く? 」」
みつき、しのぶ。
ウィットネス・ディパーチャーのまわりのキャプチャーは消えた。
ただし、ピクリとも動かない。
「行こう」
ほっとくわけには、いかない。
私たちはかけだした。
途中で安菜を見る。
ケガは、ないみたい。
安心した。
取り乱してもいない。
ただし、その顔は不安そう。
でも、見届け人にすると言う閻魔 文華の言葉を信じるなら、帰してくれるだろう。
そう祈りながら、床に倒れたセカンド・ボンボニエールにかけつけた。
「関節からでてる煙みたいのは、消火器だから。
近づいていいよ」
屋根の上のレバーを回して、ハッチを開ける。
でも手でおさえてないと、落ちてしまう!
「あんたたちが入って、中の人を出して」
「「オッケー」」
懐中電灯を手に入っていく。
たのもしいや。
中は、明かりも消えていた。
その間、後ろからは叫び声がずっと聞こえていた。
こん棒エンジェルスが。
でも何、言ってるんだろう。
彼らの言葉は日本語と同じはずなのに。
たぶん閻魔 文華に助けを求めてる。
そしたら。
「なんで私が勝てると思う?
バカじゃないか?! 」
閻魔 文華が叫んだ。