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世界最強

支店長室にて幹部が雁首揃えてトリスタ支店の今後の方針を話合っている。

ソファーに座り、飲んでいた紅茶を置いてセリアが口を開く。

「まず、今後の第1方針は女性が販売される場合、そこに至った理由を詳細

に調べ支店長判断で問題無しとなれば販売、惜しい人材が居た場合当社で吸

い上げます、判断基準を超えるものは直接私に連絡する事、基準については

ソフィ支店長がその道のプロなので随時確認し周知する様に」

そこでランスが手を上げ発言した。

「その件は了承しましたが、この支店だけでは片手落ちなのではないですか

?」

訝しみセリアが問い返す。

「それはどう言う意味?」

「この大陸には私の知る限り奴隷市場があと4箇所有りますが?」

「何処に?」

「共和国のイラリオ、帝国のブラントとパスカルそれとアルリアです」

その場で私はアンジュにスマホを掛けた。

「私だ・・・ああ・いいぞ、その件は任せる、それよりそこに奴隷市場が在

るのを知ってるか・・・ああ、そこを買収してくれ・・・・ああ、構わん、

それとトリスタの奴隷市場を買収する事にしたから交渉員を派遣してくれ・

・・・・ああ、額面交渉だけだ・・・ああ、その辺の構成は私が決めた、詳

細は来た時聞いてくれ・・・ああ、じゃあ頼む」

皆セリアに注目している。

「あぁ、ごめんなさい、アルリアのは今日から買収交渉に入るそうよ、残る

は3つね」

3人顔を見合わせ代表でソフィが口を開いた。

「それは・何でしょうか?」

「ああ、これ、これは”スマホ”と言って、どんなに離れていても相手と会話

が出来る魔導通信装置よ、ソフィにも1台預けるから各支店との連絡に使っ

て、それとこの奴隷市場の1画にセリア商会の支店を併設する事になったの

、規模は小さいけど、ソフィには当面そちらの支店長も兼任して貰う事に成

るから宜しくね?」

「・・・」

通信している時の口調が違うんだなと今更ながらに思っている皆である。

「ん?みんなどうしたの?」

「いぇ、別に何も・・」

「それと今私が使っている”くるま”だけど、もう少し大型の”とらっく”と言

うタイプの物を将来配車する予定よ、テレイヤ迄なら余裕で半日、帝都でも

止まらなければ2日は掛からないわ、便利でしょ?」

「「「は?」」」

「それと、これを3人に渡して置くわ、当商会の主力商品の”時計”、1日を

24分割表示する物で社員の勤務管理に使うといいわ」

するとソフィが口を挟んだ。

「それは私も知っています、帝都で陛下に見せて貰いました」

「なら、どう言う物かは知っている?」

「ええ、眠くなる程聞かされましたから」


「では、後は頼んだわよ?アレーシュ支店長?」

「賜りました、後はお任せください」

(さて、最後の1人を見に行きますか)

その奴隷は収監室には入れてはいない、干し草の上で片手を鎖で壁に繋がれ

たままになっていた。


ここは出品前の控え室、繋がれている鎖は結構長い立ちっぱなしは疲れるだ

ろうとの配慮なのだろう、前回同様監視員の椅子を持って、壁に背もたれる

彼女の傍で腰を降ろした。

「何しに来たんだい?」

「随分な言い様ね?」

「何も話す事なんか無いよ」

「スタイルも良く背も高い、何より美人だエルフも真っ青ね」

言葉は穏やかだが、その眼差しは威嚇を込めた殺気を放っている。

何処となく野性味を醸す絶世の美女だ。

「何が言いたいんだい?」

「いや、率直な感想よ?」

「冷やかしに来たならお門違いだよ!」

「狡猾で跳ねっ返りとはまるで昔の自分を見ている様だわ」

「あたしには金持ちでお高く止まったハイエルフにしか見えないがね」

「おお!?当たっている!全くその通り、見る目が有るじゃない」

「馬鹿にしてるんじゃないよ!!」

そう言いながら繋がれている手も使い殴り掛かって来た。

貫頭衣の裾の乱れも気にせずに攻めに足蹴りを織り込み多彩を見せる彼女の

2手2足攻撃を座ったまま右手1本で彼女の手足に痣が残らない様、手の平

で全て捌ききる、攻勢は2分程。

「何だ、もう終わり?」

「あんた・・・バケモンか・・・」

息を大きく乱して後退る彼女は壁に背が着くと其の侭へたり込んでしまった。

「貴女の手足に痣が残らない様に気を使った積もりだったのだけど痛く無か

ったかしら?でも同時攻撃は感心しないわよ?威力が半減だから」

「・・・・どうりで・・まるで枕を蹴ってるみたいだった訳だ」

「貴女も強いわ、捕まったのが不思議な位よ?」

攻めるのを諦めたのか、ドッシリと腰を下ろした女は息を切らせながらも

その疑問に答えた。

「・・・・嵌められて薬を盛られたのさ・・」

「ああ、なる程!貴女相手じゃ勝てないものね、その辺のSクラス冒険者

3人で良い勝負かしらね?」

「それを楽々捌くあんたは何者だい?」

「私はただの商店主よ?」

「そんな訳ないだろう」

「居るわよ、目の前に、私はセリア商会代表のセリア・トラーシュよ」

その名を聞いて、女は目を見開いた。

「あ、あのセリア商会か?」

「他に有名な所なんてあるの?」

「いや、アルリアのか?」

「そうよ?」

「どうりでな、あんたに勝てる訳無いだろ、アルリアはあんたのステータス

を開示したんだ、人外のあんたに勝てる奴なんかこの世に居やしないよ」

「あっ・・あの王様やっぱり開示したのね、全く仕方ないわね、まぁそれは

いいとして貴女私の奴隷じゃ無くて眷族にならない?」

「はぁ?・・それは・・・どう言う事なんだ?」

イマイチ飲み込めていない女に拙いながらもセリアは説明した。

「そうね?デメリットよりメリットの方が断然多いと思うけど私を除けば

眷族に成れば今の所は人族で世界最強になるわね、デメリットは逆らえる

けど逆らう気が起きなくなる所かしら?」

「あたしは今でも逆らえてるとは思って無いけどな」

「成ってみれば判るわよ、元には戻せないけど」

「サラッと言ってるな、どうせ拒否権は無いし、あたしの命はあんたのもの

だろ?」

「それは違うわ、眷族になると言う事は”命を重ねる”と言う事よ、心で繋が

るの貴女が死ねば私に影響が出るわ、運命共同体と言う事よ」

「死ねないと言う事か、判った、好きにしてくれ!どうせあたしはアンタに

買われた身だ」

「そう言ってくれて嬉しいわ、じゃあ行くわね」

セリアは彼女の胸に手を当て静かに魔法を送り込んでいく。

淡く煌めく魔法の残滓が消えると同時に女の顔つきが変わった。

セリアに向かい片膝を着いた彼女はセリアを見上げて言う。

「本当に成ってみて判ったよ、これから宜しく御主人様」

これがセリア商会武闘派第1位誕生の瞬間だった。










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