寄り道
「うっはー!いっぱいあるね!これだけあるとテンション上がる」
「そうか?あまり分からんが…」
「上がるんだよ駿君。見てみなよほら。こんなにあるんだよ?」
「見てないから分からないんじゃ無くて見た上でも分からないんだよ」
雑貨店の前に着くと騒ぎ始めた清花を見つめるがはしゃいでいる。
女子特有なのか、それとも清花特有なのか、よくわからないが駿介にはあまり理解出来なかった。
ただ生き生きとしてる清花の様子から嘘は感じられないのでそんな物なのだろうと無理矢理納得させて雑貨店の中に足を踏み入れた。
品数は清花の言っていた様にとても多く、見て回ればシンプルに単色の皿から模様付きに、キャラ物、果てにはちょっとお高めの物まで。
様々な品揃えがあり気がつけば駿介も夢中になっていた。
「へぇ…こんなのもあるのか」
「あ、ねえ駿君!私これ欲しい!」
「お、それで良いのか。ならカゴの中に入れてくれ。まとめて会計に出すから」
駿介が夢中になってる間にも清花はウキウキに自分の皿を選んでいた様で服の裾を引っ張りながら言って来た。
急激に加わった重さに、皿数枚と言えどよろめく駿介。
「あれ、重かった?」
「いや、このくらいなら大丈夫だ。それで、こんなもんで良いのか?」
「うん。一応食事後に洗うのなら一日分くらいで良いと思うし、あとは何かあった時の為の予備に少しくらいかなって感じ」
「そうか。じゃあ俺もある程度は見たし、会計の方行くか?」
「あ、私お皿以外も見たいからもうちょっと見て回ろ?」
「…まあ良いが」
予定外の買い物は出費が嵩むからあまりしたく無い駿介だが、ここで否定しては折角の気分も台無しになってしまうだろうと敢えて何も言わず。
それに駿介だってこの品揃えを見ているのは充分楽しいし、時折清花との会話もしていれば飽きることも無い。
話す内容は主に商品の感想だったり、どんなふうに使うかの用途について。
「あ、これ可愛く無い?」
「ん?…確かに、よいかもしれんな。…いやでもガラス製だからな、あんまり雑には扱えないぞ?」
「え、何駿君、私が雑だって言いたいの?
…まあ否定出来ないんだけどさ」
「だろ?こう言うのはしっかり丁寧に使ってやらんと、すぐ割るぞ」
「可愛いんだけどなぁ…残念」
こんな風に話しているから会話の種も中々尽きず、お互い無言になり気不味くなると言ったことは無かったのは安心である。
主に清花のコミニュケーション能力の高さのおかげだろうが、これを学校でも上手く発揮すれば壁を挟んだ様な感じにはならないと思うのだが。
しかし、これを言えば清花が冷え上がる言葉で「そんなことないよ」などと言ってくるのが目に見えているので言わないが。
誰にでも踏み込まれたく無い部分はあるのだ。
「さて、そろそろ店内一周だが、どうする?
結局皿くらいしか買ってない訳だが、何かあったら数個くらいなら買えるが」
「んー…別に良いかなぁ。これで満足だしね。あ、それじゃ駿君お会計してて!
私は私でちょっと個人的に買いたい奴取ってお会計しちゃうから。あ、後でレシート見せてね。お皿の分払うから」
そう言った清花はパタパタと走り、どこかのコーナーにと走って行った。
「欲しいのがあればいい、と言った気がするんだがなぁ」とぼやきつつも駿介はレジに並んだ




