転生?
「邪魔だーー!」
俺は、いきなり後ろから刺された。何で、刺されてるんだ……。ただ、買い物に行こうとして家を出ただけなのに…ここで、死ぬのか?嫌だ、死にたく無い…
『了解しました。貴方には、選択肢があります。一つ、このまま魂ごと消滅して違う自分になりますか?二つ、記憶を持ったまま生まれ変わりますか?』
誰だ、俺に声を掛けるのは……
『転生の選択を確認しました。10秒後、貴方の心臓は停止いたします…。その時、新たな場所に魂が転生いたします…』
そして、カウントダウンが始まる。俺は、意識が朦朧としていて段々と瞼が閉じて行った。願うならば、魔法が存在する世界に転生したい。俺は、そこで意識を失った。
『転生が確認されました。初めまして、私は、今後この世界を案内する者…名をヨムとお呼び下さい』
頭の中に声が響いてくる。あの時と一緒だ…
「状況が、読み込めないが……手が、小さい。それに、身長にも違和感が…!!オイオイ、マジかよ!?」
俺は、近くにあった鏡を見ると知らない自分の姿があった。誰だ、コイツ……
『その体は、貴方の新しい体です。月島怜さん。まだ、思い出せませんか?』
頭が急に痛くなってくる。色々な記憶が蘇ってくる。この体の持ち主だった奴の記憶も。コイツ、虐められていたのかしかも、飯まで与えられないで…。それに、この記憶 何か違和感があるな…
「やっぱり、どの世界にもクズ共は居るんだな…」
『この世界では、スキルと魔法が全てです。剣の腕など二の次。それより、スキル・超回復を使用しますか?』
だな、ガリガリだし。回復系のスキルってスタミナも回復出来んの?
『可能です』
優秀だな、回復系のスキルは…
〜数分後〜
俺は、レムからこの世界の知恵を教えてもらった。この世界ではスキルや魔法の覚醒はもれなく四歳までだ。前の持ち主はスキルはあったが使い方を分からずに終わったみたいだな。勿体無い…
『人間の気配を確認しました。数は、6人です…この部屋に向かっています…』
恐らく、俺を始末しに来たと思って良いだろう…
そして、扉が開いた。俺は、驚いた。武装した大人の男5人と真ん中に豪華な服を着た人間が怖い顔をして俺の所までやって来た。
「………。すまなかった!!怖い思いをさせた…」
えっと…レム。この状況の説明を…
『恐らく、この男はこの体の前の持ち主の本当の“親”だと思われます。前の持ち主は、数ヶ月前から誘拐されています。もう既に、魂は何処かへ行っていましたが…』
そうか、所で名前ってロイドで合ってるの?
『はい。ロイド・シール・スフィアです。スフィア王国の王太子です。今、抱きしめている男性はラウ・シール・スフィア。ロイド様のお父様になります』
ここは、芝居を打って置くか…
「賊は、捕らえた。もう安心だ。ロイド、本当にすまなかった!!民がレイナ達が待っておる。帰ろう。ワシ達の家に…」
こうして、波乱な異世界転生はとんでとない形で幕を開けた…