彼女はこうして地球へと
あなたは天使失格よ。今すぐ人間界で修業しなさい。
冷酷無情に告げられたそれは、
私にとって、死刑宣告のようなものだ。
10年前、第1次天界大決戦により私の親は戦犯として処刑された。
戦犯の娘が生きていることなど頭の固いじじいどもに知られれば
処刑される。そう考え、生き残った姉と私は命からがら逃げ
田舎の山奥でひっそりと暮らしていた。
家事をし、終えれば食料品の確保のため狩猟を行う。
人間にとって私達天使はのんびり暮らし、脳内エレクトリカルお花畑のように
考えるが、現実は違う。私のような道を外れた天使はいつ私の居場所がばれるか分からない
恐怖に襲われ、その日1日を生きることに必死なものもまたいる。
私と違い姉は私を逃した後、整形を行い自らの正体を変え
天界の政治家の1人として活動していた。
時々姉とは食事をするが、凛とした美しさがあり、オシャレに気を使うところも
周りがチヤホヤする理由だろう。
それに比べ私はこの人の妹と誇れる要素はもう見る影もない。
私に失望した姉は土砂降りの雨が降る夜に私に死刑宣告したのだ。
その後のやり取りはあまりにもスムーズにいき
私は人間界へ行くこととなった。
この瞬間、私は本当に「ひとりぼっち」となってしまったのだ。