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104/119

104.炎を止める!

 熱源探知する。

 また、家が燃え上がった。

 その熱の分布が、モニターの中で緑の濃淡としてしめされる。

 これなら夜でもハッキリ見える。

 家の中心に、濃い緑の人影があった。

 色が濃いほど熱が高い。

 サイズは一階の天井を突き破るほど。

 逃げ遅れた人のわけが、ない!

 ウイークエンダーの頭部から、機関砲で1発だけ撃つ。

 ターゲットは人影、こん棒エンジェルス!

 砲弾は命中。

 人影がグラリとゆれた。

 けど、くやしい。

 耐えられた。

 また狙い撃つ。

『うさぎさん! 援護します! 』

 河川敷に巨大なドラゴン型ロボットが降り立つ。

 青い体と白い翼。

 パーフェクト朱墨だ。 

『パーフェクト朱墨の一番小さい武器は35ミリ機関砲です』

 アーリンくんが呼んでる。

 そこは、地球製なんだ。

『そうです!

 それを単発で、建物内の敵を追いだす。

 いいですね?! 』

「ええ、それでお願い」


 パーフェクト朱墨の頭部から、見慣れた火花が飛ぶ。

 狙いすました砲弾が、塀を撃ち抜く。

 隠れたこん棒エンジェルスが、180度回って頭から落ちた。

「ありがとう! 」

 そう、普段どうりに言ってしまった。

 イヤな気持ちになった。

 朱墨ちゃんは、この街で遊んで、生活するんだ。

 そこに攻撃するのが、うれしいことなのか。

 ありがたいこと、なのかな。


『後で聴いてほしいことがあります。

 まずはコイツらを何とかしましょう! 』

 朱墨ちゃんから気になることを言われた。

 それでも、火力は2倍になったのはうれしい。

 敵は、はじきだされて倒れふす。

「次、道路はさんで、となりのヤツ! 」

『了解! 』


 こん棒エンジェルスの身長は4メートルくらい。

 人間大の丸っこいアーマー、破滅の鎧。

 そこから、能力を拡張するために魔法炎をまとう。

 宝石のような黒さ、刃物のような鋭さで表面をおおう。

 腕を伸ばすかわりに、こん棒にしてる。

 魔法炎のトゲをたくさん付けて。

 魔法炎は、足の裏をから上げ底もしてくれた。 

 その刃物の手足で、立ち上がった。

 そして、私たちへ向かって駆け出す!

 

 なんで立てるのかな。

 AIによるサポートがしっかりしてるのかな。

 何にせよ、うらやましくない。

 また1発で、路面にたたきつけた。


 仲間のハンターキラーを誘導する。

 こん棒エンジェルスの周りで、小さな光が瞬いて消えた。

 もう、敵は立てない。

 光は爆発、たぶん手榴弾を投げつけられたんだ。

 集まるハンターキラーの中から、1人が飛びだした。

 間違いなく、そのサイズは地球人。

 ただ、信じられない早さで近づいてる。

 しかも、自分の体と同じくらいの大きな塊を持ってくる。

 その塊で、次々に叩きのめす!

 塊は、ハンマーだったんだ。

 そう言えば、さっき巨人を逃がしたハンターキラーが、あんなハンマーを使っていたかな。

 改めて捕らわれる、こん棒エンジェルス。

 今度のキャプチャーの黒さ、魔法炎の濃度は、薄いものじゃない。

 これで十分な固さ。

 安全だね。


「そうだ、街の火は? 」

 そう思ったら、黒い大きな影が、目の前を横切った。

 ウイークエンダーとパーフェクト朱墨の周りを回る、鳥だった。

 二つの頭を持つ、ワシ。

 デコとペタだ。

 「もういいよ」と言うみたいに私たちを回る。 

 ブロッサムも砲撃を終えていた。

 

『デコさまとペタさまによる、街の再生がはじまります』

 アーリンくんが言った。

 白いものが、視界をおおっていく。

 霧だ。

 さっきクオさんと狼万さんがやったのと同じだ。

 山の水の力とMCOを使うんだ。

 みるみるうちに火が消えて、建物が立ち上がる。

 だけど、機関砲で撃った部分は治らない。

 異なる世界の力で、無理やりこっちの世界を書き換えた訳じゃないから。

 同じ世界のもの同士の破壊だから。

 

 しょうがないことは、わかってる。

 でも、侵略者の攻撃は消せて、私たちのは消せない。

 くやしい。

 そんな事実が。


『あの、はーちゃんのことは、お気の毒です』

 そうか。朱墨ちゃんたちにとっても、そうなんだ。

「ありがとう」

 今度は心から言えた。

「それで、聞いてほしいことって、何? 」

 巨人と七星部隊の戦いは、まだ続いてる。

 あそこで転がったカメラは、もう壊れていた。

 閻魔 文華の行方も気になる。

『レイドリフト1号が準備していた増援部隊の事です』

 朱墨ちゃんの声に、怒りがこもる。

『本当なら、1時間でヒーローを集められるだけ集めて、出撃する予定でした。

 でもそれは、20分前まで延期になりました。

 指揮を取るはずだった、娘の責任を取ると自分で言っていたはずのルルディ国王夫妻が、突然いなくなったんです! 』

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