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109.神獣 対 魔法の夫婦

「安菜、しばらくこっちの仕事に集中するから。

 チーム・ノーブル・アンビルの言うことをよ~く聴いて、良い子にするんだよ」

『・・・・・・了解。

 Amuse toi bien』

 フキゲンな声でアミューズ トワ ビァン。

 フランス語で楽しんで。だって。

 スマホは切られた。

 おふざけが過ぎたかもしれない。

 だけどね、これで良いんだろう。

 涙の別れ、とか、あとで取り返しがつかないケンカをしてしまった、よりはずっとふさわしい!


 さてと。

「忍! 」

 河川敷にはウイークエンダー・ラビット、パーフェクト朱墨、ブロッサム・ニンジャがならんでる。

 そのブロッサムのパイロットをよぶ。

『はい、こちら忍』

「みつきのところへ行って、非連続時空間狙撃モードになって」

『了解』

 みつきの機体はディメンション・フルムーン。

 そしてブロッサムとディメンションが合体した姿が、非連続時空間狙撃モード。 

 2機はすべてのセンサーを一点に集中することで、物理法則が変わってる世界を観測する。

 あの超巨大キャプチャーのような、こっちの世界とは切り離された世界でもね。

 そう言うのを非連続時空間とよぶ。

 さらに、ディメンションの強大なエネルギーを渡すことで、ブロッサムの両手の大砲は威力を高める。

 広大な非連続時空間を貫ぬくモードになるんだ。

 そしてこれは、ハンターの中には使うものもそれなりにいる。


 ブロッサムの腰から延びた2枚のはね。

 中のファンがバタバタと回り、青い巨大ロボットを空へ運んだ。

『こちらみつき。

 集中して調べるのは、あの赤い光でいいね』

「そう。ボルケーナ先輩の物に違いない、あれ」


 超巨大キャプチャーの中で、たくさんの赤い光がまたたいてる。

 瞬きの間隔はバラバラ。

 短く瞬いたり、ゆっくりだったり。

 しかもあの光、集まってる?

 発光のタイミングも、そろっていく気がする。

「先輩がでてきそうな様子を見たら、教えて」

『『了解』』


「映像は、近くから撮った映像はないの? 」

 そうだ、チーム疾雷なら。

 あのキャプチャーを取り囲んでいる達美さんたちなら。

『チーム疾雷が、映像を公開しました!

 超巨大キャプチャーを囲んでいるチームです! 』

 この声は、ホクシン・フォクシスのアナライズ担当の、宇潮 心晴さんのだ。

「仕事早いですね」

 ちょうど道路で、キャプチャーの端が来ている地点の映像だ。

 そこに、ひときわ大きな赤い光がある。

 このまま、出られるのかな。


 そう言えば宇潮さんは、科学系動画配信者上がりだった。

 デモで熱心に撮影してたな。

 あのあと動画は公開されたんだ。

 でもなぁ、組織の論理としては、控えてほしいのも事実なんだ。

 恥ずかしい失敗を写すこともあるから。

 私がゲンコツを振り上げ、ちっちゃい子たちにしがみつかれて止められたシーンも、バッチリ。


『アー!! 』

 ビックリ!

 宇潮さんの叫びがとびこんだ。

『ああっ、失礼しました。

 今、ルルディ騎士団からの観測データをもとに、ボルケーナ氏の動きを予想してました。

 外に出ようとしていることは、間違いないです』

「詳しく話して」

『詳しく話して』

 朱墨ちゃんと同時に言った。

『了解。

 まずは、あの巨大キャプチャーの説明から始めます。

 あのキャプチャーにかけられた魔法は、みんなが使うキャプチャーのように、相手を固く閉じ込める物だけではありません。

 内部では時間や空間がバラバラなんです。

 真っ直ぐ進んだつもりでもキャプチャーの中に向かっていたり。

 同じ距離を歩くのでも、何十倍、何百倍の時間がかかったりします』


 さすが、ルルディ王国の王と王妃。

 魔法の重ねがけって難しいんでしょ。


『それでもボルケーナ氏は、自分で空間と時間を支配しようとしているんです』

 そっちも、さすがだね。

 そうか。

 空間がバラバラだから、違うところに赤い光が見える。

 時間が違うから、同じタイミングのまたたきも違って見えるんだ。


 その光は今、超巨大キャプチャー表面では。

 道のそばでさらに大きくなっていた。

 すべての光が1ヵ所に集まり、ひときわ大きく輝いた。

『出てきました!

 ボルケーナ氏です! 』

 モニターでは、たちまち速報で流れた。

 ボルケーナ、帰還のニュースが。

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