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社会勉強

イラリオの奴隷市場は高城の後ろのやはり城壁際に在った。

流石にトリスタより規模は大きい、案内所の受付嬢に新規登録を申し込んだ

らトリスタと同じ反応だった、支配人室で新規登録を済ませ資料を貰う、オ

ークションに付いて聞いたが何処の会場でも同じ方式で開催していると言う

事だった、経済圏が重なる帝国と共和国は開催日だけは重ならない様に成っ

ているそうだ、要領は判って来たのでVIPルームへと移動した、案内役は

イネッサと言う女性だ。


今日の出品は15人、約半数近くが男だ、数は7人最初は男、犯罪者、終身

50歳スタートは1枚、数人が札を机に叩き付けている、初めて見る事態に

案内役を呼ぶ。

「何故机を叩いているの?」

「あれは買い手など居ないからさっさと引っ込めろと言う抗議です、半数以

上であれば即座に退場ですね」

成る程、買わない物に掛ける時間も惜しいと言う訳か、解らんでもないな。

興味も無いので次の出品資料を見るとここは男を全て最初に出す様だ、履歴

よりも歳の順での出品だ、進むにつれて若く成っていく。

次は男、犯罪者、終身35歳、スタートは2枚、直ぐに赤札が上がった、他

に上がる様子は無い、そのまま終了だ。

その後同じ様な出品が続き様相がかわったのは男の6人目で一気にに若くな

る。

男、犯罪者、終身、16歳、スタートは5枚から、予想はしていたがトリス

タと同じで20枚を超えて声が掛かった、然し今回は28枚止まり”こう言

う場合高額になれば成る程生存率が高い”と案内役が教えてくれた。

それは当然だろうな、高機能、高性能は何でも高いものだ。

次の出品は男、犯罪者、終身、15歳、スタートは15枚から、一気に30

枚まで行ってから声が掛かる、彼は見た目で既に違いが判る、ボチボチと上

がり50枚で終わり。

案内役曰く”今のは過去最高に並ぶ程の物だったらしい。

”ベッドの上で死ねるなら彼も本望でしょう”とは案内役の弁だが相手による

と私は思う。

ここから女が続くのだが年齢が男より一気に下がる、最初の1人目から27

歳だ。

女、犯罪者、終身27歳、スタートは5枚から、動きは渋いが8枚までは行

った。

案内役を呼ぼうと思ったら既に横に居た。

「女性の奴隷は人族の場合、相当の美人でもない限り高齢では売れません

彼女の場合顔はまあまあでお腹が少し弛み気味ですし手付かずな事は少ない

ですから」

成る程査定もなかなか難しいものだ。

次は女、犯罪者、終身25歳、スタートは6枚から、私の予想は10枚など

と思ってふと気が付いた。

「所で高齢の女性はどうなるの?」

その問い掛けに案内役は会場説明を始めた。

「お客様は別通路から来場されましたので見ておりませんが、正面口から入

りますと壁の両面に展示されており、表示額は銀貨額になります。

そんな事を話している内に6枚で終わった。

「あれは顔ですね」と上がらなかった理由を説明された、人身売買も奥が深

い。

次は女、犯罪者、終身、24歳、スタートは9枚、顔は普通でスタイルは良

い、予想は15枚、札はゆっくりと上がっていくが12枚で止まった、透か

さず解説が入る。

「あれは胸です」

言われて見れば小振りな胸だ、但し追加の解説が付いた。

「ああ言う趣味の注文が有れば15枚は行きますね」

言われてみればその通りだ、十人十色だからな、世の中は。

次は女、犯罪者、終身、20歳、スタートは15枚、これは多分動かないな

と予想。

予想は大当たり札1枚でそのまま落札、言われる前に聞いてみた。

「あれは地味だから?」

答えは「正解です」だった。

次は女、犯罪者、終身、18歳、スタートは15枚これは何とも特徴の無い

女性だと思ったらやはり札1枚で終わった、私も段々判って来た様だ。

次は女、犯罪者、終身、16歳、スタートは17枚顔は普通スタイル良し胸

良しで予想は20枚、ポチポチ上がり22枚で終わった、高くないかと聞い

たら

「あれは買い手が娼館ですね、手付かずで有れば多少高くても儲かりますか

ら、若くて見た目が普通以上なら大体娼館が引き取りますね」

「最初から売り物に成らない基準とかはあるの?」

「醜悪とデブですね、そう言う注文が有れば別ですが基本鉱山送りです、デ

ブは粗食で痩せてたまに上物に化けるのもいますが、下層で人気も出ますか

ら使い潰されて終わりますね」

「孤児が良く出来ると聞いたがそれはどうなるの?」

「孤児院で15歳まで育てて放逐かそれまでの養育費を取って小さい頃から

丁稚奉公で引き取られます、大体2割は這い上がれず奴隷に落ちますね」

そんな話をしていたら、次が出て来た。

次は女、犯罪者、終身、15歳スタートは18枚、流石に少し幼さが残って

いる全体的に線も細く小柄だ、少女と言った方が早い、取り敢えず履歴を聞

いた。

「食物の窃盗です」

札の上がりは普通にポチポチだが27枚まで来た所で聞いてみた。

「あれが上がっていく理由は?」

「そう言う趣味の方の注文でしょう、彼女は長く生きられないかもしれませ

んね」

そう聞いて私は札を上げた、落札は30枚悪い癖が出てしまったな。

司会が声高らかに本日の目玉と叫んでいる15歳の出品でそんな物は無いだ

ろうと思ったらとんでもないものが出て来た。

女、犯罪者、終身、処分、15歳、スタートは破格の50枚。

それも当たり前だ、背格好、プロポーションは私と同等でロングの銀髪、問

題はステージに出て来て以来私をずっと見ている事だ、価格は止まる事無く

どんどん上がっていく、既に150枚を超えた、鈍くなったのは170枚を

超えた所、その時私の心が上げろと言った様な気がしたが手は無意識の内に

上がっていた、落札価格は180枚、確かに自分で落札したが、自分では無

い様な気がしているのも確かだった。

そんな自分の心情に疑心暗鬼に陥りかけた時、ふと高齢奴隷を思い出し案内

役に高齢を見たいと言ったら案内してくれた、女性は5人、展示最高齢は4

0歳、下は31歳、履歴を閲覧していく、ここの履歴は細かく書いてある、

捕縛地、出身地、基本罪状、捕縛職種、捕縛日、上から見て行き最後の履歴

に興味を持った、捕縛日から既に5年も立っている、捕縛地はライア山脈森

林地、出身不明、食物の窃盗、Sランク冒険者と履歴が際立っている。

これはどうしたと案内役に聞いた。

「それはお薦めしません、今は静かにしてますが鉱山へ連れて行こうにも暴

れて怪我人が出る始末で剣も効かずに処分に困っていたのです、喋ろうとは

するのですが話せません、拳闘家の様な躯体で強靱、怪力、とても人族とは

思えません、何とか処分する事を考えてはいるのです」

「そうなの、暫く時間をくれるかしら?」

「はい、構いませんが?」

「悪いけどそのまま待って居て頂戴」

そう言うとセリアは女を見詰めたままそこから動かなくなった。

(おい、聞こえてるか?)女が反応しセリアを見た。

(聞こえているなら私の目を見て頭の中で話し掛けろ)

{・・・あなたはだれですか?}

(私は見た通りのハイエルフだ)

{たすけてくださいのろいが・・・}

(解けば普通に喋れるのか?)

{・・はい・・}

(判った、大人しくしてろよ)

{はい・・・}

セリアは手の平を女に向けると魔法を発動し始めた。

其れを見て案内役が声を掛ける。

「何をされているんですか?」

「良いから黙って見てて」

煌めく粒子の様な光りが手の平から立ち上がりゆっくりと彼女を包んでいく

徐々に纏まり光りの人型が出来上がった時セリアが呟いた。

「これは強力だな」

その状態が1,2分続き突然光の欠片と成って飛び散り消えていった。

後に残されたのは先程とは似ても似つかぬ16,7歳の少女だった。












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