心の有り様
昨日はやってしまった、起きるなり土下座で対応したがハンスさん達は笑っ
て許してくれた結局起きたのは18時過ぎ其の侭晩御飯に突入し、トリスタに
着いたのは日付が変わる前だった、当然開門はしてくれないので結界を張っ
て野宿をした、ハンスさん達には申し訳ない事をしてしまった。
朝別れる時に今度是非魔国に寄ってくれと魔国の鑑札を貰った、今度は必ず
手土産を持って伺わねば成るまい、仕事を減らす積もりが逆に増えてしまっ
た、仕方あるまい総ては己の責任だ、罰だと思って魔国へ行こう、しかし遠
いな、アルリアから1250ルークか・・・・
ハンスとベノンは共和国内を徒歩で移動していた。
魔国は目の前、飛べばさして時間は掛からない、ただそんな気にはなれなか
った。
真っ直ぐ正面を向いて歩くハンスの顔は付き物が落ちた様に晴れやかな顔つ
きになっていた。
そんなハンスにベノンが疑問を投げ掛ける。
「ハンス様、セリア殿の話は本当なのでしょうか?」
「ベノンはあの状況でセリアさんが私達に嘘を言う利点が何処かに有ったと
思うかね?」
「何処にも、何も無い、見出せないのでお聞きしたのです」
「今は私も何も無いと思っているよ」
「ではあれが我らの出生の真実だと?」
「そうなんだろうね」
ハンスは思い返す様に遠くを見て言葉を続けた。
「私はあの最後の言葉を聞いた時、目から鱗が剥がれストンと腑に落ちたの
だよ、涙さえ出そうになった程だった、あの時の彼女の状態はとても正気の
範囲では無かった。
私が思うにあの人の心にはいにしえの上級神の魂が宿っているとしか思えな
いのだよ、あそこまでスラスラと、まるで全て、その時に、見ていたかの様
な語り口、私がこれは真実なのだと思ったのは彼女が”もう死んでいるのだ
から許してやればいいのに”と言った時だよ、落ちた神を彼女は誰なのか知
っている様な口振りだった。
彼女の中に居る神は私達を許せる立場には無いからこそ私達を不憫に思い教
えてくれたのだろうと思うね、彼女の中の神は、既に許してくれていて罪は
無いと言ってくれただけでも私はこれ以上無い程嬉しいよ」
ハンスは快楽に負けて殺人鬼にならなくて本当に良かったと熟々思うのだっ
た。
そんなハンスを救ってくれたのは誰あろうセリアの創った”時計”であった事
を良く判っているハンスであった。
書き貯まって来たので本日は2話投稿です。




