交渉事は自分の土俵で
『そうですね~先ずは貴方が助けたと思っている彼女の事から話ましょうか』
質問、反論は後にしてくれと先に念を押されたので取り敢えず黙って聞くこ
とにした。
『実はあの事故は私が仕組んだ事です』
この一言で思わず立ち上がりかけたが思い直して胡座と腕組みの姿勢で目を
伏せ黙して聞く事にした。
『その理由として、先ず第一は多重世界で同じ魂と肉体は重複存在出来ない
ので、死んで頂かないとならなかったのです、彼女の場合、転移では成す事
が出来ない案件でしたので仕組んだのです。ですが貴方と言うイレギュラー
が関わった事により彼女の再転生が事実上不可能に成ってしまいました。
ここでは、詳細は省きますが魂とは器であり位階が有ります創世以来生き物
は転生を繰り返えす事で器が満たされていき、虫から動物へ動物から人へと
転生を繰り返す事で位階が上がって行くのです、そして彼女は後一度の転生
で{神として転生召喚}されるはずだったのです。』
『その満たされる寸前で、その四割を貴方が掻っ攫ってしまった訳です
そして貴方がこの世界へ辿り着く迄に二つの世界へ干渉し弾き飛ばされた為
探し出すのにひと月も掛かってしまいました。幸いな事にこの世界には魔法
が在ります、他の魂に干渉する事で器を満たす事が出来るのです。つまりは』
『『神に成って下さい』』
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」
『丁度良い区切りですので御質問は有りますか?』
「向こうの世界の彼女を育てればいいじゃないんですか?」
『向こうの世界は魂に干渉する事は出来ても、魔法が無いので器を満たす事
が出来ないのです。それに転生も勝手にさせられませんし満たされるのを待
っていたら何千年も掛かり、成績不良か職場放棄と見なされ堕天使にされか
ねませんので無理です。
実は、貴方に決めた理由は幾つか有るのですが既に天界にて認定されていま
すの
で、やるしか無いですし落第も逃亡も死亡すら出来ないと思います、多分・
・・』
「強制参加ですか・・・」
(何処ぞのブラック企業かよ~勘弁して欲しわ~)
と思いつつ本日何度目かの溜息を吐くのであった。
もう少しトークシーンが続きます、伏線がどんどん増えていきますが
展開が予測し易そうなので、ちょっとドキドキです。